グルテンフリーは痩せる? じつは今すぐやめるべきNG習慣
みなさんはいつも頑張っているのだから、ちょっとくらい楽したっていいんです。「頑張る」ことをやめてもいいのです。
そう語りかけるのは、医師の立場から美容と健康を医療として追求・発信している友利 新(ともり あらた)先生。著書『やめる美容』では、生活のなかでさまざまな美容法を加えていくよりも、やめることに着目して紹介しています。今回はそのなかから、ちょっと意外なやめるべきNG習慣をピックアップ!
今すぐやめるべき、2つのNGな食習慣
今まで「頑張って」やっていたダイエットや食事法が、もしかしたら意味がないどころか危険をはらんでいる可能性が! 今すぐやめるべき、2つのNG習慣をご紹介します。
やめるべきNG習慣1:グルテンフリー
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一見、体によさそうなグルテンフリー。モデルや芸能人の間で流行ったこともありましたが、じつは今すぐやめるべき習慣なのだそうです。
健康体にはグルテンフリーは意味がない
グルテンフリーとは、小麦などに含まれているグルテンを摂らない食生活のこと。小麦のほかにも、大麦やライ麦にもグルテンは含まれており、粘り気や弾力があるためパンやパスタのもっちりとした食感をつくる元となっている成分です。
グルテンフリーにしてみたら「体や腸の調子がよくなった」「痩せられた」など、さまざまな意見があるようですが、はっきり言ってグルテンフリーはおすすめしません。
グルテンフリーが広まったのはなぜ?
セリアック病と呼ばれるグルテンに対するアレルギーを持っている方にとって、グルテンフリーの食生活はたしかに必要です。しかし、至って健康体の方々にとっては関係のないことです。
「グルテンフリーを取り入れたら腸内環境が改善された」などの声もありますが、健康体の人が実践したとしても、そういった効果は得られません。
「グルテンフリー=よい健康法」のような認識が広まったのは、海外セレブやスポーツ選手などが火つけ役のようですが、事実を見てみると、ただ単純にセリアック病や小麦アレルギーを患っていたというだけの話。あなたがそういった病気を患っていないのであれば、グルテンフリー生活をする必要はまったくないのです。
「グルテンフリーで痩せた!」の本当の真相
では、セリアック病ではない健康な人がグルテンフリーを実践してみたら、なぜ「痩せた」のか? じつは、これにはカラクリがあります。
たとえば、ある健康な方がグルテンフリーの生活をするとしましょう。小麦をやめて白いご飯を中心とした食生活に切り替えたと仮定します。正直、この場合は痩せる可能性があると思います。なぜなら、うどんやパスタなどの「炭水化物の単食食い」をやめるから。これは、ただ食べすぎていた糖質を減らしただけにほかなりません。
加えて、グルテンフリーで推奨されている肉や魚、野菜やくだものなどを中心とした生活にしたとしたら、なおさら食生活がよくなって痩せ、むしろ健康的になっていくでしょう。病気ではない健康な人がグルテンフリーで痩せたという事例は、グルテンフリーのおかげではなく、単に食生活が改善されただけです。
グルテンフリーを謳う食品の罠に要注意!
グルテンフリーを謳ったパンやお菓子、スイーツなどは多く販売されていますね。こういった食品をよかれと思って購入していませんか? 特に病気を持っていないのであれば今すぐやめることをおすすめします。
グルテンフリーを謳うスイーツはグルテンをなくす代わりに糖分や油を入れていることが多々あります。グルテンの効能であるモチモチ感を補うために油を混ぜたり、別の添加物を加えたりなどの工夫が施されているため、結果的に糖質や脂質が高かったりするのです。
こういったことから考えても、病気を患っていない人たちが進んでグルテンフリーをすることはまったく意味がなく、むしろマイナスだといえるでしょう。
やめるべきNG習慣2:ストイックな食事
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二つ目のやめるべきNG習慣は「ブロッコリーダイエット」や「りんごダイエット」など、一つのものだけを食べ続ける単品ダイエットをはじめ、ストイックな食事。続けているうちに体にはさまざまなダメージが……。
単品ダイエットのメリットは?
はっきり申し上げますと、単品ダイエットのメリットはありません。痩せはしますが、栄養失調になりながら痩せていくようなものです。
体にいいもの“だけ”を食べ続けると毒?
単品ダイエットに限らず、玄米食や筋トレ中の鶏肉第一主義など、体にいいからといってそれだけを食べ続けるのはやりすぎ。タンパク質を多く摂りすぎると、腎臓への負担が大きくなったり、ひどいときには血尿が出たり……。体の中に糖質がなくなると、脳の活性化も落ち込みます。短期集中で一時的にやる分にはいいかもしれませんが、ずっと続ける食事法ではありません。
よかれと思ってやっていることでも、ストイックすぎると、体にとって毒となってしまうわけです。
完全な食材はない!
極論をいうと、すべての栄養素が含まれている食べ物はほぼありません。
ビタミンを摂りたかったらキウイを食べるけれど、じゃあそこにタンパク質が入っているかといったら話は違う。タンパク質が豊富な牛肉の赤み肉には食物繊維が入っていないーー。このように栄養的に完全な食べ物がないからこそ、まんべんなく、バランスよく食べることが大切になってきます。
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やめる美容 著者・友利 新 定価(本体1,300円+税)/光文社
友利 新……医師(内科・皮膚科)。 沖縄県宮古島市出身。 東京女子医科大学卒業。同大学病院の内科勤務を経て皮膚科へ転科。 現在、都内のクリニックに勤務する傍ら医師という立場から、美容と健康を医療として追求し、美しく生きるための啓蒙活動を雑誌・TV などで幅広く展開。書籍の執筆や講演会なども多数行っている。 2004年第36回準ミス日本。 2016年第9回ベストマザー賞【経済部門】受賞。 子育て応援・ママ応援大使。3児の母。
Instagram @aratatomori
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ブログ 友利新のビューティー診察室
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