【性教育ワーク連載vol.1】1回15分。親子で性の話を日常会話にしてみましょう
はじめまして。私たちは医師2人のユニット、アクロストンです。私たちは妻と夫の関係でもあり、10歳と12歳、2人の子の親でもあります。学校での性教育の授業、全国各地での工作をしながらの性教育ワークショップ、書籍の執筆やSNSでの情報発信などを通じて、性教育をもっと身近に、自分事として考えてもらう活動をしています。
ちなみに最近の調査ではセックスについての知識を中学生男子の12.3%、中学生女子の5.1%はアダルトコンテンツから知識を得ているとのこと(第8回青少年の性行動全国調査報告)。この調査はコロナ禍の前の物だから、タブレットを全員持ち、オンライン環境にふれる機会が増えた現在は、よりネット上のアダルトコンテンツを性の教科書のように子どもたちは見てしまっているかもしれません。
子どもたちの性を取り巻く環境がこんなことになっているので、学校で、もっともっと性の話をしてほしい!!と私たちは心から願っていますが、なかなか学校での性教育の時間も内容も足りない状態は変わりません。それなら、せめて、家庭で少しずつ性の話を子どもたちに伝えていけるといいですよね。
我が家では、日常生活の中で性の話について親子で話す機会がなるべく自然におこるようにしています。おすすめは、性に関するマンガや本をリビングに置くこと。我が家は性教育関連の書籍やマンガがリビングに設置された本棚にたくさん、というか入りきらなくて床にも並べてあり、子どももそれをよく読んでいます。でも、それだけでは、いまいち、どこまで子どもが理解しているのか、正しい知識をつけつつあるのか、ということはわかりません。
そこで、夕食中などのふとした時に、性の話を日常生活の話に混ぜこんで話すようにこころがけています。小さいお子さんだったら、どんどんこどもの興味のおもむくままに性の話ができますが、思春期の入り口に立つ頃からは、なかなかストレートに性の話をするのが難しくなってきます。そんなとき、ちょっとしたコツや話しかけ方のテクニックを使うことで、意外と子どもたちは性の話題にのってきてくれます。
この連載では毎回、テーマを決めて、そのテーマについて子どもに話しかけるコツ、絶対に伝えたい内容などを伝授します。タブレット・スマートフォンでのトラブル、生理や射精といったからだのしくみ、セックスや避妊についてなど、子どもに伝えたいけど、なかなかきっかけがつかめないようなテーマが毎回のお題。
そのお題について
②話し合いつつ大切な情報をこどもに伝える
という2つのワークを実施しましょう。1回のワークにかかる時間は2つ合わせて15分ぐらい。月2回の通信教材みたいな感じで、気楽に取り組んでもらえれば、と思っています。
「性教育」という言葉が固いせいか、子どもへの性教育では「間違ったことを言ってしまわないか不安」という声もよく聞きます。でも、家庭での性教育において間違うことはそんなに問題ではありません。だって、間違ったと気づいた時点でいつでも訂正できるから。ただ、思春期にさしかかる繊細な時期は特に、言い方を気をつけたり、使わないほうが良い言葉があったりします。そのような言葉についても注意点を説明していきます。
一番大切なポイントは、毎回のワークを重ねることで、親子で性の話ができるようになること。正しい情報を伝えようと頑張りすぎずに、子どもがどんなことを考えているのかを楽しみながら、たくさん対話をしてみてください。
この連載によって、親子で性の話をするハードルが少しでも下がること願いつつ、次回から具体的なワークを始めていきます。どうぞよろしくお願いします!
公立小の保健の授業や楽しく性について学べるワークショップを日本各地で開催。
家庭ではじめられる性教育のヒントや性に関する社会問題についてなどを発信している。
監修:シールでぺたぺた「おうちせいきょういくえほん」(主婦の友社)
著書:3~9歳ではじめるアクロストン式 「赤ちゃんってどうやってできるの?」、「いま、子どもに伝えたい性のQ&A 、思春期の性と恋愛 子どもたちの頭の中がこんなことになってるなんて!」(ともに主婦の友社)
インスタグラム
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