【街歩き】甲斐みのりさんの ほっとする東京③
家の近くはもちろん、買い物帰りや立ち寄った場所の近くにも、自分だけの特別な時間を過ごせる場所があったらーー。
仕事や家のことから離れて「自分らしく」過ごせるお店や場所を、文筆家の甲斐みのりさんに教えてもらう連載です。
豊かなひとり時間を過ごしながら、東京の魅力を改めて考えてみませんか?
「心が洗われた気持ちになる」朝食
今回紹介するのは、築地本願寺のインフォメーションセンター内にある「築地本願寺カフェ Tsumugi」。
築地本願寺の前身である江戸浅草御堂の創健から400年を迎えた2017年にオープンしました。
「建築家・伊東忠太による築地本願寺は、尊厳な雰囲気の中に、摩訶不思議な生き物の彫刻が隠れていたり、パイプオルガンが設置されていたりと独創的な建築物です。地下鉄の築地駅を下車し、その築地本願寺の不思議な力に引きつけられるように階段を登っていったすぐのところにカフェがあります」
「築地本願寺カフェ Tsumugi」の看板メニューは、朝8時から提供されている「18品の朝ごはん」18という数字は、阿弥陀如来四十八願の中心となる「あなたを決して見捨てない」という「第18願」が“本願”であることにちなんだものです。「築地本願寺を眺めながら丁寧に作られた小鉢をいただいていると、心の中から洗われたような気持ちに。落ち着いた雰囲気の中食べる朝食は、築地場外市場とはまた違った魅力をもっています」
三重県や鹿児島、福岡など名産地のお茶も楽しめます。「布袋向春園」選定の抹茶やほうじ茶を使ったオリジナルドリンクも。
「始発の電車に乗って早朝から築地市場を散策したり、建築を鑑賞したりする遊びを友人たちと年に1回ほどしています。朝早くに街を歩くと新鮮な気持ちになれるだけでなく、その日一日を有意義にすごせるんです。朝が早い街が持つ、凛とした雰囲気をまとった『築地本願寺カフェ Tsumugi』で一日のスタートをきってみてください」
【DATA】
築地本願寺カフェ Tsumugi
住所:東京都中央区築地3-15-1 築地本願寺インフォメーション内
電話:03-5565-5581
営業時間:8:00〜21:00(年中無休)
※朝食は8:00〜10:30の提供
※現在、営業時間を8:00~18:00に短縮しています。
※新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、営業時間や休業日の変更がある場合がございます。
https://www.cafe-tsumugi.jp/
【PROFILE】
文筆家。静岡県生まれ。日本文藝家協会会員。
旅、散歩、お菓子、地元パン、手みやげ、クラシックホテルや建築、雑貨や暮らしなどを主な題材に、書籍、雑誌、webなどに執筆。食・店・風景・人、その土地ならではの魅力を再発見するのが得意。著書多数。新刊は『たべるたのしみ』(mille books)。Instagramアカウントは@minori_loule Twitterアカウントは@minori_loule
写真/米谷享 文・構成/高田真莉絵