質の良い睡眠は糖分を欲さなくなる!?「痩せるカラダ作り」のための眠り方【睡眠編】

「最近太ったかも…」。そんなときやりがちなのが、急に走ったり、夕食を抜いたり…といったこと。実はそれより先に見直すべきなのが、入浴、睡眠、お通じの3本柱。これを改善するだけで、ぐっと 痩せやすい体になるんです。ゆっくりできる年末年始に実践したい土台作り、その方法を教えます!

痩せるコツ=良質な睡眠!

ホルモンが整うことにより食欲が抑えられ、適正体重を維持できる!

良質な睡眠をとることで、無理なダイエットをしなくても自然と適正体重になるということが証明されています。ぐっすりと眠れる環境も整えて、きれいを加速させましょう!

あなたは大丈夫?睡眠チェックリスト
□ 朝すっきり起きられない
□ 朝食を食べる意欲がない
□ 朝に排便がない
□ 休日に寝だめする
□ 午前中に眠気がある
当てはまる項目が多ければ多いほど、太りやすい環境であることを表します。

理想の寝室って?

リラックスするための「睡眠五感」を整える

POINT9つ!

    ①リネンはパステルカラーに
    リラックスして眠ることが大切なので、興奮させる強い色である赤や黒、疲れをとりにくくする白は御法度。淡いピンクやブルーがとくにおすすめ。

    ②毛布は一番上に
    寝るときは羽毛布団が体の一番近くに あることが大切。寝返りをうつ際体にまとわりつく毛布やタオルケットなどは、掛け布団の上にかけるのが鉄則。

    ③寝る1時間前にクラシック音楽を
    心を落ち着かせてくれる音楽、たとえばクラシックならモーツァルトや、川のせせらぎや風のそよぐ音などは、リラックス効果があると言われています。

    ④冬はは乾燥するので、マスクをして寝ると◎
    冷気が肺に入ると、体が冷えてしまいます。また乾燥対策という意味でもマスクを着用するのがおすすめ。ごわごわしない、肌触りの良いものがベスト。
    肌触りの良いタオル地。サイズ調整ができ、耳が痛くなりにくい。ミンプラス おやすみマスク各¥1,800(ともに小栗)

    ⑤冷え性の人は、靴下ではなく足首ウォーマーを
    足が冷えて眠れない人は、足首ウォーマーを取り入れて。つま先を覆うと放熱が妨げられるので注意! 足首さえ温めれば足全体が温まります。
    累計150万部の大ヒット書籍。医療品にも使われるベネクス社のハイテク素材、ナノプラチナPHT繊維の足首ウォーマー付き。『疲れとり足首ウォーマー』¥1,590(KADOKAWA)

    ⑥遮光カーテンはNG!
    睡眠環境において、光のメリハリはとくに大切。朝は太陽の光で自然に目覚めるのが一番なので、カーテンは光を通す素材がベター。遮光カーテンを使っている人は、間を10cmほどあけておきましょう。

    ⑦自分が好きな香りを
    よくラベンダーやイランイランなどがいいと言われますが、 結局人は自分が好きな香りを嗅ぐとリラックスします。眠りにつく前に嗅いで入眠スイッチをONにする習慣を。
    右から、スリムなガラスボトル入りのアロマオイル。ゆっくり眠りたいときに最適な香りをブレンドしたアロマは、旅行のお供にも。アロマパルス ナイトタイム¥1,600、寝る前に心身をゆるめたいときにおすすめなラベンダーの香り。エッセンシャル オイル ラベンダー 10mℓ¥2,200(ともにニールズヤード レメディーズ)ラベンダーの穏やかな香りに包まれて心地よさを感じることで、良質な睡眠に。ラベンダー ナイトオイル 20mℓ¥2,800(ヴェレダ・ジャパン)

    ⑧スマホは見ない
    スマホやテレビ、パソコンなどのデバイスから発せられる光は脳を刺激してしまいます。寝る1時間前からそれらを遠ざけることで、熟睡感がUP。

    ⑨パジャマは綿がおすすめ
    ちゃんとパジャマを着て寝ることはきれいになるための基本。吸水性・通気性・保温性に優れた綿が、お手入れもしやすくベストです。
    友野先生も愛用。驚くほどの軽さと柔らかさが革新的な〝マシュマロガーゼ〟は、吸水性、通気性、保温性をバランスよく備え た心地よい素材。パジャマはジャストサイズを選ぶのも良質な睡眠に欠かせません。右から、マシュマロガーゼレディスパジャマ ¥15,000、マシュマロガーゼシャンブレー レディスパジャマ¥18,000(ともに内野)

プロによる解説

睡眠の質が高いと甘いものも欲さなくなる!肥満度は確実に低く

睡眠とダイエットには密接な関係があります。睡眠を改善すると、食欲の中枢が整うので、自然と甘いものやジャンクフードを欲さなくなることが国内外での研究でも明らかになっています。寝不足だと食欲をコントロールするホルモンのバランスが崩れ、食欲を増加させるホルモン〝グレリン〞が増えます。また逆に満腹中枢を刺激して食欲を抑えるホルモン〝レプチン〞が減ることが科学的にわかっています。しかも寝ている間に作られる筋肉が作られなくなるので、基礎代謝が落ちてしまう… という負の連鎖。

具体的に数字で表すと、睡眠7〜9時間の人を基準にしたとき、睡眠が4時間の人は肥満度が約73%高くなると言われています。日本人に多い6時間睡眠の人でも肥満度は約23%高くなるというデータが。ダイエットに最適な睡眠は23時〜0時に就寝し7時間くらい眠ること。 2番目に良いのは、寝る時間は遅くても、睡眠時間のサイクル が決まっている人。最も良くないのは、ある日は徹夜、ある日は0時に寝て7時に起きて、またある日は3時に寝て8時に起きて…というように寝る時間も睡眠時間もバラバラな人です。

でも、現代は長時間の睡眠をとることは難しいので、睡眠の質を上げることに重点をおきましょう。質というのは熟睡感があるかどうかで決まります。良質な睡眠をとるために大切なのは、「睡眠五感」。視覚、聴覚、嗅覚、温熱感覚、触覚の5つから睡眠にアプローチしていくことで、眠れる体、眠れる体質に生まれ変わることができるのです。視覚は寝具の色や照明で入眠しやすい環境を作ること。聴覚は、眠るときは無音がいいですが、眠る前にクラシック音楽や川のせせらぎ・風の音などの自然の音を流して心を落ち着かせること。嗅覚は、自分がリラックスできる好きな香りに包まれること。温熱感覚は、寝具と体の間の寝床内環境の温度が33度プラスマイナス1度、湿度が50%プラスマイナス5%にすること。最後の触覚というのは触れて気持ちがいいと思う寝具に包まれることです。この「睡眠五感」 を整え、質の良い睡眠をとることで、無理なダイエットをしなくても自然と健康的でスリムな体が手に入るはずです。

教えてくれたのは…友野なお先生

株式会社 SEA Trinity代表取締役 睡眠コンサルタント
友野なお先生
順天堂大学大学院 スポーツ健康 科学研究科にて睡眠を研究し、修士号取得。自身が、睡眠を改善したことにより15kg以上のダイエット、さらに体質改善に成功した経験から、科学的に睡眠を学んだのち、睡眠の専門家として全国にリバウンドしない快眠メソッドを伝授。著書に『正しい眠り方』(WAVE出版)など多数。

撮影/河野 望(静物) イラスト/more rock art all 取材/棚田トモコ 再構成/CLASSY.ONLINE編集室
※この記事は、『CLASSY.』2018年2月号を再編集したものです。