30代ママライターの新型コロナ体験記「念のための検査で陽性。急激に悪化しまさかの入院へ」
ワクチンがついに日本にも到着……そんな日が来たとはいえ、まだまだ油断できない新型コロナとの戦い。明日は我が身と不安に思っているママも多いのでは? もし、自分がかかってしまったら……。まずどうしたらいいの? 家族への感染は? 今回、自身がコロナに感染したVERYライターの関城玲子さんが、経験したからこそ分かる〝新型コロナで知っておいた方がいいこと〟を語ってくれました。今回から前編・後編の2回に分けて配信します。
▶︎こちらの記事もチェック
コロナ感染体験の山口もえさん「鼻の奥がツンとした」自分や家族が感染したら
熱が出たら、まず発熱センターへ
私がなんとなく倦怠感と熱っぽさに気づいたのが1月2日。日頃の不摂生で年末年始など長期休みに入った途端に寝込むのは恒例のことだったので、ゆっくり休もうと自宅でのんびりとお正月を迎えていました。しかし、翌日も翌々日も回復せず、あれ?と。でもその時はまさか自分がコロナになっているとは思わず、数日後から始まる仕事に備えて、一応コロナではないこと確認しておきたいくらいの軽い気持ちで、4日に「東京都発熱相談センター」に連絡をしました。
意外と知らない人も多いみたいなのですが、今は発熱をしていると普通の病院は受け入れてくれません。その時に受け入れ可能な「発熱外来=発熱している人を診てくれる病院」を紹介してくれるのが、24時間体制の「発熱相談センター」です。私はコロナにかかった知人に相談をして、その存在を知りました。
発熱外来の病院がすべてPCR検査をやっているわけじゃない
私も自分が体験をして知ったのですが、発熱外来をしている病院ならどこもPCR検査をしているわけじゃない、ということ。実際、最初に紹介していただいた病院に電話をしたら、「うちではPCR検査をやっていないけれどいいですか?」と言われました。私は症状的にはとても軽く、熱だけで言えば自宅で寝ていればいいレベル。どちらかというと、仕事のために陰性であるという証明がほしかったというのもあり、最初の病院には「一度考えたい」と言って電話を切りました。そしてもう一度発熱センターに連絡をして、改めてPCR検査をしてくれる病院を紹介してもらえるようにお願いをしました。
発熱外来は完全予約制。すぐに診てもらえるとは限らない
次の病院に電話をかけたら、予約が空いているのが1時間半後と、それ以外はかなり後になるということで、すぐに準備を。発熱外来は完全な予約制が多いようです。私はラッキーでしたが、すぐに予約がとれるとは限らないのが現状。本当に状態が悪くなる前に受診を検討するのがおすすめです。
私が行ったのはかなり大きな総合病院でしたが、通常のルートとは別の発熱外来専用の入口から入り、換気のいい大部屋の、仕切られた場所で待機。そしてひとりひとり呼ばれて診察になります。診察では熱もあまり高くないし、喉も痛くないので、おそらくコロナは陰性だと思うと言われました。ただ私の場合は持病もあったので、念のためとPCR検査を受けられることになりました。
病院によってPCR検査の仕方も違います
PCR検査とひとことで言っても、唾液検査だったりインフルエンザと同じ鼻咽頭検査だったり、病院によって採用している検査が違うそう。私が行った病院は鼻からのタイプでした。多くの病院では専門機関に運んで検査をするために、結果が出るまでに半日から1日くらい時間がかかるそう。私の行った病院はその院内で検査ができる体制だったので、その場で1時間待つように指示されました。そして……結果はまさかまさかの陽性。先生にも意外と言われましたが、ヤバイ!と一瞬頭の中が真っ白になりました。そこからはコロナの重症度をはかる検査に。通常患者さんたちが行き交う通路とは明らかに違う特別なルートへ案内され、肺のレントゲンと血液検査をとりに行き、終了。保健所からの指示を待つように言われ、病院を出ました。
病院の待合室はほぼ半分外。
防寒は思っている以上にしっかりと
今回の検査で、いちばんの盲点は待合室の寒さ。私の場合はかなりだだっ広い部屋が大きめにパーティションで仕切られていました。そもそも熱が出ている時点で、コロナの確率がゼロではないため、換気を重視しているために、窓全開。もはや半分外のような感じの寒さ。病院に着いてから帰るまでの2時間半くらい、PCR検査の結果待ちの時もずっと同じ場所で待機。私も一番暖かいダウンを着て、湯たんぽを持って、それなりに防寒対策をしていたつもりでしたが、甘かった。私の場合はそこで深々と冷えたので持病が急激に悪化しました。
ちなみに、着いた時は、私を含めて3組ほどいたようですが、検査途中でも一度も会うことはなく、完全に個々が隔離されていました。
子どもにもきちんと、本当のことを
うちの息子はもう10歳。去年、持病で入院した際に、何かあった時は隠さずに本当のことを伝えると約束をしていたので、最初からコロナ検査に行くと伝えていました。もちろん私自身も陰性だと思っていたので、陽性を知って動揺。息子にもいきなりLINEで伝えたのですが「わかった」「大丈夫」と意外とドンと構えていて、助かりました。入院時もメッセージつきの湯たんぽを持たせてくれたり。休校になったり、学校でもコロナの話題になることも多いらしく、ちゃんと理解はしていたみたい。子どもの年齢やタイプにもよると思いますが、我が家の場合はむしろ変に隠さなくてよかったです。
入院の有無やその後の連絡はすべて保健所から
自宅に帰るとすでに19時をまわっていたので、翌朝いちばんに保健所から連絡がありました。私の場合は持病があったので入院になると告げられました。入院場所はこれから探すので待機するようにとの指示が。入院期間は発症から10日は病院からは出られず、そのあとは個人の回復の様子次第らしく、未定なことにも不安を感じました。備品も病院によって違うと思いますが、特に持ち物リストをもらえるわけでもありませんでした。私は昨年入院したことがあったので、その時の記憶を頼りに準備を進めました。準備する物リストはまた改めてお伝えしたいと思いますが、こんなにもインフォメーションがないのかとビックリしました。
入院する病院までは専用の送迎用タクシーで
病院決定の連絡が来たのは昼過ぎでした。14時半に専用車が迎えにくると言われました。そのころには熱が39度を超え、座っているのもままならない状態に。タクシーは、見た目は通常のワゴンタイプでしたが、運転席と完全にセパレートになった搬送専門車。行き先などは全て電子表示板で指示されていて、もちろんお支払いもなく、運転手さんとは一切接触がなくてもいいようになっていました。到着すると運転手さんが指定の番号に電話をかけてくれて、完全防護服の看護師さんが迎えに来てくれました。私はすでに持病が悪化し、座るのも辛い状況だったのでストレッチャーで病室まで運ばれました。
ここまでが私が入院するまでの一通りの出来事です。私は持病もあったので、公共の交通機関を使わないようにしていたり、仕事もできる限りリモートにしていたり、かなり気をつけていたつもりでした。結局どこから感染したのかは最後まで分からず。でもだからこそ、きっと誰にでも起こりうることなんだと思います。なんか変だな?と体に違和感を感じたら、迷わずに受診することをおすすめします。入院してからのことや、具体的な持ち物リストなどはまた後半で。
>>次回は、コロナ入院生活について。入院の際に持っていけばよかったものもお伝えします。
取材・文/塚田有紀子
▶︎あわせて読みたい