イベントでは完売続出 1点もの刺繍ブレードを使ったLilyさんの巾着バッグ
いま気になるハンドメイド作家を紹介する「今週のハンドメイド・アーティスト」。第8回はバッグとアクセサリーの作家・Lilyさん(神奈川県在住)をご紹介します。
服飾専門学校で基礎を学ぶ 出産を機に編み物に夢中に
ハンドメイドが盛んな湘南エリアで、「かわいい巾着バッグをつくる人がいる」と作家さん仲間でも話題になっているLilyさん。10代の頃からものづくりが好きで、服飾専門学校を卒業した経歴を持っています。
「学校では洋服づくりの基礎から一通り学び、ファッションについても幅広く勉強しましたが、卒業後は趣味程度に自分のバッグやアクセサリーをつくるくらいでした。5年前に長女が生まれてから、子ども用の帽子など編み物をする機会が増え、自分のバッグを麻ひもでよく編むようになりました。特に巾着型のバッグが好きなので、麻で編む以外にも、かわいい布を見つけたときは布製の巾着バッグをつくっていたんです」
作風を決定づけたインドの刺繍ブレードとの出会い
Lilyさんの巾着バッグといえば鮮やかな刺繍が入ったブレードが特徴。インド人女性が着るサリーにも使われる刺繍ブレードとの出会いは、3年前でした。
「カラフルな布や糸を探すのが好きでどこを歩いていてもつい目が行ってしまうのですが、鎌倉のファブリック店でインドの刺繍ブレードと出会ったときは一目ぼれでした! ただ、刺繍に手間がかかっている分、値段がけっこう高くて。そのときは50cmだけ買うのがせいいっぱいで、持ち帰ってからも何に使ったらいいかすぐには思いつかず、しばらく箱の中に大切にしまっておいたんです。あるときシンプルな麻ひもバッグに合わせたら『これだ!』とぴったりきたので、それ以来少しずつ刺繍ブレードを使った麻ひもバッグをつくるようになりました。刺繍ブレードは同じ柄に出会えることがまずないので、1つの柄からバッグをつくれるのがほぼ1点なのも魅力に感じてもらえています」
不安いっぱいの初イベント出店ではバッグもアクセサリーも完売
そのうち自分用につくったバッグやアクセサリーを身につけていると、どこで買えるかなど聞かれることが増え、2年前にハンドメイドイベントを主宰する友達からの勧めで初めて自分の作品を売ることになりました。
「その頃は2人目の子どもがやっと1歳になったくらい。友達は『きっと売れるよ』と言ってくれたのですが、値段のつけ方もわからないし、一つも売れなかったらどうしようとかなり不安になりました。アクセサリーもヴィンテージパーツが中心で、自分がつけたい大ぶりな目立つタイプをつくっているので、好みが分かれるだろうし……と前日までオロオロ。でも出店してみると、そのとき持参した作品は完売して、うれしいのと驚きでいっぱいになりました。また、買って下さる方の顔が見えて、自分で作品についてお話できる対面販売の楽しさも知り、その後もイベントで販売していくようになりました」
少数派のデザインでも自分がつくりたいものをつくる
「自分がつくるものは、バッグもアクセサリーも無難でさりげないデザインではない」と言うLilyさん。身につけるとコーディネートのポイントになり、気分が明るくなるデザインにこだわっています。
「一時は万人受けするデザインでつくってみようかな、と思ったこともあったのですが、何かを狙う感じだとうまくつくれなくて。制作時間も子ども達が寝た後以外は、上の子が幼稚園に行っている間で下の子がひとり遊びに夢中になってくれているとき……などかなり限られてしまうので、そのとき自分が使いたいと思うものをつくろうと決めました。麻紐バッグはそのままだと春夏っぽいので、秋冬用はファーをつけるなどするとリピートしてくださる方が増えました。もっと子どもが大きくなって時間に余裕ができたら、webshopをオープンするのが夢です」
【作品information】
<Instagram>
@lily___handmade https://www.instagram.com/lily___handmade/
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取材・文/富田夏子