“睡眠の質”を上げる方法「睡眠五感」って?寝られない人の今夜からできる熟睡のコツ
元気で健康でいるために睡眠が大事なのは周知の事実。でも、寝かしつけから変な時間に起きちゃったり、夜泣きで細切れ睡眠だったりとママはたっぷり寝られないのが現実です。 “睡眠の質”に関わる「睡眠五感」とは? 熟睡に効果的なインテリアや寝具、おすすめの飲み物、サプリメントまで、“睡眠の質”を高めるノウハウを今夜からぜひ取り入れてみて。
睡眠は“量”よりも“質”。
“質”を上げたほうが満足感が高い
◉睡眠コンサルタント・友野なおさん
「睡眠五感」へのアプローチが鍵!
いい睡眠というのは、睡眠の“量”と“質”のかけ算から考えられます。でも子育てママの生活では十分な“量”は難しいので“質”にフォーカスしてほしいです。なぜなら昼間「疲れてない」「元気に動ける」などの主観的な健康感やQOL(クオリティオブライフ)には“量”よりも“質”のほうが重要、と科学的にも証明されているから。そもそも美しさや若々しさも健康感があってこそ。睡眠の質とは「熟睡感」のことです。まずは「あ~よく寝た」と思えるかがポイント。特に分かりやすいのは朝起きた顔を見て、青クマがないか、フェイスラインがたるんでないか、充血してないか、口角が下がってないかをチェックしてください。睡眠の質がよくないと顔に顕著に現れます。そして質を上げるためには睡眠五感つまり、「視覚」「嗅覚」「聴覚」「温熱感覚」「触覚」にアプローチすることが大事です。
■その1「視覚」へのアプローチ
“目に入ってくる情報”が最も大事。
色や光が与える影響は赤ちゃんにも大
日勤や通常の時間帯で生活している方は、“昼間は明るく夜は暗く”が基本です。これは赤ちゃんにとっても大事なので昼寝は明るいままでOK。夕方からは、照明は蛍光灯ではなくやや暗めのオレンジ色にしていくのがベストです。朝は光を感じて起きることが大事なので、遮光カーテンはおススメしません。遮光なら少し開けて寝てください。
「寝具の色」にはパステルカラー
なかでも淡いピンク色がおススメ
色の持つ効果は大きく、派手な色は刺激が強すぎるので避けてください。パステルカラー、特に淡いピンクがリラックス感をもたらします。ルームウェアやパジャマといった身に着けるもの、掛け布団やカーテンなど大きな面積を占めるものから変えるのが効果的です。
清潔感があってベッドリネンとして人気のある白は、残念ながら蛍光色で疲れが取れにくい色。薄いベージュやアイボリーにしてみてください。
■その2「嗅覚」へのアプローチ
ピローミストや肌につけられる
「精油」でスムーズに入眠へ
科学的にもリラックスできる香りはラベンダーやヒノキです。ラベンダーは不安感を解消し、睡眠の質をよくしてくれると言われています。でもあくまでもその香りが自分が好きな香りであることが大前提です。そして毎日入眠前に続けるのが大事なので、旅先や出張先でも持ち歩きやすいピローミストやロールオンタイプが手軽でおススメです。
■その3「聴覚」へのアプローチ
無音でなければ自然の音。
1時間で切れるタイマーセットを
基本的には無音で寝るのがベストですが、音がないと寝られない人の場合は雨やさざなみ、川の音など自然界の普遍的な音をアプリや専用CDなどを利用してかけてみてください。リラックスできるクラシックもいいですが、かけっぱなしだと就寝中も聴覚はずっと働いていることになるので1時間くらいで切れるようにタイマーを設定することが大切です。赤ちゃんにもいいのが子宮音、胎内音に近いもの。私はフクロウの人形から流れてくる“Bubzi Co癒しの快眠フクロウ”を長女が産まれた時から寝かしつけに愛用しています。
■その4「温熱感覚」へのアプローチ
夫婦の温感の違いは寝具と
3つの“首”の温めで調節し
室温は快適な27~28℃をキープ。冷房を上手に利用するのに加え、ベッドを壁から10cm離して輻射熱を防ぐのも効果的。夫婦で体感温度が違うことが多いのでできたら寝具は別にし、夏でも睡眠時に体は冷えるため薄い肌がけを2枚ほど用意して調整を。3つの“首”、つまり、首元・足首・手首を温めるとよく眠れるので首元にバスタオルをかけたり、レッグウォーマーを活用。子どもとお風呂に入って寝るまで時間が経つことも多い人は、寝る前に足首をドライヤーで5分温めると入眠モードになれます。
■その5「触覚」へのアプローチ
部屋着より「パジャマ」がマスト
寝返り促進と冷え予防になる
スウェットなど部屋着のまま寝る人も多いですが、パジャマに着替えると睡眠の質は大きく変わります。夏でも睡眠時は体が冷えるので長袖長パンツを。ワンピースタイプは寝返りがうちにくいのでセパレートがベスト。
ダイレクトに肌に触れるから
「枕」は美容的にもシルク一択
枕カバーは直接肌や髪に触れるものなので最も心地よさを感じます。より一層好きな肌触りを追求して。ガーゼやリネンはサラリとして夏におススメ。シルクは肌たんぱくと近い天然繊維なので髪の摩擦も少なくダメージレス。シルクプロテインが角質ケア効果もあり、私自身もシルクのパジャマにしたら背中のポツポツがなくなりました。
汗を吸収しやすくかさばる「シーツ」は
洗濯のしやすさもポイント
梅雨や夏場はひんやり感じる素材やクールマットを敷いてもいいでしょう。汗を吸収しやすく、こまめに洗濯したほうがいいので、乾きやすいリネンやガーゼ素材が最適です。
こんなテクニックも効果的!
◉入眠をよくする儀式は「朝牛乳」「46呼吸法」
「朝食時にたんぱく質を摂取するのが昼間の意欲的な活動と夜の睡眠において大切なので、朝食はバナナと牛乳が欠かせません。体がスッキリ目覚めます。4秒で吸って6秒で吐く呼吸法もおススメ。寝かしつけながら呼吸し、そのまま子供と寝てもOK」(友野さん)
◉サプリに頼るのももちろんアリです
最近は睡眠の質を高めるサプリも多く、取り入れる人も増えています。サプリを上手く取り入れることで起床時の疲労感や眠気を軽減したり、夜中に起きずにぐっすり眠れる効果も。
睡眠の“量”は、3つの
ちょこちょこ寝テクでカバー
◉子供のお昼寝タイムは“自分も一緒に寝る”
子供のお昼寝時間に家事をしてしまいがちですが、睡眠が細切れや短時間だから思い切って家事はせずに一緒に寝ることで量も確保しましょう。
◉目をつぶるだけでもOK!
15時までに20分程度の仮眠で復活できる
適度のお昼寝は認知症や心臓病のリスクが下がるというデータがあります。横になると起きられなくなるので、体勢は座ったままがベスト。
◉時短家電の力を借りて家事はおまかせ
ルンバや食洗機、乾燥機、電気調理鍋など優秀な最新家電を駆使して家事の時間を減らし、その分睡眠時間をキープするのも手です。
撮影/草間智博〈TENT〉(静物)、寿 友紀(取材)スタイリング/宮本祐希 取材・文/立花あゆ 編集/井上智明*VERY2020年6月7月合併号「おうち時間が増えたなら、生活リズムを整えるチャンス!『たっぷり』より『ぐっすり』のための“睡眠の質”テクニック」より。
*掲載中の情報は誌面掲載時のものです。商品は販売終了している場合があります。