モデル牧野紗弥さん「ペットを飼ったら“ありがとう”が増えた」

小5の娘を筆頭に3人のお子さんがいるモデルの牧野紗弥さん。コロナ禍の自粛生活を機に、「子ども1人1匹」のペットを飼うことに決めました。そして昨年、長女がオカメインコ2羽、長男がブリタニースパニエル(中型犬)を選び、牧野家の一員に。<1回目>ではペットを迎え入れることにした理由や、飼ってからの生活の変化についてお話を伺いました。今回は、子どもたちと夫の変化についてさらにお聞きします!

 

――飼うときに、何かルール作りはしましたか?

 

作りませんでした。契約書を子供と相談して作ったというお友達の話を聞いたのですが、私も守れなさそうで(笑)。基本的にはインコは娘、犬は息子が世話をするけれど、大変なときはサポートするよと言いました。インコ2羽をケージに入れるのは結構大変なのですが、娘が疲れてたまに「めっちゃ眠いから、ママごめんね、ケージに入れといて」となることがあります。そういうとき、「わかった」「ありがとう」というやりとりがあったりして、「ありがとう」と言う機会は増えたなと思うんですね。

 

――子どもも、自分のことをしてもらって「ありがとう」はなかなか言えないと思うのですが、ペットがいることで感覚が変わるかもしれないですね。

 

はい。寝不足の私が一番下の子どもの面倒を見ているときなどに、娘が「手伝おうか、ママも眠いでしょ」と言ってくれたりするようになりました。私が眠そうに何かをやっているのを、自分と重ねて気になるんでしょうか。大したことではないかもしれないけれど、そういうことに気がまわるようになったんだなぁ、と。「ありがとう」「手伝うよ」という言葉が出るようになったり、「下痢してるけど風邪ひいちゃったかな?」とか観察して想像できるようになったのには、成長を感じてうれしいですね。

 

――これから思春期に向けても「ありがとう」が言える関係を築けていると良さそうだなと思いました。

 

そうですね。言葉の力ってすごいと思っているんです。お母さんは、子どもたちに自分のために何かをしてほしいわけではないですよね。ありがとうと言ってもらえたら満足じゃないですか。その言葉が出ること自体が、ありがたいなと思います。

子どもたちに家での明確な役割ができたことは良かったなと思います。生きる上で必要な掃除や生活サイクルの整えといった生活能力を育むには、意識的に子供たちに伝える必要があると思うのですが、こうして日々やることが多いとその意識も手薄になってしまいがちです。自分がやらなければ生きていけない存在ができて、寒くても起きないといけなくなって。でもとにかくすごく可愛がっています。

 

――責任感。そしてまさに他者愛ですね! パパに変化はありましたか?

 

夫はまったくペットを飼ったことがなく、馴染むのに時間がかかっています。でも、「オレは絶対に面倒みないから、子どもたちと君でやってね」と言っていたのが、今本当にゆっくりだけど変わってきていて。夫はもともと、感情を言葉にすることがすごく少なくて、何か伝えるときもすごく事務的な人だったんですね。それが、ペットに可愛いとつぶやいたり、感情を表に出すちょっとしたリハビリになっているかなと思っています(笑)。子どもたちにも、感情の言語化はすごく大事だと伝えているので、「パパも頑張ってるじゃん」と見守ってます(笑)。

 

――(笑) 末っ子くんの変化はどうでしょう?

 

なんでもお世話を気持ちよく引き受けてくれますね(笑)。でも、今まで自分が手をかけてもらうのが当たり前で、姉と兄に手加減されていたのが、今度は自分が手加減する相手ができました。あとすごくキラキラした目で動物たちを観察していますね。ちなみに末っ子は、ニワトリが飼いたいらしくて…(笑)。

そういえば犬を飼う前にブタがいいと言っているときがあり、実際に見に行ったこともあります。ひづめが想像以上に痛かったのと、家畜としての届け出が必要だったり、病院も限られていたりで諦めました。でもそうやって動物について調べて、餌は何だろうとか、お金はどれくらいかかる?など、子どもたちとの話題も増えましたね。今は、豚よりニワトリのほうがもっと難しそうなので、どう方向転換しようかなぁと(笑)。

 

――リアルな調べ学習! 何を飼うのかすごく楽しみです(笑)。あと…ペットも、いつか死んじゃうよ、という話はしましたか?

 

カブトムシなどたくさん飼ってきて、いつか死んでしまうことはわかっていると思ったので、あえて口にはしませんでした。でもオカメインコは20年生きるらしいので、最後まで飼う覚悟をしないといけないよ、と言いました。

 

――インコって長生きなんですね! 

 

はい、30歳になるまで飼っている計算です。あと、最近になってブリタニースパニエルが実は鳥猟犬種だと気が付いて。最初はインコが遠くまで飛ばないように羽を短くしていたのですが、「いざというとき犬から逃げられるように切らないで」と子どもたちからお願いされて、最近は長いままにしています。

あと、犬は女の子なので、じきに生理が来るんですね。そのうち伝えようと思っていたら、息子が散歩で知り合った犬友のおばちゃんから「もう避妊はしたの?」って聞かれたらしくて。いろいろ教えてもらったようで「血が出るらしいよ!」と息子が言ってきたので、「人間も出るんだよ」と。我が家の性教育は犬から始まりました(笑)。そういう発言も、犬のことは自分でやろうという責任感の表れかなと思います。「おばちゃんにいい病院聞いてきて!」と言って、一緒に動物病院で話を聞こうねと話し合っているところです。

 

――性教育は犬から(笑)。

 

はい(笑)。ペットを飼って、私の手間もさらに増えた部分もありますし、みんなペットを飼えばいいよ!と言いたいわけではないのですが、いろいろ差し引いても我が家ではペットがいるおかげでうれしい小さな変化はたくさんあったなぁと思っています。

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取材・文/有馬美穂