4児の母・MALIA.流子育ては“褒め倒す”「今の私はマジで最高の女だと自負してる」
90年代から00年初頭にかけ、『egg』や『Fine』『ViVi』などでモデルとして活躍したMALIA.さん。『VERY』と同世代の1983年生まれということもあり、リアルタイムで誌面の彼女を見ていた人も多いかもしれません。そんなMALIA.さんは2002年にプロサッカー選手と結婚し19歳で長男を出産。離婚を経て格闘家と再婚し、次男と長女を授かるも、26歳で2度目の離婚を経験。3人の子どもを抱えるシングルマザーとなったMALIA.さんは、一家の大黒柱としてブラジリアンワックスの店を開業。さらにアパレルブランドを起ち上げるなど、実業家として成功。そして、4度の離婚を経て4人の子どもに囲まれて過ごす’21年 。周囲の声に惑わされることなく、いつも自分の心にまっすぐなMALIA.さんに、その秘訣を聞きました。ここではその後編をお届けします。
※掲載中の内容はVERY2021年5月号掲載時のものです。
▶︎インタビュー前編「MALIA.さん4度の離婚と4人の育児『結婚を4回したかったわけじゃない』」
長男はプロサッカー選手。
MALIA.流子育ては“褒め倒す”
長男の海鈴はこの4月からプロサッカー選手と並行して、大学の通信課程で勉強もスタートさせたの。学業はおろそかにしてほしくないと小さい時から言っていたから、合格した時はとても嬉しかったな。
海鈴は私にとって本当に頼れる存在だった。3人の子どもを抱えて別居したばかりの時は、5歳だった彼に父親の役目をやってもらっていたところもある。「ママだけが頑張らないでいいよ、ボクも手伝うから」という海鈴の言葉が、私の心をどれだけ救ってくれたことか。その後も、4度目の離婚を発表したことで彼の周りの反応が心配だったけど、「『MALIA.の子どもはかわいそう』なんて言う人には、オレがどれだけママの息子で幸せか言ってやりたいよ」って言ってくれて……号泣したよね。
海鈴をはじめ、うちの子たちはみんな優しい子に育ってくれた。私が子育てで大切にしていることは、とにかく小さい時から子どもたちを褒め称える、ってことかな。赤ちゃんの時は特に「エラい!」「いい子!」「凄い!」の嵐。そうそう、この前もお母さんになったばっかりの友だちから、「赤ちゃんが泣き止まない!」ってSOS電話があったの。「赤ちゃんは喋れないから泣いて教えてくれるんだよね。だから、『サインを出してくれてありがとうね』ってゆっくり話しかけると自分も穏やかになって落ち着けるから、パニックにならないでね」ってアドバイスしたばかり。
18年間の子育てで
鍛えられた
“タイムスケジュール筋”
私は第3子まで2学年違いで立て続けに子どもを産んだから、小さい時はそれこそ一日中、誰かが「ママ!」って叫んでる状態。下の2人が赤ちゃんの頃は、双子用のベビーカーに子どもたちを乗せて買物に行き、洗濯物はどんなにやっても山積みで、家の中は大散乱。とにかく目の前のことに精一杯だったから落ち込む暇すらなく、あっという間に1年、2年と経っていった。
今は18年の経験を積んだおかげで、本当に仕事と子育ての両立がうまくなったと思う。何年も仕事と家事・育児の時間をやりくりするうちに、“タイムスケジュール筋”が育ったんだね。洗濯機のボタンを押すタイミングひとつにしても、「今だ!」って瞬間を的確に捉えられるもん(笑)。筋肉といえば、精神力も私は筋肉のひとつだと思ってて、子育てを通して本当に心が鍛えられた。だから今の私は、子育ても仕事もできる、マジで最高の女だと自負してる(笑)。
娘に指摘された
「ジェンダーの押し付け」
今でこそ自分に自信を持っているけど、小さい時は自己肯定感がめちゃくちゃ低かった。
私のママは「女の子らしくあること」を特に大切にしていた世代なので、娘の私にも必ずスカートを穿かせていたし、ピアノ、エレクトーン、フルート、バレエ……いわゆる女の子っぽい習い事はすべて経験させられた。その頃の私は他の子が穿いているようなショートパンツが穿きたかったから、スカートがNGだった保育園での時間は本当に嬉しかった。けど、園への行き帰りには必ずスカートに着替えさせられていた記憶がある。後に「キュロット」という発明品に出会って、それが親子の妥協点になるんだけど(笑)。
自分が「女らしく」と言われるのが嫌だったから、子育てに「男だから/女だから」を持ち出さないようにしてるのだけど、この前つい娘に「女の子なんだから自分の部屋くらいきれいにしなさいよ!」と言ってしまった。「ママ、普段は〝女だから〟って言い方は嫌いって言うくせに!」と娘に突っ込まれて、2人で話し合ったの。そこで落とし所になったのが、男であれ女であれ、部屋が汚い子と綺麗な子、料理ができる子とできない子、洗濯物が干せる子と干せない子、どっちの子が魅力的に映る?ってことだった。自分もジェンダーの押し付けで嫌な思いをしてきたのに、いつの間にか当時の大人みたいなことを言ってしまっていた。娘に指摘してもらえてよかったなって思うし、しっかり話し合えたことが嬉しかったな。
振り返ると、本当に怒濤の人生だったと思う。それでも周りを気にせずいられるのは、自分の中に絶対にブレない子どもたちへの愛情と、自分への信頼があるから。
自己肯定感は自分の身体と心に向き合うことでもアップできるし、子どもと生活する中でも育んでいけるもの。自分の中に眠っている目に見えない愛情や信頼が何より人生を豊かにしてくれる。今は心からそう思えるんだ。
MALIA.(マリア)
1983年生まれ、横浜市出身。『Fine』『ViVi』などでモデルとして活躍した後、4度の離婚を経て3男1女をもうける(上から、18歳、高2、中3、2歳)。現在は実業家としてブラジリアンワックス店やアパレルブランド『ANELATOKYO』などを展開。2021年2月より、長男でプロサッカー選手の新保海鈴さんをサポートすべく、山口と東京の2拠点生活をはじめた。
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【インタビュー前編】MALIA.さん4度の離婚と4人の育児「結婚を4回したかったわけじゃない」
クリス-ウェブ 佳子さん離婚を決めた瞬間「夫を憎しみ始めている自分がいた」
撮撮影/吉澤健太 ヘア・メーク/JunJun 取材・文/小泉なつみ 編集/フォレスト・ガンプJr.
*VERY2021年5月号「【モデル・MALIA.さんインタビュー】4回の結婚と離婚、そして4人の子どもたちが教えてくれた人生で大切なこと」より。
*掲載中の情報は誌面掲載時のものです。