観月ありささんがお手本【40代からの着物】の楽しみ方

いろいろあった2020年もまもなく終わり。2021年は新年にふさわしく着物からスタートしてみませんか?日本女性だからこその伝統美。もっと着る機会を増やして新しい魅力を発見してみて。

着物も小物のコーディネートで遊ぶのが私流の楽しみ方

意外にも私と着物との馴染みが皆さんの中でなかったみたいで、今回のドラマをご覧になって「こんなに着物と馴染む人だったんだ」という声が圧倒的に多かったのですが、若い頃からドラマや時代劇で着物を着てきたので私自身は何の違和感もないんです。その都度所作を学んだ積み重ねで、手の動きや姿勢は自然と着物に寄り添うようになりました。意識していることは、腰を落として背筋はまっすぐ正面に。そうすると着崩れず、美しく見える。絶対に体をねじらないようにして、さらに手先をすぼめ、袖の内側は見せないように心掛けています。さまざまな色柄の着物を着る中で、洋服では似合わない色でも着物だと意外に似合ったり、色のチャレンジをして新鮮な自分を発見できるのも楽しみです。特に白は特別感があって、洋服だとバーンと気恥ずかしい感じがするのですが、着物の白は奇をてらわず上品に着こなせます。白でも生成りやグレーがかっていたりと一色の中でもバリエーションが多く、似合う色が見つけやすいですね。40代になったころから夏はお祭りや花火大会にみんなで浴衣を着て行くなど、和装が愉しめるように。ご飯会にさらっと着物で来られる友人も増えてきて、これからは私もプライベートで、気軽に着物で出かけたいと思います。みんながデイリーに着るようになれば、目にする機会が増えて、着物を着る人が増えるのでは?せっかく日本人に生まれたのだから、存分に着物を楽しみたいと思います。

女優・観月ありささん

●Profile ’76年東京生まれ。’91年初シングル「伝説の少女」で歌手デビュー。’92年ドラマ『放課後』で連続ドラマ初主演。以降多数のドラマ・映画に出演。代表作はドラマ『ナースのお仕事』『鬼嫁日記』など。今夏ドラマ『私たちはどうかしている』の姑今日子役で新境地を開く

着物ならではの懐の深さを洋服感覚で愉しむ

普段でも気軽に着られる季節を問わない縞の小紋に、帯や小物類の合わせを松竹梅にすることでお正月らしいコーディネートに。例えば春なら桜、秋なら紅葉など、小物でスリーシーズン愉しむことができます。

POINT1:「松」の柄の名古屋帯でお正月らしい印象に

40代は着物自体をシンプルに、帯や小物類の合わせで季節感を出すのがこなれた印象。銀鼠地に着物と同じ墨色の濃淡で描かれた松の柄で小粋に大人っぽく。さらに体型を引き締めて見せる効果も。

POINT2:象牙の「竹」のかんざしが後ろ姿のアクセントに

着物スタイルは後ろ姿にも気を配ることで美しさが増します。あえて洋感覚のヘアスタイルで衿足をすっきりと上げ、クラシカルな象牙の竹を模したかんざしをシンプルに1本挿すことで上品な印象に。

POINT3:顔映りの影響が大きい胸元は「梅」柄の刺繍で柔らかい光を

梅の刺繍の半衿をつけることで、新春らしさを出すとともに、シルクのスカーフを纏っているかのような光沢と柔らかさをプラスして、顔まわりにツヤと明るさを演出しています。

POINT4:帯と草履の鼻緒をリンクしておしゃれ感をプラス

着物はどうしても帯まわりに小物が集中しがち。だからこそ離れた位置にある草履にこだわると全体のバランスがよくなります。足裏にあたる天の部分は真綿入りで弾力があり疲れにくい草履はありがたい。

2021年『美ST』1月号掲載 撮影/岩谷優一〈vale.〉 ヘア・メーク/重見幸江 着付け/秋月洋子 取材/安田真里 編集/小澤博子

美ST