はあちゅうさん「事実婚から2年。家と家より二人の繫がりを意識した」
子育てに家事と、目まぐるしい忙しさの毎日の中でふと訪れるひとときに、救われたことはありませんか。いつも笑顔で頑張る素敵な人たちにも大切にしている大人時間がありました。今回は、作家・ブロガーのはあちゅうさんにお話を伺いました。
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“5分10分でも、
いま時間ある!と思ったら読書。
今の自分に寄り添う言葉を探しています”
読書は人との出会いと同じ
気晴らしと発見がある
仕事の移動中や息子が一人遊びに熱中している時が、私の大人時間。10分でも時間があれば、本を開きます。読書は昔から大好きですが、子どもが生まれてから読書への向き合い方は変わりました。家にいる時間も多くて、モヤモヤした感情をどうしたらいいかわからない時に、自分の感情を表現してくれる言葉に出会えるとスカッとするし、世の中に触れていたいという気持ちも満たしてくれます。時間がないので拾い読みや、短編集で1作だけ読むことも。完読しなきゃと思わず、いいなと思う言葉に出会うために読んでいます。育児期の今はまとまった時間がとれないので、数冊を同時並行で読んでいます。読書は人に会うのと同じで、毎日同じ人と会うよりも、たまには違う人と会うほうが発見があって嬉しいですよね。気になる言葉はノートに書き写したり、Kindleでマーカーを引いて、インスタでシェアしています。
SNSのおかげで
育児の孤独さから救われた
昔から、こんな楽な方法があったよとか、こんなにいいものがあったよというのをSNSでシェアするのが好きで、アウトプットするとインプットも捗るんです。あと、SNSで発信すると、もっと詳しい人からさらに情報をもらったり、本を紹介すると著者の方から連絡をいただいたり、家にいながら世界が広がるので、SNSのおかげで子育てもすごく楽しくなりました。
この前も息子の1歳の誕生日プレゼントで悩んでいたら、「子どもは音が出るものが好きですよね」とコメントをくれた方がいて。「じゃあ、楽器にしよう!」と思って発信したら「こんなミニピアノが発売されますよ」と新たな情報をもらって。自分の人生がいろんな人の知恵のおかげで豊かになるのが有り難いし、自分の発した情報も知らないところで誰かの役に立っているかもしれないですよね。
最近はSNSのネガティブな面がクローズアップされがちですが、本来はメリットのほうが圧倒的に大きいものだと思います。誰かと繫がっていることが、自分の気持ちをすごく柔らかくしてくれるから。孤独になりがちな育児中のママには特におすすめしたいです。
家事育児を楽にするグッズは常に探していて、家計簿はアプリで一括管理しています。妊娠中にフェミニズムに興味を持ち、ジェンダー意識へのモヤモヤを解消したいと思った時にフィットしたのが『ヒョンナムオッパへ』(白水社)。『「鬼畜」の家 わが子を殺す親たち』(石井光太/新潮社)と『仕事本 わたしたちの緊急事態日記』(左右社)も最近強く印象に残った本です。
世の中の形にとらわれず
二人の心地よさが最優先
夫と事実婚をして2年。私はフリーランスなので仕事上の名義変更が複雑になるのを避けたかったのと、家と家の繫がりよりも二人の繫がりを意識したくて、この形を選びました。どこの家庭でもあるように、家事育児の分担については何度も衝突しましたが、家事は代行を頼むことで一部解決。お金を出すのは夫で、手配のやりとりや在宅の手間は私です。それでも家事育児のメインは私ですが、一言「ありがとう」と声をかけてくれたり、大変さを理解してくれるだけで心の納得度が増すんですよね。役割を50/50にするよりも、心をケアしてくれることが私にとっては大事。常に100点ということはないから、その時々で話し合いを重ねて、世の中の夫婦のあり方にとらわれずに、自分たちの心地よさを大切にしていきたいです。
ワンピース[ベルト付き] ¥22,000(アルアバイル) ニット ¥30,000(スローン) ピアス ¥7,700 リング ¥10,800(ともにアビステ)
●はあちゅうさん Ha-chu
1986年神奈川県出身。慶應義塾大学在学中よりブログを開始しブロガーの先駆け的存在に。広告会社、IT系ベンチャー企業を経て、のちに独立。エッセイや小説など著書多数。2018年に事実婚し、現在1歳の男の子のママ。
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撮影/福本和洋 ヘア・メーク/川村友子 スタイリング/坂野陽子〈f -me〉 取材・文/宇野安紀子 編集/城田繭子
*VERY2020年11月号「わたしの、たまには大人時間」より。
*掲載中の情報は誌面掲載時のものです。商品は販売終了している場合があります。