スタイリスト長澤実香さんが見極めたアイテムハイブランドの絶対的エースを探せ
長澤さんが教えてくれたのは、今はもちろん、60、70歳になっても着ている姿が想像できる、〝自分にとってのベーシック〟の見つけ方。確かな審美眼で選ばれた8アイテムからMy Styleを育む心がまえを学びます。
10、20、30年… …。自分の個性を刻む〝印のない〟バッグ
The Row
素材感、色、フォルム、サイドベルトやハンドルの太さ、ステッチ、金具のゴールドの色味に至るまで、精緻を極めたシンプルさが美しいバッグ。パッと見てどこのブランドかもわからない、それをNAVY世代がサラッと持つのが粋だと思って。レザーのバッグって、10年、20年使っていくと、その人の使い方のクセが出ますよね。デニム好きならデニムと擦れる部分の色が変わってきたり、物をたくさん詰め込む人なら、レザーが少し湾曲して、でもそれがいい味になったり。使う人の個性で、唯一無二のものに変わっていく。自分だけの逸品にしていくことが、スタイルにつながっていきます。
ギャップが新鮮。エレガントに魅せるスポーティ
PRADA
毎シーズン注目しているプラダのニット。なかでもこのポロは、繊細なニットの質感、リブの強弱やピッチ、袖の長さ、すべてが絶妙。肩ひじ張らないのに、上品に見えるんです。ときに〝ただのスポーティ〟になってしまいがちな大人のスポーツMIXの難しさを、いとも簡単に切り崩して、たちまち新鮮な着こなしに変えてくれます。カジュアルなものよりも、フェミニンなカラースカートやパールなど、ノーブルなものを合わせたほうが、うまくいくはず。大人になった今、合わせるものを変えながら遊べる、チャレンジして損のないベーシックアイテムだと思います。
気負わずエレガントな、人とは違うブラックドレス
GIVENCHY
体形に寄り添い、美しいフォルムを出してくれるジャージードレス。アシンメトリーなデザインと背中がVに開いている肌見せも、ネックラインは詰まっているので上品。色気もちゃんとした感じもあって、母親として後ろ指を指されるトゥーマッチ感はありません。ママ友との食事も、パパとのデートも、気負いなくエレガントに見え、なにより人とは違うブラックドレスとして1枚でかっこよく完結します。まさに、ニューベーシックにふさわしい1枚。10年、20年後にさらっとリップをして出かける姿って素敵ですよね?そういう想像をしていくことが大切。
オードリー・ヘプバーンが着用したリトルブラックドレスからはじまり、常に女性を最大限美しく見せるドレスを生み出してきたジバンシィ。フェミニンななかにも、自立した女性の強さを際立たせるような主張のあるデザインが特徴。心地よいジャージー素材のドレスもそう。女らしいボディラインを描く一方で、前後両A面のアシンメトリーデザインや、ショルダーのゴールドボタンがピリッとアクセントを添えて。ドレス¥197,000 サンダル参考商品(ともにジバンシィ/ジバンシィ表参道店)
Profile
スタイリスト 長澤実香さん
多くのファッション誌や広告、ベビー服ブランド「Hijiki.」のディレクションと、多岐にわたって活躍。目指す女性像やものに宿るストーリーが垣間見えるスタイリング提案は絶大な説得力あり。
モデル/麻宮彩希 取材・文/榎本洋子 編集/渋澤しょうこ デザイン/小林義郎
詳しくは2020年9/7発売VERY NAVY10月号に掲載しています。
Part1 滝沢さんの「私服」で紐解く
VERY[ヴェリィ]
最近の〝タキマキベーシック〟は、もう、失敗しない!
Part2 お手本にしたいNAVYなあの人の「今、必要なベーシック」
VERY[ヴェリィ]
Part3 なんでもないのに〝私らしい〟を作る
VERY[ヴェリィ]
NAVY的ステディブランドのベーシックを更新
スタイリスト長澤実香さんが見極めたアイテムハイブランドの絶対的エースを探せ
VERY[ヴェリィ]