「教えて恋愛部長さん!この恋、捨てるべき?」Vol.①【悩めるアラサー女子への処方箋】

「もう傷つきたくないし、踏み込みたくない」…大人になると発生する、20代の頃は考えたことさえない恋愛の悩みの数々。女性メディアで活躍する恋愛部長が、読者のリアルなお悩みにお答えします。さて、今回の恋のお悩みは?

距離が縮まりすぎて、興味をなくされた?

共通の友人がいて知り合った彼。初対面の段階で『気軽に連絡ください!』と言われて連絡先を交換、なんとなく気になる人だったので私から連絡をして飲みに行きました。好きな映画の話で盛り上がり、その後もちょくちょく飲みに行くように。最初のほうは2週間に1回ぐらいのペースで楽しく飲んでいたのですが…だんだんと誘われる頻度が減り、途中から私から誘っても断られることも増え、ついにこの2カ月、一度も連絡がきていません。もしかして忘れられている? 私ってそもそも彼にとって忘れられてしまうような存在だった…?

もともと彼からの連絡は『空いてる日に食事に行こう』のようなデートのお誘いではなく、いつも『今日その辺で飲めない?』だったのでうすうす気づいてはいたのですが、彼にとって私はいつしか『自分が暇なときに呼べば来る』都合のいい飲み友達になっていたのでしょうか。男性が意中の女性に送るお誘いって本来どういうものですか? この都合のいい飲み友達からの巻き返しは可能なのでしょうか。この彼とはご縁がないということで、諦めるべき?(Naoさん・33歳)

恋愛貧乏性に要注意!

なるほど、なるほど。
いい感じでスタートしたと思ってたら、いつの間にか向こうのテンションが下がってしまった!というご相談ですね。このケース、恋愛相談ではむっちゃくちゃ多いです。というのも、恋愛の最初ってとんとん拍子にうまく行くか、フェードアウトか、どっちかしかないから。ワーッとお互いが盛り上がれば、難なく付き合えるし、そうじゃない場合は出だしでおしまい。それだけの話です。

別にデートの最中に何かしでかした!ってわけでもないだろうし、自分に魅力が足りなかったの?!ってわけでもない。ただ単に、相手に、「その先へ進むテンションが湧かなかった」というだけです。でも女性っていうのは、どうしても最初うまく行ってたように思えて何も問題ないと思ってた人が、じわじわ引いてっちゃうと、どんどん気になって追いかけたくなる、という傾向があります。押されてるときは優位に立ってたはずが、引かれると追いかけたくなるってやつです。そんな時がいちばん、相手のことばっかり考えて、もやもやするので、それを「相手への気持ち」と勘違いしてしまうことがあります。引かれてから気になり始めて、どんどん好きかも!って切なくなる。でも、ちょっと待って!ほんとに、その人のこと、そんなに好きだった?「すごく付き合いたい!」って思ってた?相手の出方がイマイチだから、そのせいで気になってしまってるってことないですか??

これすなわち、「恋愛貧乏性」ってやつです。ちょっとうまく行きそう?向こうに気がありそう?って思ってた人に冷たくされると、すごく気になってしまう。元の、「うまく行きそうだった状態」に戻さなきゃ!って焦る。ちょっとでもチャンスのあったものは、惜しくて捨てられない。せっかくの出会いがもったいない!っていう感覚。

わかります。みんなそうです。人はみんな、せっかくの出会い、せっかくのチャンス、相手から気に入られてるかも?!っていう状態、うまく行きかけた記憶を捨てられない。貧乏性になって、かき集めて、大事に育てようとしてしまう。でもね、ハッキリ言うとそれ、時間の無駄です。もったいないのは、出会いのチャンスでも、デートした記憶でも、その相手の男自身でもなく、相談者さんのこれからの「時間」です。何回かデートして、ちゃんと手順を踏んでたはずが。最初は、向こうからもポジティブな反応だったはずが。要するに、「うまく行ってる」って思ってたはずが。いつの間にか相手が引いてしまっているのはただ単に、そういう運命の出会いだってことです。うまく行ってるって思ってたのはこっちだけで、向こうはそうでもなかったのかも。何か、決定的に相入れない価値観の違いを見つけちゃったのかも。でも、どんな理由であれ彼の行動を見る限り彼は、この恋に関しては、頑張るモチベーションが湧いていないようです。これは誰がどう言おうが、どんな行動を取ろうが、どうすることもできません。人の気持ちだけは、他人にどうこうできるものではないからです。今現在は、少なくとも彼は相談者さんと積極的に距離を詰める必要を感じてないんでしょう。

でもそれは、誰のせいでもないし、彼のせいでもないです。心が動かないものは、仕方ないんです。たとえ一緒に会っているときはそれなりに会話が盛り上がり、楽しくても。ちょっと親しみを感じるような素振りがあったとしても。本当に相手にもっと近づきたい!と思っている男性の態度は非常に分かりやすいものです。相手の女性の機嫌を取ろうとするし、自分の時間やお金、労力を相手のために使おうとします。そうやって、相手の女性の歓心を買いたいのです。それが、女性に興味のある男性のわかりやすい態度。そこまでいかない、「誘えば出てくるけど、自分からは何も動かない」とか「自分の都合ばかり優先して、相手の都合に合わせる気がない」とかの態度でしたら、残念ながら「好き」「付き合いたい」という感情までは行っていないと思います。なので、そういうテンションの低い男性は追いかけないに限る。

【対処法】いったん、「脇に置く」

いちばんいいのは、友達としてはキープしつつ、その彼以外にも目を向けること。
これを私は、恋愛相談上は「脇に置く」と呼んでます(笑)。

別に無理して彼の存在を亡きものにしなくたっていいんです。そんなことしようとするとかえってこっちのテンションが上がってしまい、未練が残っちゃいます。そうではなく、彼は「とりあえず今のところは向こうに気がない」リストにでも入れて、脇に置く。連絡が来たら適当に返せばいいけど、こっちから積極的には距離を詰めない。「とりあえず今のところは」と書いたのには、理由があります。それは、状況次第で彼の気持ちが急に変わることもあるからです。人の気持ちっていうのは、状況や条件によってコロコロ変わるもの。今現在は間違いなく相談者さんに興味のない彼ですが、この先未来永劫興味がないかというと、別にそんなことはありません。ただし、相談者さんが彼をむやみに追いかけなければ、という条件つきです。

今はたぶん、相談者さんが恋愛貧乏性を出してしまって、彼との出会いの「投資を回収」したがっている状態。要するに、引いてる彼を追いかけそうになっている。でも、そこをいったんスパッと忘れて、彼との段階を経たお付き合いを無かったものにする。まっさらな白紙に戻しちゃう。こっちから定期的に連絡しなくていいし、なんなら向こうから言ってくるまでほったらかしましょう。そして、いったん二人の関係をリセット。相談者さんが追いかけている状態をゼロにする。その間、別の男子とデートするなりして、自分を別のレベルにアップデートするように努める。環境や条件が違えば人の気持ちは変わるって言いましたが、今のままの相談者さんではなく、たとえばほかの男子にモテモテの相談者さんとか、仕事バリバリやって輝いている相談者さんとか、ちょっと「お?こんな子だったんだ!」て彼が見直す部分を作ってみるのはどうでしょう?新鮮な魅力に気づいて彼のテンションが上がる可能性は、未来において、なくはないのです。ただし、それをあまり期待しすぎずに。あくまでも、「もしかしたら」のレベルの話ですからね。

それより大事なのは、今は、彼に固執しないこと!それが一番です。だって、男は彼だけじゃないんですから。他に目を向けたらもっともっと自分に合う、自分だけを大事にしてくれる男性がいると思います。彼とうまく行かなかったのは、未来に会うべき、本当の自分の運命の人のためかもしれないですしね。ちょっと出だしがうまく行きそうだったからって、視界を狭くして彼だけに囚われるのはもったいない。もっともっと自分に合う人を見つけに行きましょう。

しばらく放っておいたら彼なんかどうでもよくなっていざ彼がフラフラ戻ってきてもういっぺんデートしてって言いだしても「別にもういいや」って思っちゃう可能性も大ですよ。テンション下がった男なんかは脇に置いて、さっさと次へ行きましょう!

恋愛部長

自らの恋愛の失敗をもとに、独自の恋愛論を編み出し、恋愛ブログ「恋はいばら道」をスタート。モテない20代、さまよう30代を経て、40歳で結婚。様々な人の恋愛相談に乗っている。著書に『28歳からの必勝ルール~恋愛部長の恋のムチ』『にっちもさっちもいかない恋がうまくいく本』(大和出版)。
Webサイト:renaibucho.com
NOTE(恋愛相談):note.mu/

 

イラスト/東 美結