友利新先生直伝!ハンドクリームの使い方&選び方

手洗いやアルコール消毒が習慣となり、これから乾燥する季節を迎えると、心配になってくるのが手荒れ。もともと乾燥しやすい手はきちんとケアしないとカサカサになってしまう恐れが……。そうなる前にハンドクリームの基本の使い方をマスターして、手荒れのないしっとりすべすべの手肌を目指しましょう!

お話を聞いたのは

友利 新先生
内科・皮膚科医。クリニックに勤務するかたわら、医師という立場から美容と健康について正しい情報を発信するために、YouTubeチャンネルを開設。3児の母。近著に『やめる美容』(光文社)がある。

ハンドクリームは「治す」のではなく「予防」のアイテム

ハンドクリームは荒れてしまった手を治すのではなく、あくまでも荒れないようにケアをする予防のアイテム。かゆみや赤みなどがあるときは、成分によってはかえって悪化してしまうこともあります。

  • 軽いかゆみがある、カサカサする
    ⇒薬用成分入りのハンドクリームでケアを。
  • 亀裂や激しいかゆみがある
    ⇒市販の治療薬を試してみるか、病院で受診を。

亀裂が入ったり手湿疹の状態になったりすると、処方薬で治療しないと治らず、治るまでに時間がかかってしまいます。そうならないためにも、普段からこまめにハンドクリームを塗って、ケアをすることが大切です。

 

\教えて友利先生!/
ハンドクリームの使い方・選び方

Q1. どんな成分が入ったハンドクリームがいいの?

A. 肌の状態に合わせて成分を選んで

  • ワセリン
    皮膚に膜を張ることで内側の水分をキープ。ほとんど刺激がないので、敏感肌の人にも使いやすい成分です。

 

  • セラミド
    水分や油分を抱え込んで、バリア機能を高めます。乾燥が気になるとき、しっかり保湿したいときにおすすめ。

 

  • 尿素
    角質を柔らかくする効果があるので、皮膚がゴワつくときに。かゆみがあるときは刺激になるので避けましょう。

 

  • ヘパリン類似物質
    血行促進効果や高い保湿力をもつ成分。乾燥がひどいときや、肌の水分量をアップさせたいときに使って。

 

 

Q2. 家事の前に洗い流したり拭くと意味がない?

A. ティッシュでやさしく油分をとるくらいならOK!


サッと水で流したり、軽く拭いたりする程度であれば、ハンドクリームが肌の上に膜を張ったままになり保湿効果が残ります。ベタつきが気になるときは、ティッシュで軽く押さえて油分をとってから家事をするようにしましょう。

 

Q3. どれくらいの期間で使い切るべき?

A. できればワンシーズンで使い切って

使用期限はアイテムごとに異なります。ただ、ハンドクリームのように直接手に取るものは雑菌が繁殖しやすいので、長期間使うのは避けたほうがいいですね。できればワンシーズンで使い切るのがおすすめです。衛生的なことを考えるなら、すぐ使い切れるミニサイズを使うのも手です。

30㎖くらいのサイズは持ち運びに便利です。
ロクシタン〈右から〉優雅なローズの香り。ローズ ハンドクリーム、さわやかなハーブの香り。エルバヴェール ハンドクリーム、ひんやり、サラッとしたテクスチャー。ヴァーベナ アイスハンドクリーム30㎖各¥1,400(ロクシタンジャポン)

 

Q4. 荒れやすい人はどうしたらいい?

A. 爪の周りにネールオイルを重ねるなどのケアを

ささくれができやすかったり指先が荒れやすかったりする人は、ハンドクリームを塗ってから爪の周りにネールオイルを重ねるケアをしましょう。今の自分の肌状態がどんな状態なのかをチェックし、どこが荒れやすいのかを見て、荒れやすいところを重点的にケアすることが大切です。

保湿成分、加水分解コラーゲン配合で指先しっとり。癒される甘いりんごの香り。デュカート キューティクルオイルⅡ ¥650(シャンティ)

 

次回はMart読者が選び抜いた「溺愛ハンドクリーム」を大公開! お楽しみに!

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撮影/山下忠之 取材・文/森本奈穂子 構成/Mart編集部

2020年11月号
消毒・水仕事に負けないためにどうしてる?
ハンドクリームの“使い分け”新常識 より