「子どもの頃のピュアな驚きをママたちへ」スワロフスキーのクリエイティブ・ディレクター、ナタリー・コランさんインタビュー
美しい輝きはもちろんのこと、インパクトのあるデザインや色使いにいつも新鮮な驚きが隠れているスワロフスキーのジュエリー。クリエイティブ・ディレクターのナタリー・コランさんは、自身も1人の女の子のママでありながら、デザイナーとしてのキャリアを重ねてきたワーキングマザー。2019年春夏新作の魅力とともに、愛情豊かでチャーミングな彼女のキャラクターに迫りました。
子どもの頃の〝驚き〟が
今では大きな
インスピレーションに
スワロフスキーの多彩な製品を生むインスピレーションの多くは、小さな頃に絵本や書物から学んだ自然や文化、アートがベースになっているそう。なかでも、ナタリーさんにとって小学校の美術の先生とのエピソードは最も忘れられない記憶として、ときにデザインに生かされているといいます。
「彼は美術教師であると同時にストーリーテラーとしても才能がありました。『昨日、夢で砂浜を歩いていたら海賊が出てきて、その夢が今日、正夢になったんだ』と言って、ポケットから砂を出してきたりするんです(笑)。私たちがびっくりしていると、『この夢の続きをみんなで絵に描いてくれ』って。わくわくしながら、夢の続きを一生懸命想像して描きましたね。大人になった今もデザインをしているときに、彼が語ったさまざまな物語がふわっと頭に浮かぶことがあるんです」。
「子どものころは新鮮に見えていたものでも、成長して多くの人に出会い、多くを経験していくうちに、 “どこかで見たデジャブ”や“何かに似たもの”になってしまう」とナタリーさん。そんな彼女が職場でよく投げかける言葉は「Re-connect to dream=子どもの頃に描いた夢を、もう一度思い出してみて」。
新しい発想やクリエイティブには〝子ども目線〟よりも〝子ども心〟が必要。ジュエリーを手に取ると湧いてくるワクワク感や、どんな服に合わせようかと思い巡らせる無邪気な気持ち、女性として永遠に忘れたくない心の持ち方を、自身の作品で伝えていきたいと言います。「自分のクリエイションを通じて、多くの人に、子どもの頃に感じたようなピュアな驚きを体験してもらうと同時に、ここから〝何か新しいことを見つけたい〟って突き動かされるような衝動さえも届けたいと思ってるんです」。
ママの遊び心あるオシャレは、
子どもの想像力を育てる
実際にナタリーさんがそうしてきたように、ママの遊び心あるファッションは、子どもの想像力を育むようです。
「娘が幼かった頃にはよく、あえてアイスクリームやフルーツ、動物などいろんなチャームやモチーフのついたネックレスをつけては娘を物語の世界に誘っていました。裾に刺繍のあるスカートをはいていた時も、『飛行機で隣に座っていたテディベアが描いた』と言っても信じちゃう。そんなピュアな反応に、こちらもまた刺激されるのです」。
ママたちにとってジュエリーは、たった1つで即華やかになれる、頼もしいアイテム。女性であることをいつまでも忘れないためにも、ジュエリーは欠かせないものだと語ります。
「子どもにとってママは、世界でいちばん美しい女性。でも、当のママたちは忙しさのあまり、子どもたちに向けた扉を閉ざしてしまいがち。そのドアを開けるのが、ジュエリーの役割じゃないかと思っているんです」。
鮮やかな色使いと
多彩な輝きを楽しめる
2019年春夏コレクション
太陽の光をテーマに、ワクワクするようなハッピーで明るい色がたくさん使われている今季のコレクション。幸運のお守りとされるシンボルをモチーフにしたLUCKY GODDESSシリーズに込めた思いを、「身につけているだけでその人に良いエネルギーを運ぶような、そんなラッキーな存在になれたらいいですね」と語るナタリーさん。地中海の島々を巡る旅をテーマにした、カラフルでインパクトのあるデザインにもご注目を。
母娘の豊かな
コミュニケーションを生む
「母の日コレクション」
スワロフスキーのデザインでよくモチーフに取り入れられる花は、「デリケートでタイムレスな存在。〝娘から母に対する愛もずっと変わらない〟という意味をこめました」。無垢で明るいひまわりをベースに、バゲットカットを施したエレメントが優しい光を演出します。
最後に、かの美術の先生についてもうひとつ忘れられないエピソードがあるとナタリーさん。「絵を描き終わった私のところへ先生がやって来て、『逆さまから見てごらん。まだ何も描かれていないところがたくさんあるよ』って言うんです。逆から見ると、確かに何も描いてない白い部分がたくさん。些細なやりとりだけど、物事はいろんな方向から見てみることが大事なんだよと教えてもらったの。まさに人生のレッスン。まるで昨日のことのように覚えています」。
◉ナタリー・コランさん
数々のブランドや企業でファッションやデザインコンサルタントとしてキャリアを積んだのち、2006年からスワロフスキー社にてコンシューマー・グッズ事業部のクリエイティブ・ディレクターに就任。長いキャリアで培った確かなファッションセンスとマーケットを読み解く鋭い審美眼で、総勢50名を超えるクリエイティブチームを牽引。過密なスケジュールをこなし多忙を極める日々の一方、プライベートでは1人の女の子を持つママであり、良き妻でもある。「仕事と家庭を賢く両立させるなら、プランAがダメならプランBという具合に、いくつものプランでオーガナイズしておくことが大事よ。あと、友だちや頼れる仲間を“ファミリー”にすることも忘れないで(笑)」。
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