「今までの感謝を伝えたい」柚希礼音さんがコンサート『REON JACK4』に込めた想い。

トップスターとして宝塚歌劇団で数々の伝説を残し、退団後もさまざまなフィールドで活躍を続ける柚希礼音さん。今年の秋、ファン待望のコンサート『REON JACK』が3年振りにカムバック! コンサートの枠組みを飛び越え、ショーとして高い評価を得ているステージに臨む柚希さんに今の心境を伺ってきました。

PROFILE
柚希礼音(ゆずきれおん)●1999年、85期として宝塚歌劇団入団。2009年、星組トップスターに就任。6年を超えてトップを務め、2014年には日本武道館リサイタルの成功を収めるなど、多くの伝説を作る。2015年の退団後も舞台、ミュージカルを中心に活躍中。2022年にはミュージカル『ボディガード』の出演が決定している。

コロナ禍だからこそ…ステージと客席で心が通うステージを作りたい

–REON JAC

–REON JACKの開催は3年振り。今の気持ちを教えてください。

コンサートには、舞台とは違う面白さがあるんです。自分の好きな歌やダンスに思う存分取り組めて、ファンの皆さまと交流ができる。コンサートは私にとってすごく大切な存在です。

REON JACK3を終えた時、正直なところ“やりきった感”があったのですが、「やっぱりコンサートをやりたい!」という思いがフツフツと強まり、REON JACK4を決行することにしました。

でも、コロナ禍でのコンサートは初めてなので不安なことがたくさんで…。まずは出演者、スタッフ全員がコロナ対策を徹底することが、お客様に安心して来ていただく大前提かなと思っています。気がかりなのは、ファンの皆さまがコンサート中に声を出せないこと。私のコンサートって、MC中にファンの皆さまが私に話しかけてくれるんです。「カッコいいー!」とか「ちえちゃーん!」みたいな呼びかけだけでなく、「〇〇のことを話して!」とか「××はどうなの?」のように、トークのネタになるような質問をしてくださることも多数。普通に会話が始まるんです(笑)。私がMCが苦手だから、皆さん助けねばと思ってくださるみたいで。

今回は一人でMCしないといけないことが一番不安ですが…今までと同じ形では難しいですが客席の皆さまと意思疎通したいので、グッズでペンライト&エッグシェイカーセットを出します。三色に変化するペンライトを使って、色でYesやNoの意思表示をしてもらったり、エッグシェイカーを振って音を出してもらったり。声は出せなくても、ステージと客席で意思疎通できるよう準備しています。

–コンサートはどのような構成になっていますか?

REON JACK4を行うにあたってまず思いついたのが、コロナ禍で張り詰めた日々を送っているなかでもほっと一息つけるコンサートにしたいということ。観ていただくことで、心の緊張を解きほぐせたらいいなと思っています。

初回のREON JACKは宝塚OGの出演者が多かったので、現役時代を思い出していただけるような内容。REON JACK2はプロフェッショナルのパフォーマンスを堪能できて、REON JACK3は少し親近感を感じられるような構成にしました。そして今回のREON JACK4は…前半はホッとできるほっこりした内容、後半はクオリティの高いパフォーマンスをしっかりと観ていただけるような構成にしています。

充実した40代を送れることに感謝の気持ちでいっぱいです

–40代を迎えて初

–40代を迎えて初のREON JACKですが、今までと比べて変化はありましたか?

初めて全部を通したときは、びっくりしましたよ、40代にはハードで(笑)。REON JACK3に出ていた共演者の皆さんには「3より踊っている量が多いからだよ」と言ってもらえたんですが、そうだったとしても、畳みかけてくるようなハードな展開を変えることはできないし…「大丈夫かな」と途方にくれる面もありつつ、配分を考えながらやっていこうと思います。

でも、踊るのって本当に楽しくて、細胞が喜ぶ感じがするんです! 大変ですけど、いろいろなジャンルの踊りをその道のプロの皆さまとコラボできるのは楽しい限り。皆さん本気なので、分野の違う私だからって容赦してくれないんですよ(笑)。経験済みのタンゴも3年ぶりなので、基本レッスンからみっちりやり直しました。YOSHIEさんも、グルーブはどうとかひとつひとつ丁寧に教えてくださって。体力的にはハードですが、こんなに恵まれた環境で充実した40代を送れていることに、心から感謝する毎日です。

ステージの完成度UPのお手本は…昔の自分!?

–出演者の皆さまは

–出演者の皆さまは、キャストと呼ぶより“ファミリー”と呼ぶにふさわしい存在かと思います。実際の家族に当てはめるとどうなりますか?

私は…今回は三男坊ですかね。REON JACK2でSHUN先生、クリスティアン・ロペスさん、大貫勇輔さんの男性3人がダンスしたのが、長男、次男、三男という感じだったんです。REON JACK3で、この男性だけのダンスに私も出たい!と言って、四男坊として出してもらったのですが、今回は大貫さんがいないので、私が三男坊に格上げという形(笑)。宮尾俊太郎さんは初演なので四男坊になってもらおうかな!

実はYOSHIEさんもREON JACK3で男性だけのダンスに出たい!と言っていたのですが(笑)。YOSHIEさんは男兄弟というよりは明るい長女という感じなので、そこは男らしいメンバーで貫こうということになりました(笑)。

上野水香さんは私よりちょっと年上なんですけど、可愛い妹。SHUN先生は楽しい長男であり、優しくて頼れるお父さんでもあります。どこかの公演で、このアットホームな関係性を感じてもらえるような演出があるんです! どの公演か、楽しみにしていてください。

–日替わりゲストで出演される、宝塚OGの湖月わたるさんと夢咲ねねさんのお稽古場でのエピソードを教えて下さい。

わたるさんにお会いすると宝塚時代に戻ってしまうので、毎回ドキドキ(笑)。わたるさんは、退団後もずっと男役を極め続けているんじゃないかというくらい今もカッコよくて! 立っていても座っていても、何から何まで素敵。先日、一緒に写真を撮っていただいたんですが、私は何から何までイマイチで…。わたるさんと踊る本番までに何とか横に並べるように頑張りたいです。

今回踊らせていただくのは、わたるさんがトップで私はその他大勢だった頃の場面。今それを二人で踊らせていただくことに身の引き締まる思いであると同時に、とても幸せを感じています。

ねねには退団後のディナーショーに出てもらったのですが、大きな舞台でデュエットダンスを踊るのは退団して以来6年振り。ファンの皆さまはどのデュエットダンスが観たいのか…すごくすごく悩みました。今でも「このチョイスで良かったのかな?」と不安に思う部分はあるのですが、離れていても心はつながっているという思いを伝えたくて選びました。

お稽古で最初に踊ったときは私の“男役度”が下がっていたようで、SHUN先生に「もっとガシガシやりなよ!」と言われてしまって。現役時代の映像を見返したら、今とは全然違っていて「これこそ男役だ!」と思いました。そんなに正面ばっかり見る? そんなに脇開く? と自分に突っ込みつつも、昔の自分に学ばせてもらっています。ねねも私と同じで娘役度がダウンしていたのですが(笑)、昔の自分を思い出しながら、もっともっと!と2人で頑張っています。今では息も合ってきて、お互いに昔の感覚を思い出しつつ、よりよい踊りへと高めていけていますね。

ファンから教わった「会えなくても心はつながっている」こと

–コンサートを楽し

–コンサートを楽しみにしているファンの皆さまに一言お願いします。

今年初めの舞台が中止になってしまったことがありました。とても落ち込んだのですが、ファンの皆さまは本当の家族のように寄り添って励ましてくれて、回復したことも自分のことのように喜んでくださって。改めて、皆さまが共に歩いてきてくれたことを実感し、出会えて良かったと感じました。今までは直接お会いすることが一番大切だと思っていましたが、会えなくても心はつながっていると教えてくれたのもファンの皆さまです。

REON JACK4では、とうとう、やっと、皆さまとお会いできることになり、とてもありがたい気持ちでいっぱいです。今までの感謝を込めたコンサートで、私の気持ちを受け取っていただけたら嬉しいです!

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東京公演の開幕はもうすぐ! パワーアップしたREON JACK4が楽しみです。9月9日公開の次回インタビューでは、柚希さんのライフスタイルについてフィーチャー。頑張り過ぎずにハッピーになれるヒントが詰まったインタビューをお楽しみに。

柚希礼音ソロコンサート『REON JACK4』公演情報

2021年秋、3年振りに「RE

2021年秋、3年振りに「REON JACK」がカムバック。日替わりでスペシャルゲストを迎えるなど、さらにパワーアップして開催されます。最強のメンバーで繰り広げられる「REON JACK4」をお見逃しなく。チケット好評発売中。

【東京公演】TOKYO DOME CITY HALL
日程:2021年9月11日(土)・12日(日)
【北九州公演】北九州芸術劇場 大ホール
日程:2021年9月18日(土)・19日(日)
【大阪公演】梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ
日程:2021年9月23日(木・祝)~26日(日)

https://reonjack.com/

フォトギャラリー(全4枚)

【衣装クレジット】
オールインワン¥177,100(Max Mara/マックスマーラ ジャパン tel.0120-030-535)ネックレス¥800,000イヤリング¥610,000ブレスレット¥61,000(すべてBuccelati/ブチェラッティ tel.03-4461-8330)

撮影/永峰拓也 ヘアメーク/CHIHARU スタイリング/後藤則子 取材/よしだなお 編集/宮島彰子(CLASSY.ONLINE)