中林美和さん「子育てが落ち着いてきた頃が一番悩ましかった」

子育ては、すでにファイナルステージ？19歳から子育てが始まり、ステップファミリーの決意、4人の子どもたちのママになり、シングルマザーに。ひとりの女性としてセカンドステージを歩み始めた中林美和さんが「あの頃とこれから」を真っ直ぐに語ってくれました。ここではインタビュー【前編】をお届けします。

▶︎インタビュー【後編】はこちら（5/19 up）

「振り返れば、子どもがちょっと
手を離れたくらいの
何をするにも半端な時期が一番悩ましかった」

長女が大学合格！
まさかのひとり暮らし宣言？

　先日、長女の大学受験が無事に終了。「ママ、合格したよ！」と報告を受けたときは、うわーって涙が溢れました。娘がひとりで成し遂げたことに対しての感動でもあり、親としての仕事が一区切りしたという達成感の涙でもあるのかも知れません。私のなかで、子育てはもうファイナルステージ。4人がそれぞれ自分の道を見つけて歩み始め、子どもというよりは同志に近い存在になってきました。寂しさよりも「これからが楽しみ！」という気持ちのほうが強いですね。今よりも小学生から中学生ぐらいの、段々と「ママ、ママ」と頼られなくなり、母親としての仕事が減っていくあの段階のほうが寂しかったような気がします。でも、このあいだ長女に「大学生になったら、ひとり暮らしをしてみたい」と言われたときはやっぱり寂しかったかな。今は息子たちも成人、次女は韓国にいるので、長女とふたり暮らしなんです。4人いた子どもがひとり、ふたりと巣立って「え、最後は私ひとりになっちゃうの？」って（笑）。大学は自宅から通える距離なので「ひとり暮らしをしても、ママは家賃を払わないよ」と言ったら「それは困る！」と諦めたみたいですけど（笑）。思い返せば自分もそうでしたが、18歳って気持ちは大人じゃないですか。でも社会的にはまだ子どもで、ひとりで決められないこと、できないことが多い。もどかしい年頃なんだろうなって思います。喧嘩はほとんどありませんが、たまに意見が対立するようなときは、そんなもどかしさを踏まえた上でとことん向き合うようにしています。

子育て以外の好きなことを
見つけたときが
2ndステージの幕開け

　子育てがちょっと落ち着いてきた、NAVY世代のママたち。私はその頃が、一番悩ましい時期でした。少しずつ自分の時間が持てるようになったけれど、ずっと育児中心の生活だったから、何をしていいかわからなくて。それぞれの事情にもよると思いますが、私はワンオペで家庭を回していたので、暇というわけではないのに「何かしたいな」と考えてしまう時間だけはある…。お友だちと久しぶりに会ってランチするのがギリギリくらいの時間なんですよね。でも「今日はランチ」なんていうと、優雅とか言われてしまったり。そのフワフワした状態が、息苦しかった記憶があります。でも、今だから言えることですが、そういう時期はフワフワしているのが正解。無理して動かなくていいんだと思います。そのうち「今だ！」ってタイミングがきっと来るはず。私がそう感じたのは、5年前。次女が12歳のときでした。たまたま訪れた香りの教室がすごく面白くて「香りの世界って、こんなに面白いんだ」と、もっと知りたくなって勉強を始めたんです。持て余していた半端な余裕を勉強する時間に充てて、それが気分転換にもなりました。きっかけは些細なことでしたが、今はそれがありがたいことに仕事に繫がっている。子育て以外に何か楽しみを見つけられたときが、ママとしてのセカンドステージの始まりなのかも知れませんね。

左）長男の結婚式のときの写真。何かというと気にかけてくれる頼もしい存在です。
右）同じく長男の結婚式での姉妹。振袖を着て出席しました。

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