女性が一生独身だった場合のお金の問題|③将来のためにお金を増やす方法3選 

女性が一生独身で生きていく場合、老後30年間で必要なお金は約1440万円〜3240万円。将来のためのお金を確保するためには支出を減らし、収入を増やすという両輪を実践することが大切です。前回の支出を減らす方法に続き、今回はお金を増やす方法を教えていただきました。

【1】 職場の手当や昇給制度、副業などで稼ぎを増やす 

会社員の人は資格手当がある資格の取得を目指したり、会社の昇給システムをチェックして毎月の収入を増やせないか検討してみましょう。また、生涯収入を上げるには「長く働く」という視点も大切。会社員なら再雇用の仕組みがあるかを調べておきましょう。副業がOKな人は今の会社を退職しても働ける仕事を始めるのもいいかもしれません。ライティング、イラスト、写真などのクリエイティブ系や、何かを作って売るなどの副業は最初は単価が安く、1円でも稼ぐのが大変かもしれませんが、年収や月収を増やすことだけでなく「長く働く」という選択肢を持って自分のキャリアを考えられるといいですね。

【2】 つみたてNISAやiDeCoをコツコツ続ける

投資の利益に対しては通常約20%の税金が発生しますが、20年間非課税で運用できるのが「つみたてNISA」。まずは「つみたてNISA」を年間の上限額40万円を目標に積み立てましょう。最初は少ない金額の積み立てからスタートして、徐々に年間40万円に近づけていくのでも大丈夫ですさらに余裕がある人は確定拠出年金「iDeCo」の上限額を目指して。上限額は会社員、公務員の人は年間14.4万円〜27.6万円、フリーランスの人は年間81.6万円。現在30歳であれば30年間で432万円〜2448万円の拠出となり、蓄財にまわせます

「iDeCo」も非課税で運用でき、さらに積み立てた金額が全額、所得控除の対象となり、現役時代の減税につながるのもメリット。「iDeCo」は年金なので原則60歳までは引き出せないため、生活に無理のない範囲で積み立てることが大切です。また口座開設に2,829円~、年間の手数料が2,052円~発生するので、運用の成果と減税効果が手数料を上回るようにするには、最低でも月1万円以上積み立てられるとよいでしょう。「つみたてNISA」「iDeCo」はどちらも運用次第では元本割れのリスクがありますが、「つみたてNISA」は手数料が低く長期運用しやすいなど、金融庁が定めた条件をクリアした商品のみを扱っているため選びやすく、iDeCoは元本を確保できる商品を選ぶことも可能。資産運用をするならまずはこの2つから始めるのがお勧めです。

【3】 マンションを購入する

第1回でも住居費がどれくらいかかるかで、老後のゆとりが変わってくるというお話をしましたが、持ち家があれば老後の住居費が維持費だけで済みます。自分の住む家を買う時は素敵に暮らしたい、快適に暮らしたいという「居住性」と、月々の家賃が資産になる、売却ができるという「資産性」のバランスが大切。ファミリーの場合は「居住性」が優先されることが多く「資産性」が低くなってしまうこともあります。その点、一生独身のつもりで買うコンパクトな物件なら「居住性」と「資産性」が共存した物件を見つけやすいので、マンション購入は独身女性が老後に備える一つの方法と言えるでしょう。まずは物件をウォッチして、価格の相場がわかってきたくらいのタイミングで買うのがお勧めです。

金利は銀行によって200倍も違う! ネット銀行に変えるだけでも大きな差が

銀行に寝かせている預貯金の預け先をネット銀行に変えるだけで、利息を200倍にすることも可能です。たとえば預金が100万円なら大手銀行では普通預金の金利は0.001%なので年間の利息は10円ですが、金利0.2%のネット銀行に預ければ年間の利息は2000円に。預金が500万円ならさらに差は大きくなり、大手銀行で年間50円、ネット銀行で年間で1万円の利息という計算に(利息には約20%の税金がかかります)。代表的なものとしては、あおぞら銀行BANK支店が0.2%、楽天銀行は証券口座との連携で0.1%となっており、このようなネット銀行を賢く利用するのも将来の備えになるでしょう。

お話をお聞きしたのは

風呂内亜矢さん ファイナンシャルプランナー
26歳の時、貯蓄80万円しか持たずマンションを衝動買いしたことをきっかけに1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP®を取得。現在は株式、外貨預金、投資信託、不動産の家賃収入で資産を運用。テレビ、新聞、雑誌のほか『つみたてNISAの教科書』(ナツメ社)などの書籍や、vlogを交えたYouTubeチャンネル『FUROUCHI vlog』にてお金に関する情報を発信。

監修/風呂内亜矢 イラスト/二階堂ちはる 取材/加藤みれい 構成/中畑有理(CLASSY.編集室)