明日海りおさんインタビュー|主演舞台で演じるのは“実は女性だったモーツァルト”!
宝塚を退団後、舞台、ドラマ、バラエティ番組と大活躍の明日海りおさん。今秋に待望の主演舞台『マドモアゼル・モーツァルト』が上演! 「モーツァルトが実は女性だった!?」という斬新な設定の今回の舞台の見所に加え、明日海さんのライフスタイルについてもたっぷり語っていただきました。インタビュー第1回目は『マドモアゼル・モーツァルト』の魅力や、相手役を務める宝塚元トップ娘役の華優希さんについてお話を伺いました。
――舞台『マドモアゼル・モーツァルト』主演が決まった時の気持ちを教えて下さい
「宝塚退団後、これまでに取り組んだ舞台は今まで演じたことのある役や、ご一緒したことのある演出家の先生の作品だったんです。今回は違うフィールドで新しい役を任せて頂けることが純粋に嬉しいです。最近は映像のお仕事が続いていたので、舞台のお仕事は私の原点に戻るようで気が引き締まる思いでいます。そしてコロナ禍により、人と接する機会がとても減っているので、舞台という同じ空間で作品の流れや音の響き、高揚感を共有できることが尊いです。今はカンパニーとして少しずつ作品を作り、深めていく醍醐味を味わっています!」
――今の時点で明日海さんが感じているこの作品の魅力や見どころは?
「“王道ミュージカル!”というところに魅力を感じています。初演は30年前なのですが、劇中のナンバーは今聞いても古さがなくて素直に“ミュージカルを楽しめる”作品です。物語はモーツァルトが実は女性だったというところから始まっているのですが、ジェンダーのとらえ方が初演の30年前や過去の再演の時と今はまったく違うと思うんです。私は男役をずっとやってきて、今は女性の役に挑戦しているので…。この経験を活かしてジェンダーのとらえ方を繊細に演じ、リアルに表現したいと思っています」
――カッコいい明日海さんは観られますか?
「男性のモーツァルトとして生きている時って、男役を演じればいいわけではないと思うんです。女性が男性のふりをしているわけなので、実は女性ということも感じさせたほうがいいのか…。どのくらいのさじ加減でやるか、とても難しいです。でも何よりも大切なのは男か女かというより、音楽そのものを愛し、魂の全てを作曲に捧げて生きていることだと思うんです。その熱い想いを胸に成長することで、本当の自分が生まれてくる! そんな感覚が面白いし、演じ甲斐があると思っています。宝塚の男役とは違いますが、皆さまに満足して頂けると思っています」
――相手役が今年7月に宝塚を退団された華優希さんに決まった時のお気持ちは?
「コンビを組んだ期間は短かったんですが、組む以前から彼女とお芝居するのが楽しいというか、心を動かされるんです。なので、また一緒にお芝居できることが嬉しいです! でも、正直なところ不安もあって…。宝塚の男役と娘役の関係性って独特で、娘役は控えめで男役を立ててくれる存在なんです。これはモーツァルトとコンスタンツェ(華優希さん演じるモーツァルトの妻)には当てはまらないので、私と彼女のコンビがこの作品にはまるのか?、と。ですが、二人ともお芝居が大好きなので、妥協することなく新たな夫婦の関係性を作り上げたいと思っています」
――明日海さんと共演が決まったときの華さんはどんな感じでしたか?
「私としては『わーい!』くらいでいてくれていいんですけど(笑)。そこが彼女らしいんですが『恐れ多いです。こんな光栄なことはございません!』と真っ直ぐな瞳で言ってくるので(笑)。彼女は退団後初めての舞台で不安だと思いますが、甘えられる部分は甘えてもらい、二人で協力できることはして、思いっきり自由に作品に向き合っていきたいです!」
――この作品で明日海さんが目標や楽しみにしていることは?
「初演からモーツァルトを演じている土居裕子さんの歌声をお聞きしたんですが、どの音域も美しいんですけれど高音で歌い上げるところが素晴らしいんです。私が今まで歌っていたキーとは全く違うソプラノなので課題はたくさんありますが、自分の新しい声を開発することを目標にしています! 安定して歌えるところを見つけたら、もっと新しい表現ができるだろうなと今から楽しみです
――最後にファンの皆さまに一言お願いします
「今回の舞台では、今までにない明日海りおを皆さまにお見せすることができると思います。コロナ禍でとても大変だと思いますが、皆さまと舞台という空間で音の響きや気持ちの動きを一緒に体験できたら嬉しいです!」
宝塚の男役とはまた違う、男性のふりをした女性を明日海さんがどう演じるでしょう? ソプラノで歌い上げる明日海さんも絶対に観たい! もう舞台が待ちきれません! 次回は明日海りおさんのウェルビーイングなライフスタイルについてお聞きします。
明日海りお
‘85年6月26日生まれ。’03年宝塚歌劇団に89期として入団。‘14年花組トップスターに就任。タカラジェンヌとしては初となる横浜アリーナでコンサートを開催するなど活躍し、’19年に退団。大劇場主演数は史上最多となる。退団後はNHK連続テレビ小説『おちょやん』などのドラマに出演。冠番組・Huluオリジナル『明日海りおのアトリエ』も好評配信中。
『マドモアゼル・モーツァルト』
「モーツァルトが実は女性だった」というフィクションを描いたミュージカル。‘91年に初演され、モーツァルトの楽曲が使用されていることはもとより、小室哲哉が音楽を担当していることでも話題を呼ぶ。初演から30年がたち本年、宝塚元トップスターの明日海りおにより新たな『マドモアゼル・モーツァルト』が誕生。●10月10日~10月31日 東京建物ブリリアホール 作品公式HP
撮影/神戸健太郎 ヘアメーク/山下景子(コール) スタイリング/大沼こずえ(eleven.) 取材/よしだなお 構成/中畑有理(CLASSY.編集室)
カーディガン¥97,900グリーンブラウス¥69,300ブラックデニムパンツ¥47,300(すべてヌメロ ヴェントゥーノ/イザ☏0120-135-015)