フジ新人アナ・小室瑛莉子が語る「私の就活のすべて」
時代が変化するなかでも、学生の就職先・人気企業ランキング上位の常連であるテレビ局。そこで、今春からフジテレビに入社した3名の新人女性アナウンサーのみなさんに、気になるアナウンサー就活に関して根掘り葉掘り聞いてきました。最終回は、小室瑛莉子アナウンサーが登場。アナウンサーを志望するみなさんは必見です。
◆竹俣 紅さんの就活エピソードはこちら!
かなり出遅れてアナウンサー就活をスタート
Q. 小室さんがアナウンサー就活をスタートさせたのは、いつ頃だったのでしょうか。
大学3年生の5〜6月頃からアナウンサーという職業が気になり始め、まずは8月に実施されているフジテレビのサマーインターンシップに応募しました。アナウンサー就活といえば、大学1〜2年生からアナウンススクールに通って、インターンシップや本選考に参加するという就活生も多いなか、かなり出遅れてのスタートだったと思います。
私が興味を持ったタイミングでテレビ局のインターンシップについて調べたところ、その時期に応募できるのはフジテレビのみという状況で…。なんとかインターンシップに参加することができ、アナウンサーという職業について知ることができました。
私が受けていた2019年は、実際にスタジオでカメラ前に立つプログラムなどもあり、かなり実践的なインターンシップだったと思います。そこでフジテレビの社風を肌で感じ「面白い会社だなぁ」と思い、本選考にも応募をしました。
Q. そもそもアナウンサーを志したきっかけはなんだったのでしょうか?
大学3年生になり就活や自身の将来について考えていたときに、その年の1月に亡くなった祖父が生前よく言っていた、『瑛莉子がアナウンサーになったら嬉しいな』という言葉が脳裏に甦りました。私自身、アナウンサーという職業にもともと興味があったので、「ちゃんと目指そう」と思ったのがきっかけです。その年にミスコンに出場したこともあり、歴代のミスコン出場者の先輩方でアナウンサーになっている方も多かったので、アナウンサーへの熱意が日に日に強くなっていきました。
ES写真は自由! 自分らしさが伝わることを意識
Q. エントリーシートで提出した写真を見せてください!
エントリーシートの写真は、ミスコンでの宣材写真を使いました。というのも、その写真は私の人生の中で1番キレイに撮っていただいたものだったので、それをどうしても使いたくて。アナウンサー職のES写真は、“リクルートスーツで微笑む”というテンプレートもなく、自由だと聞いていたので自分が1番自信の持てる写真を選びました。今思うと、ちょっと就職活動っぽい写真ではないですよね(笑)。
自己PRは「納豆大好きエピソード」の一本勝負!
Q. アナウンサー就活時の自己PRの内容を教えてください
恥ずかしながら「納豆が好きだ!」という自己PRを一次選考から最終選考まで話し続けていました(笑)。
周りの就活生のように輝かしい経歴も持っていないですし、正直あまりPRできるような経験もなく、悩み抜いた末に「納豆を1日3パック食べている人って意外といないかも」と思い、納豆エピソードに辿り着きました(笑)。
それと、国際ボランティアサークルに入っていたので、そこでの経験も話していました。就活をしていくうえで、いかに短時間で面接官の記憶に残るような話をできるか、ということは常に意識していました。その甲斐があったのか、面接を重ねる毎に「納豆の子だ」と言っていただけるようになり、役員面接では納豆が健康に及ぼす影響について会話することに(笑)。
とにかく私は後発で準備期間が短かったので、今考えると「よく採用されたな…」というレベルのエピソードですが、親しみやすさや飾らない等身大の自分は伝えられたのではないかなと思っています(笑)。
Q. 採用されるのは毎年数名という狭き門のアナウンサー就活。心も不安定になりやすいと思うのですが、心掛けていたことはありますか?
採用が進んでいくにつれて、毎回その場にいられること自体が奇跡だと思っていました。そのため、次の面接のことを考えるというよりは、まずはその場で自分ができることを最大限出し切っていた…、という感じです。
それでも、面接終わりは毎回これでよかったのかと悩んでいましたし、帰りの駅で涙を流したこともありました。それでも次の面接に呼んでもらえたので、「ありのままの自分で大丈夫」と言い聞かせながら、自分を信じて突き進みました。就活中は「この会社に絶対に受かる!」「ここに入りたい!」という強い気持ちで取り組んでいたので、企業に本気度を伝えることは大切だと思います。
Q. 激しい競争を潜り抜け、晴れてアナウンサーとなった小室さん。ご自身のなかで採用につながった理由を考えたことはありますか?
それが全くわからないんです(笑)。経験や経歴など私よりも秀でた人はたくさんいましたが、強いて言えば、人間味溢れる(笑)ところだと思います。納豆の話もそうですが、面接では日常の話をしていたので、生活感のある人間らしさのようなものが面接官の方々に伝わったのかもしれません。
自分の武器は何かを考えた結果、「背伸びしすぎず、嘘をつかず、自分の全てをさらけ出せること」だと思いました。私自身を知ってもらう、ということを大切にしていた点、そしてフジテレビが飾らず隠さず、人を大切にする企業だったという点が重なって、運よく採用していただけたのだと思います。
Q. 夢だったアナウンサーに実際になってみて、どうですか?
本当に毎日が楽しいです。ニュース原稿を読むことや司会、音を乗せる仕事など、アナウンサーと言ってもその職務内容はさまざまで極めがいがあります。高みを目指し、自分を一生磨いていける環境に身を置けていることに本当に感謝しています。
就活中は、「わかりやすく伝えられるアナウンサーになりたい」と話していましたが、今はそれだけでなく、「視聴者のみなさんへの伝わり方など一歩先まで考えられるようなアナウンサーになりたい」と考えています。親しみやすく、心を許せるそんなアナウンサーになりたいです。
Q. 最後にアナウンサーを目指している就活生の皆さんにアドバイスをお願いします!
アナウンサー就活を振り返って、漢字の勉強や原稿読みの対策はもっとしっかりしておけばよかったと反省しています。
私は選考の原稿読みで分からない漢字があって恥ずかしい思いをしたので、アナウンサー試験を受ける段階で対策をしておくべきでした。一方で、面接中に読めない漢字があったり、読み間違えがあったとしても、その後の行動次第でリカバリーは十分可能だと思います。
私は当時、その場ですぐに「勉強してきます」と対応しました。アナウンサーの採用試験を通して感じたのは、決して完璧な立ち居振る舞いを求められているのではなく、自分がどんな人間であるかを伝える努力を見られているということです。だからこそ、私は失敗しても黙るのではなく、素直に謝るということを大事にしながら就活を乗り越えました。大変なことも多いかと思いますが、一緒に頑張りましょう!
全3回にわたってお届けした、フジテレビの新人女性アナウンサー3名のインタビュー、いかがでしたでしょうか? アナウンサーを目指すみなさん、ぜひ参考にしてみてください!
撮影/佐々木大輔<SIGNO> ヘアメイク/RYO<ROI> 取材/大塚優貴 編集/岩谷大