今までと同じ食生活なのに、太って服がきつくなってきました。【高尾美穂先生のお悩み処方箋】

産婦人科医の高尾美穂先生が、悩み多き30~40代のMart世代に優しくアドバイス!第2回の後編は、今までと同じ食生活をしているのに、最近服がきつくなってきた……というHさんのお悩みについてです。

 


教えてくれたのは
高尾美穂先生
産婦人科専門医・婦人科スポーツドクター・ ヨガ講師。産婦人科専門医として、女性の健 康をサポートしつつ、それぞれのライフステージ・ライフスタイルに合った治療を提案す る一方、スポーツドクターとして、女性のプロアスリートへのサポートも行っている。

【相談テーマ】食生活は同じなのに太るのはなぜ?


相談者:Hさん(43歳)
千葉県在住
16歳の息子を子育て中の母
派遣勤務

代謝が落ちてくる年齢層は筋肉量を増やすことが大事!

Hさん:今回はもう一つご相談をしたいのですが、最近洋服がきつくなってしまって……。

高尾先生:この年齢の女性のあるあるですね(笑)。代謝が落ちてくる年齢なので、これまでと同じように食べていても太ってきてしまうんですよね。

Hさん:そうなんです!

高尾先生:代謝を上げるためには、ストレッチや有酸素運動よりも、筋肉量を増やすことを考えるといいですよ。もちろん有酸素運動でも脂肪は燃焼できますが、運動しているときしか燃焼できません。一方、筋肉量を増やせば、代謝がアップして休んでいるときや寝ているときにも脂肪を燃焼してくれます

Hさん:具体的には何をすればいいですか?

高尾先生:腹圧がかかる瞬間をつくるとよいので、スクワットや、階段の一段飛ばしがいいですね。お尻の筋肉ななかなか動かないので、スクワットをする際は、太ももの付け根を押し出すくらい突き出すのがポイントです。

夕食で麺類を食べるのは避け、夕食後に小腹が空かない量を食べて!

Hさん:わが家には小さなトランポリンがあるのですが、これを使った運動は何がよいでしょうか?

高尾先生:コロナの巣ごもり期間中にトランポリンを購入した家庭も多いですね。トランポリン自体は有酸素運動になるので筋トレと組み合わせるといいと思います。ただ、実はMart世代の女性は、出産や加齢などが原因で尿漏れに悩む人が多く、トランポリンをすると尿漏れしてしまいがち。なので、着地するちょっと前にお尻キュッとしめることで、骨盤底筋のトレーニングをするといいですね。トレーニングによって尿漏れが改善できます。逆に放置すると年齢が上がるにつれ悪化してしまうので、尿漏れがない人でも今のうちに対策をするといいですよ。

高尾先生:ちなみに、食生活の面についてですが、夕食後に小腹がすいてつまんでしまうようなことはありませんか?

Hさん:あっ、あります……。

高尾先生:夕食後のつまみ食いは太る元ですよ。何となくおなかが満たされなくてココアを飲んでしまうという方もいますが、変な時間に何かつまんだり飲んででしまうくらいなら、夕食の量を減らしたり主食を抜いたりせず、ごはんをしっかり食べましょう。あと、麺類は塩分が高いのでむくみの原因になってしまいます。夕食の麺類はなるべく避け、ランチはササッとすませたいからと高頻度で麺類を食べている場合は、少し頻度を減らすといいですね。

【高尾先生の処方箋】代謝アップのためにできること

1:筋トレで筋肉量を増やす
2:夜のつまみ食いと、塩分の多い麺類を控える
3: (おまけ)トランポリンがあるなら骨盤底筋のトレーニングを

【相談を終えて】漢方の活用と筋肉量を増やす運動を始めてみたいです!

片頭痛と漢方の相性がいいということをうかがうことができたので、さっそく次回の診察時に主治医に相談してみようと思いました。漢方は体質改善にも効果があるイメージがあるので、片頭痛の頻度が減るといいなと期待しています。

また、代謝を上げるために筋肉量を増やすのがいいというのは目からウロコでした。

しかも寝ている間にも脂肪を燃焼してくれるとは! コロナ禍で外出を控え、筋肉量の低下もひしひしと感じています。まずは自宅マンションの非常階段を使って昇り降りに挑戦してみようと思います。


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最近、ピクミンブルームという歩いた距離によってピクミンを増やして一緒に歩いたり、歩いた道にたくさんの花を咲かせたりできるウォーキングアプリにはまっています。いつもより少し遠回りをしたり、歩くことを意識したりするようになりました。

撮影/中林 香 取材・文/須賀華子 編集/倉澤真由美