マンガで解説!|肌を乾燥から守る【潤いキーワード】大辞典|美ST
気温が徐々に下がり、乾燥する季節がやってきました。皮脂膜、セラミド、NMF、不全角化、角質肥厚、マスクドライ、ポリクオタニウム・・あなたは保湿に関する言葉、いくつわかりますか?「水分量50%に見える肌」を目指すための新常識キーワードをしっかり抑えておきましょう。
保湿の基本は皮脂膜・セラミド・NMFの3兄弟
皮膚のバリア機能として乾燥から肌を守る因子は皮脂膜・セラミド・NMFの3つ。皮脂膜は肌表面にあり体内の水分の蒸散を防止。NMFは、角質細胞内にある保湿成分で水分を肌に留めます。セラミドをはじめとする細胞間脂質は、水分と油分のミルフィーユ状で角層細胞の間をセメントのように埋め、水分を強力に挟み込んでいます。これらのバランスが崩れると乾燥や肌荒れに傾きます。
気温や湿度だけじゃない乾燥の引き金、「不全角化」と「角質肥厚」とは?
紫外線ダメージを受けると修復のためターンオーバーが過剰に早まります。すると、NMFや細胞間脂質が少ない未熟な角層細胞が肌表面を守ることとなりバリア機能が低下します。これが不全角化です。
逆に加齢でターンオーバーが遅くなると角質が厚くなります(これが角質肥厚)。古い角質はバリア機能が弱くセラミドが奪われ、加齢で皮脂・水分量も減って更に乾いた状態に。
マスク必須の今、最も注意したい「マスクドライ」って何?
資生堂によるとマスク着用時はマスク内の温度・湿度が上がり着脱時は急低下。もはやマスク内は春夏秋冬並みの変化を1日で何度も体験しているようなもの。肌がふやける密閉状態→一気に蒸散という湿度変化の繰り返しでバリア機能が低下。細胞のタイトジャンクション(密着結合)がゆるんだままマスクを外して放置すると急速な乾燥を招く恐れがあるのです。長時間のシートマスク、スチーマー後なども潤っているようで実は同じ。上から必ず保湿を!
マスク時代の保湿ミストは「ポリクオタニウム」がいいみたい
保湿剤が十分に入っていないミストは、揮発する時に肌の水分を奪うことがあり逆に乾燥する恐れも。マスクの着脱が多い今は、潤い補給しながら崩れがちなメークも補強したい。どちらも叶える成分、ポリクオタニウム(別名リピジュア)を配合したものがオススメです。左・フラーレンも配合。FFプレステージケア セラミスト¥8,580(FTC) 右・マスクを着用する看護師のために作られたミスト。保護膜を吹きかけガード。 アレナース マスクガードミスト¥990(リベルタ)
日本化粧品検定代表理事。北海道文教大学客員教授。東京農業大学客員准教授。美容家として、正しいスキンケア知識の啓蒙に努める。
2021年『美ST』12月号掲載 撮影/大槻誠一〈静物〉 イラスト/パち子 取材/吉田瑞穂 編集/矢實佑理