「息子のおちんちんいじり」は性教育スタートの合図!
3歳くらいから自分の体が気になって、おちんちんいじりをする子もいるようです。性教育アドバイザー・のじまなみさんによれば、そんなときこそ絶好の性教育のチャンス! そのタイミングや伝え方について聞きました。
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子どものおちんちんいじりに
戸惑うママ、多数です……
©辻元 舞
3歳になっておちんちんいじりをするように。なんで~~?
休日に家族で、少しかしこまったレストランにランチに。ちょうどお店の方が注文を取りに来たタイミング。3歳になる息子が突然、ズボンとパンツを下ろしておちんちんをジーッと見て触り始めたのです。恥ずかしいやら、やめさせなきゃだし、その場の空気を取り繕わなきゃで焦りました……。(3歳男の子ママ)
5歳ですが、明らかに、机の角でこすっていることが。気持ちいいの?
テレビを静かに見ている息子をふと見ると、テレビに集中しながらも、モゾモゾと動いている!! どうやら無意識に股間をテーブルの縁で刺激しているようなのです。それを見てしまい、私はショックで……。夫に話しましたが、笑うだけでまともに話し合おうとはしてくれません。(5歳男の子ママ)
4歳の娘が、教室で触っていると、先生から聞きました
ある日、保育園の先生から「ちょっとお話、いいですか?」と呼び止められて。聞くと、娘がパンツの中に手を入れて股間を触っていると……。もう驚いてしまうし、恥ずかしくて「すぐにやめるように言い聞かせます!」と言って帰ってきたのですが、どう娘に切り出していいかわからず、そのままになっています。(4歳女の子、1歳男の子ママ)
昔の映画のお色気シーンで勃起したよう。お姉ちゃんに見せていましたが……
昔の映画って、今のものよりもお色気シーンが多くありましたよね? この自粛期間中に息子が観ていたカンフー映画にもそういうシーンがあって、どうやら勃起したよう。それを違和感があったのか、でも本人は意味はまったくわかっていないようで、一緒に観ていたお姉ちゃんに見せていました。(7歳女の子、5歳男の子ママ)
©辻元 舞
\のじまなみさんインタビュー/
プライベートパーツについて
どうやって教えたらいいですか?
突然始まったお股いじりにきっとハラハラしているお母さんも多いと思いますが、3歳ごろというのは、言葉がわかるようになり、男の子がおちんちんの存在に気付き、女の子は自分にはおちんちんがないと気付くなど、異性との違いを理解し始める時期なんです。とりわけ男の子は、おちんちんがちょうど手を伸ばした位置に出っ張っているし、柔らかくて気持ちがいいからつい触ってしまう。この気持ち良さに性的な意味はまったくありません。言葉で「ちんちん」「おっぱい」「うんこ」を言うのも同じ。必ずお友達も大人も反応してくれるから、男の子のヒーロー願望を満たしてくれるのです。
ではそんなとき親はどう反応したらいいのか? 「恥ずかしいからやめなさい」は子どもにはまだ理解できません。むしろこの時期をきっかけにして性教育をスタートすると、その後がスムーズに上手くいきます。まずはぜひ性教育のベースとなる〝プライベートパーツ〟について話してみましょう。〝プライベートパーツ〟とは「他人に見せても触らせてもいけない、自分だけの大切な場所」。男の子も女の子も「口・胸・性器・おしり」。私たちの協会では、子どもたちにわかりやすいように水着で隠れる〝水着ゾーン〟と呼んでいます。自分にとって大切な場所であるように、ママやパパ、お友達、先生にとってもそれぞれの水着ゾーンは大切な場所であること、また「ちんちん」「おっぱい」「うんこ」それらの言葉を聞くのを嫌がる人もいるから外で話すのはやめようね、ということも付け加えるといいでしょう。
しかし、子どもはすぐに忘れてしまうもの。人前でおちんちんいじりをしていたら「あれ~? 他の人がいるところで水着ゾーンを触っていいんだっけ~?」と聞いてあげてください。性教育は習慣化が大切です。
お風呂は絶好の性教育のタイミングです。体の部位の名称を教えながら、水着ゾーンを教えていきます。3歳ごろからは、もしパンツを汚してしまったら自分でお風呂に入るときに洗わせてください。「今はおしっこだけど、将来おちんちんから精子というものが出て、それでパンツを汚してしまうこともあるんだよ」というように、パンツ洗いをきっかけにいくらでも話せることがあります。
4歳になったらルールが守れるようになってくるから、大人同士がやってはいけないことは、同じように子どもにもやらない、やらせないようにしましょう。その例として、水着ゾーンは自分で洗わせる。ママのおっぱいを触るのをやめさせる。また、我が子だからと言ってママパパが無断でチューすることも。愛情表現は他の方法でいくらでもできます。
一方で、おちんちんを触ること自体をNGにしないでください。自分の体に触ってはいけない場所はないのです。「人前ではやらないよ」ということをしっかり伝えておくことが大切です。繰り返しになりますが、この時期は性的な意味合いはありません。大らかな目で見守ってあげてくださいね。
*「水着ゾーン」は株式会社TerakoyaKidsの登録商標です。(商標登録第6192046号)
とにかく明るい性教育パンツの教室協会 代表理事。看護師として泌尿器科に勤務後、2018年同協会設立。中2、小5、5歳の三姉妹ママ。
水着ゾーンはここ!
©辻元 舞
他人に見せても触らせてもいけない、自分だけの大切な場所。男の子も女の子も「口・胸・性器・おしり」。一般的には〝プライベートパーツ〟と言われる。
\のじまさんがおすすめ!/
性教育は興味があることから始めよう!
「もしお子さんが動物好きならこの写真集がおすすめ。「赤ちゃんはどうやってできるの?」の質問に答えるのに使えます。魚、虫、鳥、哺乳類、動物たちの交尾の方法や時期などが子どもにもわかりやすく解説されています。人間の話もしてあげるとスムーズです」(のじまさん)
さまざまな動物たちの交尾シーンを収録した写真集。『写真集 交尾』松本典重、高柳美知子 著 ¥3,200(子どもの未来社)
のじまさんに聞いた、
プライベートパーツにまつわるQ&A
Q 赤ちゃんのころからの名残で、子どもがお風呂から全裸で出てきます。
3歳になったらパンツを穿いて出てくることを習慣化させましょう。そのときも水着ゾーンの話は使えます。そして「かっこいいおちんちんが見えてるよ! しまわなきゃ!」などおちんちんを肯定的に言ってあげてください。
Q お風呂に一緒に入るのはいつまでがいいのでしょう?
異性の親とお風呂に入るのは小学4年生まで。ちょうどホルモンが分泌されてくる時期なんです。それ以降も一緒に入っていると恥じらいの感情が育たず、将来的に性的トラブルに巻き込まれる確率が高くなると言われています。
Q 3人兄弟で、お姉ちゃんが弟たちのおちんちんの大きさについて話題にしています。
女性にはわかりづらいことなのですが、男の子の世界では「おちんちんの大きさ」が自己評価となりがち。だから大きさの話はNGです。お姉ちゃんに他者の水着ゾーンについて見たり品評することはいけないと教えてください。
Q 1歳の息子に、夫が、「ここは肘だよ、ここはおちんちんだよ」など、わざわざ性器の名を口にします。やめてほしいのですが。
いやいや、素晴らしいと思います。性器だけ特別視して触れないことの方が不自然。むしろ、性器の名前を恥ずかしがって言えないママは、元気に発する訓練が必要かも。「性=恥ずかしいもの」という概念を取っ払って!
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イラスト/辻元 舞 取材・文/嶺村真由子 編集/城田繭子
*VERY2021年2月号 別冊付録「性教育スタートはママのLOVE♡」より。
*掲載中の情報は誌面掲載時のものです。商品は販売終了している場合があります。