やってはいけない「除菌スプレーの使い方」【エアコンの近くで…】
コロナ禍での生活となり1年が経とうとする中、室内の家具や家電にも除菌スプレーを使う人が増えたのでは?しかし、そこには意外な落とし穴が…!そこで今回は、誤った除菌スプレーの使い方によるエアコンの故障トラブルの事例・対策を、家電で有名な「三菱電機霧ヶ峰」に伺いました。 除菌スプレーを上手に使って、きれいな室内環境を保ちましょう。
エアコンに除菌スプレーを吹きかけると…
調査によると、コロナ禍でお部屋の中で除菌スプレーを使用する頻度が増えていることがわかりました。しかし、 エアコン内部の清潔性が気になる場合でも、直接エアコン内部に除菌スプレーを吹きかけるのはNG。 またエアコンはお部屋の空気を吸い込んで冷暖房するので、なるべく運転中の使用は控えて。除菌スプレーに含まれる成分によっては、重要な部品を腐食(=化学的作用により金属が劣化・損傷)させ、次に挙げる主に3つの症状が出て、故障のトラブルにつながる可能性があります。
💡エアコンに除菌スプレー、こんなことが起こります
症状1 :電子基板が故障し、運転ができなくなることがあります。
症状2 :室温を検出する等のセンサー部が故障し、正常な運転ができなくなることがあります。
症状3: 熱交換器に「アリの巣状腐食」が起こり、「冷えない」「暖まらない」などの症状が 起きることがあります(異なる腐食形態も存在します)。
なぜエアコンに除菌スプレーをかけてはいけない?
「アリの巣状腐食」とは
除菌スプレーなどに含まれているギ酸、酢酸などの成分が室内機の中にある熱交換器の冷媒配管に付着すると、時間をかけて配管を腐食していき、概ね 3年~7年後には、冷媒配管に地中のアリの巣のような腐食が起こる 「アリの巣状腐食」に発展することがあります。「アリの巣状腐食」ができると、配管に微細な穴ができます。最悪の場合、その穴が貫通し、そこから熱を運ぶための冷媒ガスが漏れてしまいます。そうなると、 お部屋の空気を吸い込んで冷やしたり暖めたりする熱交換器が機能しなくなるので、「冷えない」「暖まらない」 などの症状が起こります。
※「アリの巣状腐食」の原因は除菌スプレーの成分だけではありません。例えば、化粧品、香水、殺虫剤などの生活用品にも同様に含まれています。
エアコンに除菌スプレーをかけ続けた場合の影響
「アリの巣状腐食」が進行すると?
影響1: 電気代が高くなる一因にもなる
「アリの巣状腐食」の特徴として冷媒配管を年月をかけて徐々に腐食していき、冷媒配管が腐食してできた穴は人の目では確認できないほどの小さな穴であるため、冷媒ガスが少しずつ漏れていきます。「アリの巣状腐食」による冷媒ガス漏れは徐々に進行するため、気づかないうちに冷房や暖房の効きが弱くなっていきます。エアコンは室温が設定温度から 離れているとパワーを出し(消費電力が上がった状態)、設定温度に近づいていくにつれてパワーを落として消費電力を下げていきます。冷媒ガスが漏れて冷房や暖房の効きが悪くなってくると室温がなかなか設定温度に 近づかなくなるため、パワーを出す時間が増えて電気代が高くなってしまうことになります。
影響2 :熱交換器は部品サイズが大きいため、修理費用が高額になる
「アリの巣状腐食」で冷媒ガスが漏れている場合、エアコンの主力部品で部品サイズの大きい熱交換器を交換することになるため、通常の部品より修理費用がかかってしまいます。
影響3 :製品の寿命を短くする可能性も
三菱電機の調査(2020 年4月~2020 年9月/当社購入者アンケート 11,226 名)では、買い替え時 にエアコンを 10 年以上使っている人が 87.3%となっており、エアコンを長期で使用している人が多いことが わかっています。「アリの巣状腐食」は概ね 3年〜7年経過してから故障の症状が出て、修理費用 が高額なので、長く使う予定だったものの修理せず、エアコンを買い替え流必要があるケースもあります。
「アリの巣状腐食」を予防するには!?
三菱電機はエアコンにまつわるよくあるお悩みに耳を傾け、役立つ情報を発信しています。 春までもう少し寒い日が続きますので、エアコン暖房にお悩みの方はこちらの記事を見て、お悩みの解消に役立ててください。 https://www.MitsubishiElectric.co.jp/home/kirigamine/special/oshiete/
エアコンの寿命を縮めてしまう可能性がある、除菌スプレー。使い方にも注意しながらうまく使っていきたいですね。
構成/CLASSY.ONLINE編集室