「家に私の居場所がない」は時間の管理を変えたらうまくいく
イレギュラーだと思っていた在宅ワークが定着し、家族が家で過ごす時間が増え、結局一番忙しくなり、アレコレ気を回してアワアワしているのは私……リラックスできるはずの自宅の居心地が悪くなったと感じている方へ、専門家の先生にこのトンネルを抜けるヒントをもらいました。
リモートワーク中のママたちへ。
仕事時間中は夫婦ではなく「同僚モード」。
時間の管理を変えるだけでうまくいく
中野円佳さん
ジャーナリスト。『なぜ共働きも専業もしんどいのか~主婦がいないと回らない構造』の著者で、シンガポール在住の2児の母。
日本の現状は、まだまだ女性側が遠慮をしたり、負担のしわ寄せがきてしまっていることが多いですよね。共働きであっても。在宅ワークの普及により、夫は、妻が毎日たくさんのタスクを抱え、バタバタと過ごしている姿をはじめて目の当たりにして、こんなに大変だったんだ……と知った方もいるでしょう。
一方夫は、満員電車のストレスから解放され、嫌な上司からも離れられて、心の余裕ができた人もいると思います。残業が減り、出張がなくなり、家族の時間が増えたなど、ポジティブな効果を得ている人が多いようです。
せっかくですから、働く夫婦の関係や考え方を見直してみませんか?
社会も〝Zoomに子どもが割り込んでもご愛敬〞とか、子育て世代への寛容度も高まっています。あとは夫婦間の寛容度も上げ、自宅は居心地のいい場所にしたいですよね。
1. シェアオフィスの同僚だと思って干渉しない!
同僚と思えば、お昼ごはんを用意しなくちゃ!と思う必要もないですし、無理にその時間を合わせることもありません。夫婦が家の中で仕事をすることになったことで、妻の家事だけが増えるのは不公平ですからね。自分のことは自分で。シェアオフィスなので、次の人が使いやすいように、後始末や整理整頓も行えば、妻のストレスはグンと減ると思います。
2. 一日のおおまかな予定を共有する
夫は書斎、妻はリビングで仕事をしていたとします。オンラインミーティングの環境が整っている書斎を使わせてほしいときなどは、「○時から1時間、オンライン会議したいから書斎使っていい?」「午後外出したいから、習い事の送迎を代わってもらえる?」など、あらかじめ、お互いの予定を把握しておくことも、スムーズに一日を過ごすコツと言えます。
3. 自分の大変さも隠さずアピールして!
妻のタスク(しかも無償)が増えている場合があります。些細な変化も、一度書き出して見える化し、共有することも大切です。お昼は残り物ですませていた妻が、夫がいるために、わざわざ作って洗い物をする。それが貴重な休憩時間や、仕事時間を削っている場合もあります。夫はそれにまったく気づいていないことが多いです。まずは知ってもらいましょう。
4. プライベートなスペースと時間を確保する
いくら夫婦でも同じ空間でずっと気配を感じながら過ごし続けるのはストレス。そんなときは、子ども部屋と寝室など、お互いが見えないプライベートスペース=逃げ場所を作っておきましょう。そして、「ちょっと疲れたから30分、横になるね。あなたも適度に休憩してね」と声を掛け、お互いに意識して休憩時間を取ると、休んでいても気まずくありません。
5. 浮いた時間とお金は家事の軽減に使う
ご主人の通勤時間で浮いた30分は家事を手伝ったり、子どもと過ごしてもらうのもよいでしょう。外ランチや飲み会に使っていたお金は、外食やデリバリーに回し、家事の負担を減らすことも大切です。いつまで続くかわからない状況を抱え込んで、疲れてしまう前に、外のサービスに頼って、家族を円滑に回し、笑顔でいられる方法を工夫するのも一案です。
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撮影/五十嵐 洋 取材・文/渡邉里衛 編集/井上智明
*VERY2020年11月号「夫と子供が一日家にいる日が苦痛……に悩む人もいる『どうしてだろう、家に私の居場所がないなんて』」より。
*掲載中の情報は誌面掲載時のものです。商品は販売終了している場合があります。