内田恭子さん「ママがいなくなるのが心配だから学校行かない」と泣いた日

10歳と7歳、ふたりの男の子ママでもある内田恭子さん。上のお子さんはそろそろ思春期?きっとずっと可愛いけれど“一人前の男性”に育て上げる責任も感じるという、この頃。子育て2ndシーズンに突入した、母の想いを語ってくれました。

Profile 内田恭子さん

うちだ きょうこ 1976年6月9日生まれ。フリーアナウンサーとしてテレビ、ラジオ、雑誌連載など幅広く活躍。読み聞かせボランティア活動にも積極的。ドイツで生まれ2歳で帰国、小5〜高校2年まではアメリカ・シカゴで育つというインターナショナルな経歴。10歳、7歳の2児の母。

子育ての悩みは、期間限定。そう割り切ったら頑張れますね

お説教に、エネルギー発散。
パパの出番が増えてきました

息子たちの成長は日々感じるものの、性別の違いからか、10年間育ててきてもいまだに理解に苦しむことも多いです(笑)。まず、1つのことをお願いしても4、5回同じことを言わないとやってくれませんし、雪山合宿に行けば間違えて宿のお椀をリュックに入れて持ち帰ってくるし。なぜ?の連続。家にいると何度も「ママ!」と呼ばれますが、大体は「え?」と対応に困るどうでもいいこと。忙しいときは、聞こえないふりをすることもあります(笑)。そんな様子なので私もワーワーと小言が増え、子どもたちも小言に慣れてしまっている気がするんです。なので、大事なお説教は夫の役目。「ここぞ!」という場面で登場してもらい、感情的にならず冷静に話をしてくれるので、子どもたちにも響くみたいです。「パパが一番怖い」というのも、それぐらいがちょうどいいのかなと。
もっと小さな頃は「ママ、ママ」でしたが、最近は夫が活躍してくれることが増えました。息子たちの有り余ったエネルギーの発散にも協力的で、出勤前に朝のランニングに連れ出してくれます。朝に5㎞ぐらい走って体力を消耗すると、その後の家庭学習も集中でき、一日を落ち着いて過ごしてくれる。私は息子たちのエネルギーについていけないので、助かっています。夫ともよく話すことですが「男子はとにかく運動」が大切という気がするんです。思春期に入ったときも、エネルギーを持て余していると悪い方向に向いてしまうような心配もあり……。体を動かしておけば健全に育つはず!というのが、漠然としていますが我が家の教育方針です。

友だちに会うと私と繫いだ手を
離して「グー」にする(笑)

今のところ反抗期らしいものもなく「ママ大好き」と、こんなに欲されていいのかなと感じるほどの幸せな日々。家族で外食をするときも私の両隣に息子が座る、3:1(パパ)の構図が定番です。長男も精神的にはまだ幼いとは思いますが、それでも男っぽくなってきたのかな。最近は手を繫いで歩いていても前から友だちが来ると、手をグーにして手を離します(笑)。“個人”としての人格も育ってきているので、反発されることもあります。思春期特有の不器用さなのか「自分はこうしたかったのに!」という意見が上手に伝えられず、部屋に閉じこもってしまうこともあって。そういうときは何をしてもダメ。しばらく放っておくと部屋から出てくるので、落ち着いた頃に「さっきはどうしたの?」と、こちらから話を聞いてあげるようにしています。そうするとボソボソッと話し出すので、まだ可愛いものですね。

仕事しないでと泣いた息子も
今では「行かないの?」

友だちとの世界も広がり、ラグビーや野球など夢中になれるものが見つかり「子どもたちは、こうやって少しずつ離れていくのか」という寂しさも感じるこの頃。でも、それは喜ぶべき成長であって、私の心にぽっかり穴があいたままになってしまうのは子どもがかわいそう。今のうちから趣味や仕事など、自分の時間を作っていかないといけないと思っています。昔は、私が仕事に行くことを子どもたちはすごく嫌がっていました。長男が小学2年生のとき3泊4日の海外出張があったのですが、毎日学校で泣いていたそうです。先生曰く音楽の授業がきっかけで、ママがいない寂しい気持ちとメロディが連鎖してしまい、それを歌うたびに涙が溢れちゃうと……。私が帰国してからは「ママがいなくなるのが心配だから学校に行きたくない」と言い出すようになり、“自分が原因”になってしまったことで私も大いに落ち込み、先生との面談で思わず泣いてしまったこともありましたね。それが今となっては「ママ仕事行かないの?」と若干、催促気味に聞かれる(笑)。子育ての悩みはいつだって期間限定!と、割り切ることができると、悩みや問題も乗り越えやすくなるかもしれませんね。

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将来的には海外留学の経験を。
「外から日本を見て欲しい」

私が海外で暮らした経験もあり、将来的には息子たちが海外に出たがったら行かせてもいいと思います。日本人である以上、日本の文化も日本語もきちんと理解した上で「日本はどう見えているのか」を、外から見つめ直すことは大事なことだと思います。多様性を受け入れ、柔軟な発想を持った人になって欲しい。夫とも意見は一致、今は「いつかは海外に行こうね」と小まめに囁き、本人たちのモチベーションを上げている準備段階。無理に親と引き離すことで挫折してしまったお子さんも見ているので、最終的には本人の意思を尊重するつもりですが、親と離れたところで揉まれ、経験を積んで、大変だけど頑張って……。そこから息子たちは自分が決めた道を歩んでくれたらいいなと思っています。まだ小学生ですけど、あっという間でしょうね。
私は、彼らが大きくなって振り返ったとき「明るいママだったな、愛情をいっぱい注いでくれたな」と、そういう存在でいられたら幸せだなって思います。

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撮影/酒井貴生〈aosora〉 スタイリング/三上津香沙 ヘア・メーク/佐藤健行〈HAPP’S〉 取材・文/櫻井裕美 編集/羽城麻子
VERY NAVY11月号『内田恭子さんインタビュー 子育て第2シーズンどうですか?』から
詳しくは2020年10/7発売VERY NAVY11月号に掲載しています。
*掲載中の情報は誌面掲載時のものです。