アラサー女子が知っておきたい高齢出産への備え【Vol.1】
晩婚化やコロナ禍で婚活が進まないなど、様々な理由で出産年齢が上がっている今。この先妊娠を望むなら、早いうちから自分の体をよく知り、妊娠への備えをしておくのが良さそう。CLASSY.世代にとっても他人事ではない“高齢出産”について、正しい知識を身につけるべくフィーカ レディースクリニック院長の佐野麻利子先生に、まずは高齢出産の定義とリスクついて教えていただきました。
“高齢出産”とは、何歳以上での出産のこと?
日本産科婦人科学会では「35歳以上の初産婦を高年初産婦とする」と定義しています。こちらには出産を経験している経産婦の方は含まれません。また、世界産科婦人科連合(FIGO)では「初産では35歳以上、経産では40歳以上」と定義しています。
高齢出産が増えているのは本当?
厚生労働省の発表によると、2018年の平均初産年齢は30.7歳です。出生率が減少するなかでも、40~44歳、45~49歳で出産する人は増えています。35~39歳での出産数は、平成7年では10万人程度だったのに対し、平成30年では2倍の約21万人に、さらに40~44歳の出産数に至っては平成7年では1.2万人だったのに対し、平成30年では、4倍以上の約5.1万人にまで増えています。
高齢出産のリスクとは?
高齢妊娠では妊娠初期の流産率が上昇します。これは加齢による卵巣機能や子宮機能の低下と、ダウン症候群をはじめとした染色体異常の頻度が増すことが理由のひとつです。また、妊娠糖尿病・妊娠高血圧症候群・前期破水・切迫早産・前置胎盤・常位胎盤早期剥離や胎内死亡といった産科合併症も発症頻度が上昇します。さらに、高齢では高血圧症や2型糖尿病、肥満などの内科合併症を持つ女性も多いため、妊娠中の内科合併症の悪化や妊娠高血圧症候群などの産科合併症も引き起こされます。しかし、検診で体の状態を知ったり、生活習慣を改善することにより高齢出産で起こりうるリスクを軽減・予防することができます。
「35歳以上は妊娠率が低下する」というのは本当?
年齢が高くなるほど、特に35歳以上では卵子が老化し受精卵の染色体異常が増加するため、どうしても妊娠率が低下してしまいます。
CLASSY.世代が今からできる“高齢出産への備え”とは?
年齢が上がればいろいろな病気にかかりやすくなります。かつ、現代女性は子宮内膜症や子宮筋腫などの病気も増えています。事前にチェックすることで妊娠の備えとしてのトータルヘルスチェックができるので、定期的に病院やクリニックで自分の体の状態を確認しましょう。