人気料理家・小堀紀代美さんの〆までおいしい!【温活美肌鍋】レシピ
人気料理家の小堀紀代美さんが美STのために考案してくれた、スペシャルなおうち鍋!温活はもちろん、 美肌づくりにも役立つ工夫がいっぱいです。家族や親しい人と一緒に囲んで、心も体も温かくキレイに!
1:コラーゲンでお肌ぷるぷる薬膳風【白鍋】
美養素材は骨付きの鶏肉、白きくらげ、なつめ、クコの実、松の実、もち麦、甘酒。コラーゲンたっぷりの骨付き鶏肉に、お肌うるおう白きくらげ、血を補うなつめ、アンチエイジングに役立つクコの実や松の実も。もち麦や甘酒は腸内環境を整え、スープをまろやかにします。
【材料】(3~4人分)
鶏骨付き肉(水炊き用)……400g
鶏もも肉……1枚(300g)
ごぼう……1/2本
れんこん……小1節(150g)
長芋……200g
なつめ……3個
松の実……大さじ1
クコの実……小さじ1
白きくらげ…… 1つかみ(よく洗い水で戻す)
しょうが……1かけ(薄切り)
にんにく……2かけ(つぶす)
もち麦……大さじ2(さっと洗う)
塩……小さじ1
こしょう……適量
甘酒……1カップ
水……3カップ
【作り方】
❶鶏骨付き肉は、洗って血などの汚れを取る。もも肉は、ひと口大に切る。
❷ごぼうは包丁の背でこそげ、斜め薄切りにする。れんこんはごく薄い輪切りに。長芋は1cm厚さの輪切りにする。
❸なつめは水で洗い、松の実は先端に黒い部分があれば取り除く。白きくらげは石づきを除き、食べやすくちぎる。しょうがは縦2、3枚にスライス、にんにくはつぶす。
❹鍋にすべての材料を入れ、弱めの中火にかける。沸騰したら、アクを取り、弱めの中火で30分煮込む。
骨付きの鶏肉は、血や脂などを洗い流してから使うと、煮込んでも雑味のないきれいな白湯スープに。
〆はコレ!
鍋の残りに、雑穀ごはんを加え、好みで白ごま、しょうがの千切りを添えて食べる。
2:色鮮やかな野菜たっぷり体すっきり【赤鍋】
美養素材はビーツ、紫キャベツ、にんじん、玉ねぎ、大根、白いんげん豆。飲む血液ともいわれるビーツを始め、野菜のポリフェノールや食物繊維をたっぷり摂れる鍋。たんぱく質やミネラルが豊富な白いんげん豆は、煮汁の旨みも余さず活かします。
【材料】(3~4人分)
ビーツ……400g
玉ねぎ……1個
にんじん……1本
大根……中1/3
紫キャベツ……1/4個
白いんげん豆……1/2カップ
ローリエ……2枚
ソーセージ……4本
厚切りベーコン……200g
塩……適量
油……適量
トマトペースト……大さじ2
グラニュー糖……大さじ1
酢(赤・白ワインビネガー、米酢のいずれか)……大さじ1
●スメタナ(ロシア風サワークリーム)
・プレーンヨーグルト……400g(1時間半~2時間水切りする)
・生クリーム(高脂肪)……好みで50~100g
・ディル……適宜
【作り方】
❶白いんげん豆はよく洗い、たっぷりの水で戻し、ローリエ2枚と一緒にやわらかくなるまで茹でておく。
❷ビーツは薄い輪切りか半月に切り、玉ねぎはくし切り。にんじんはピーラーでリボン状にする。大根はスライサーで薄い輪切りに。紫キャベツはざく切りにする。
❸小鍋にビーツを入れてグラニュー糖を振り、弱火にかけて蓋をし、ときどき大きく混ぜながら蒸し煮にする。やわらかくなったら、トマトペーストを加えて炒め、酢を加えて混ぜ、冷ます。
❹スメタナの材料を合わせ、よく混ぜる。
❺鍋に油を薄くひき、ベーコンを入れて焼き色をつけ、ソーセージも加えてさっと炒める。①の白いんげん豆を煮汁ごと加え、③のビーツも加え、水をひたひたに注いで煮込む。煮立ってきたらアクを取り、味をみて足りなければ塩で調味。②の野菜を加え、好みのやわらかさになったら食べる。好みでスメタナ、刻んだディルを添えてもよい。
ビーツを蒸し煮にし、トマトペーストなどを加えて炒め、旨みを凝縮させたものが〝スープの素〞になる。
水切りヨーグルトを 作るときは、コーヒーフィルター&ドリ ッパーが便利。1時間半ほどでしっかり水が切れる。
〆はコレ!
薄切りのバゲットに好みのチーズをのせてトーストし、残ったスープにのせ、好みでディルを振って食べる。
3:ハーブの香りと レモンの酸味で疲労回復【クリア鍋】
美養素材はレモングラス、香菜、ミント、レモン、しょうが、八角、シナモン、カルダモン、赤唐辛子。殺菌作用やお腹の調子を整えるハーブに、体を温めるスパイス類をプラス。レモンの酸味は疲れた体をリフレッシュ。お正月の食べ疲れが残っているときにもおすすめです。
材料(3~4人分)
A:アサリ(砂抜きしたもの)……15粒
A:タラ……2切れ
A:イカ……小1ぱい
A:せり……1束(3等分)
A:レタス……1/2個(食べやすくちぎる)
A:赤玉ねぎ……1/2個(薄切りにし水にさらす)
●スープ
・水……2リットル
・鶏がらスープの素……小さじ1/2
・レモングラス……2~3本
・干しエビ……10尾(ぬるま湯で戻す)
・八角……5個
・カルダモン……10粒
・シナモンスティック……1本
・赤唐辛子……2本(種を取る)
・しょうが……2かけ(薄切り)
・ナンプラー……大さじ1/2
・砂糖……大さじ1
・塩……小さじ1
・香菜の茎……1束分(みじん切り)
●薬味
・レモンまたはライム……1個
・黒こしょう……適量
・香菜の葉……1~2束(ざく切り)
・ミント……適量
【作り方】
❶アサリは殻をこすり合わせて洗う。タラは塩をして5分ほどおき、水けをふいて、2~3等分にする。イカの胴は輪切り、ゲソは適当に分け、エンペラは食べやすく切る。
❷鍋にスープの材料をすべて入れ、沸騰したら火を弱め、Aを入れ、火が通ったら薬味を添えて食べる。
〆のフォーは下茹でせず、10分以上水に浸し、戻しておくだけでOK。葛切りのように鍋に加えて食べてもいい。
〆はコレ!
水で戻したフォーを器に適量入れ、鍋の残りを沸かして注ぎ、好みでミントや香菜、レモンを添えて食べる。
色で考えるいま私たちが食べたい鍋
おうち鍋にルールは無用。基本的には何を入れてもオッケーだから、ともすると、とりとめのない見た目、味の〝ごった煮〞状態になってしまうことも。そこで小堀さんが提案してくれたのが、体を温め美を養う香味野菜やスパイス、ハーブ、薬膳素材や発酵食品を巧みに使い分けた3色の鍋です。「材料をたくさん使っても、色に統一感があると、ちょっと大人っぽい鍋になります。マイルドでほんのり甘い白鍋、野菜の滋味と歯応えが楽しい赤鍋、エスニック風味のクリア鍋。その日の気分にフィットするものを作ってみてください」
東京・富ヶ谷にあった食堂のようなカフェのような店「LIKE LIKE KITCHEN」を経て、現在は同名の料理教室を主宰。世界各地への旅で出合った味をヒントにしたレシピが好評。
2021年『美ST』3月号掲載 撮影/須藤敬一 スタイリング/大畑順子 取材/伊藤由起 編集/小澤博子