クリス-ウェブ佳子さんに聞く「40代こそ、おしゃれで色を楽しむべき理由!」
★ 40代からは「カラフルな毎日」が待っていた!
15年前。近所の公園で出会ったママ仲間からは、黒ずくめの衣装で舞台を動き回る〝黒衣〞のようだと揶揄されるくらい、私のワードローブはモノクロ一辺倒でした。配色選びに悩むことも、好きな色を見つけることすらも煩わしい。時間を節約するために、ほぼ毎日グレーのTシャツを着るFacebookのマーク・ザッカーバーグほどとは言わないまでも、日々の服選びに費やすエネルギーを私は最小限に留めていました。
そんな〝映え感〞のかけらもなかった私のクローゼットに変化をもたらしたのが、幼い娘たちの〝ドレスアップごっこ〞です。グリーン、ピンク、パープル、イエロー。色も柄もバリエーション豊かな洋服を取っ替え引っ替えしながら、自由気儘に着飾る娘たちに感化され、私は色遊びのとりこになっていきました。
ところがです。娘たちが幼稚園や小学校に通い始めた頃から、モノクロ、そして当たり障りのないニュートラルカラーの服が私のクローゼットを占領し始めます。卒入学式、保護者会、PTA。制服なんてとっくのむかしに脱ぎ捨てたのに、TPOに縛られ、周りの視線を気にしすぎた結果、私は再び色遊びを封印してしまったのでした。
40歳の誕生日を数日過ぎたある日の夕方。娘たちと立ち寄った近所のセレクトショップで鮮やかなオレンジ色のスウェットを見つけました。欲しいけれど、年齢的には派手すぎるかも。隣にいた長女が察したのか、「似合うんじゃない」と言ってくれましたが、咄嗟に口をついて出たのが「ママ、もう40過ぎだよ」というネガティブな常套句。長女はへぇっ! という顔で「ママでもそんなこと、言うんだね」と笑って一蹴しましたが、正直、そう言った自分に私が一番驚いていました。
結局、娘たちに背中を押されて買ったオレンジ色のスウェットは、ピンク色のシルクのパンツに合わせるのがお気に入りのコーディネートで、一瞬でも派手すぎるかもと戸惑ったのが嘘のようです。
「老けたからオシャレが楽しくなくなる」のではなく、「オシャレを楽しまなくなるから老ける」のかもしれない。そう気付かされたあの日以来、私は自分をいろいろな色で染めたり、表現したりするのがより一層楽しく、そして好きになりました。
トップス¥73,700 パンツ¥86,900(ともにアレキサンダーワン)T シャツ¥16,500(ラグ& ボーン/ rag & bone 表参道店)バッグ¥51,700(カラ/ブランドニュース)スニーカー¥7,150(コンバース/コンバースインフォメーションセンター)ピアス¥7,260(ニナ・エ・ジュール/ショールーム 233)
撮影/曽根将樹(PEACE MONKEY) モデル/クリス-ウェブ佳子 ヘア・メーク/森ユキオ(ROI) スタイリスト/竹村はま子 取材/小花有紀 ※情報は2021年8月号掲載時のものです。