青山祐子さん「いま、気持ちはなに色?」
香港では9月の中秋節に、家族が集まって食事をし、月餅まんじゅうを分け合い、カラフルなランタンで街が華やぎました。子供達の学校でも、月餅やランタンを作ってお祝いムードを味わいました。
新年度が始まって1ヶ月、4歳の娘は、兄姉と同じ新しい学校が楽しくなり、先生とのやりとりをジェスチャー付きで再現したり、学校で覚えた歌を得意気に披露してくれます。
寝かしつけの時には、娘が学校で習った深呼吸の方法を実演してくれます。
・手の指周りを、反対の手の指でたどりながら、息を吐いたり、吸ったりする。
・両腕を蝶のようにふんわり羽ばたかせながら深く呼吸する。
・風船をイメージして、両手を広げたりしぼめたりしながら深呼吸する。
・おへそのあたりに手を当て深呼吸。
寝る前に「ママはどの方法が好き?こうすると気持ちが落ち着くよ」と教えてくれ、やがて眠りはじめます。
学校では、今の気持ちを4つの色に分けて判断し、
気持ちを落ち着かせる方法を学んでいます。
●赤=(制御不能)怒る、不機嫌、怯える、叫ぶ、叩く、大興奮
●黄=(少しコントロールできない)イライラ、心配、落ち着かない、ワクワク
●緑=(学ぶ準備OK)幸せ、穏やか、OKな気分、集中
●青=(動きが鈍い)悲しい、病んだ、疲れ、退屈
緑のゾーンは、気持ちが落ち着き、考えがはっきりし、良い選択、決断ができます。
まず冷静になってから、問題解決へ。
自分だけでなく、相手の気持ちもわかるようにという取り組みです。
末っ子は我が家では特に甘えん坊で、気に入らないことがあるとすぐ大声で泣き叫び●赤の制御不能状態へ。4人目なので、多少余裕を持って対応できますが、お兄ちゃん達がうるさいと怒り出すと、次第に私の気持ちもイライラと我慢を行ったり来たり…
気持ちを●緑の穏やかゾーンへ落ち着かせるのは、かなり大変です。
一方、9歳の長男は、思春期前で感情が荒ぶることもしばしばですが、
この1ヶ月、毎朝30分前にバス停へ行き、好きな本を読んだり、スケッチをしたり、朝の爽やかな空気を感じながら穏やかな気持ちで1日をスタートさせるようになりました。
時間に追われ慌ただしい弟妹達とは大違い。
さらにテニスの試合では、自分のミスが重なりイライラすると、サーブ前に少し歩いたり、間を取ったりして気持ちを切り替え、調子が悪い中でも勝ち切れるようになってきました。数ヶ月前は、負けそうになると泣いて試合を投げ出したのに、このひと夏で心身ともに逞しく成長し始めています。
自分の気持ちを客観的に認識して、場面に合わせてギアチェンジすることは、大人にとっても難しい時があります。アグレッシブ、シャキッと程よい緊張感、冷静沈着、穏やかな気持ちなど、時と場合によって上手く切り替えられるといいのですが、空回りしたり、落ち込んだり、腹が立ったり…気持ちが抑えられないこともあります。
自分の心の変化を感じながら、感情を上手にコントロールできるようにするために、スポーツで思いっきりストレスを発散し、好きな音楽やティータイムなどでリラックスして心に余裕を持っておくことも大事ですね。
子供と一緒に自分の気持ちを考えるのにおすすめの本です。