ダイエットの落とし穴。カロリー計算も糖質オフもやめるべき?

まずは、「頑張る」ことをやめましょう。一生続くのが生活習慣です。無理のあるダイエットなどを続けていたら必ず体にガタがきます。

そう警鐘を鳴らすのは、医師の立場から美容と健康を医療として追求・発信している友利 新(ともり あらた)先生。生活のなかでさまざまな美容法を加えていくよりも、やめることに着目した彼女の書籍『やめる美容』から、やめるべき2つのダイエット法に注目。やめるべき理由をご紹介します。

じつはやめるべき2大習慣! カロリー計算&糖質オフ

カロリー計算と糖質オフ。ダイエットをしたことがある方なら一度はチャレンジしたことがあるかもしれません。でもこの2つのダイエット法、頑張りすぎると逆効果。それどころか、危険を伴うこともあるのです!

カロリー計算をやめるべき理由


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まずは、ダイエッターが気にしがちな摂取カロリー。でも、その数字だけにとらわれていると落とし穴にハマることに。

カロリー計算よりもどれだけ栄養を摂れたかが重要

たしかに1000キロカロリーを摂る人と200キロカロリーを摂る人だったら、200キロカロリーを摂る人のほうが体重は減ります。でも、200キロカロリーの内訳がお豆腐だけだったら、「栄養が十分に摂れている」とはいえません。

じつは、カロリーをものさしにするのではなく、どれだけ栄養素が多いものを摂ったかを重要視するほうが大切。みなさんには、食べ物そのもののカロリーではなく、何を食べたかを意識し、「栄養的に偏りはないか」「栄養のバランスはきちんと取れているのか」を重要視していただきたいのです。

美と健康につながる栄養素は?

一日を過ごすなかで気にすべき栄養素は、まずタンパク質。そして食物繊維と野菜。食物繊維と野菜は意識しないとなかなか摂れないものです。逆に、脂質や糖質は意識しなくても摂れるものだと認識しましょう。たとえば、お昼ご飯を食べようとコンビニに行ったときは、タンパク質と野菜を摂ることだけは頭に入れておいたほうがいいです。カロリーではなく、栄養素を意識するほうが美と健康への近道。明日から第一歩を踏み出してみましょう。

エンプティカロリーという罠

みなさんは、エンプティカロリーという言葉をご存じでしょうか? エンプティカロリーとは、カロリーそのものは高いけれど、栄養素がほとんど含まれていないものを指す言葉。つまり、脂質や糖質が大半を占め、体に必要な栄養素が少ない食べ物のことです。エンプティカロリーのものを食べすぎると、それこそ肥満や便秘などの原因になりかねません。

たとえば、ポテトチップスはエンプティカロリーの代表格。ほとんどが脂質と糖質です。対して、赤身のお肉にも脂質はもちろんありますが、鉄分も多いし、タンパク質も摂取できますね。カロリーを気にされるのであれば、ポテトチップスのようなエンプティカロリーを摂らないように意識することが大切です。

糖質オフをやめるべき理由


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もう一つ、やめるべきダイエット法として友利先生が挙げるのが、糖質制限の食事法や糖質をオフするダイエット。一時はブームにもなりましたが……。

適量を摂らないと、危険を伴う?

炭水化物など糖質を多く含む食べ物をできるだけ減らして低糖質・高タンパクのものに置き換える食事法――これには大きな危険が伴います。

糖質は、食べ物を通して体に入った後、ブドウ糖になり、血管内に吸収されます。このとき、ブドウ糖が血液中に増えたことで血糖値が上昇。すると、膵臓からインスリンというホルモンが分泌されます。このインスリンによって細胞内に取り込まれたブドウ糖が体を動かすエネルギー源となり、余ったブドウ糖は脂肪として体に蓄えられます。

糖質オフダイエットは「脂肪を蓄えるインスリンの分泌を減らすために糖質を制限する」というものですが、糖質は体のエネルギー源にもなるため、まったく摂らないことはおすすめできないのです。

糖質とのかしこいつきあい方


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糖質が体に必要なことはわかったけれど、それでも太ってしまうかもしれない……と、不安に思ってしまう方もいるかもしれません。最後に、おすすめの食べ方を紹介しておきます。

糖質は食物繊維とセットで食べるのが◎

かしこい糖質の摂取方法は食物繊維と一緒に食べること。糖質の吸収がおだやかになり、血糖値の急激な上昇が抑えられます。

たとえば、甘いものが欲しくなったら干しいもや煮豆を選んでみる。また、甘いみりんで味つけした主菜には野菜炒めを組み合わせて食物繊維を摂るように心がける……。

糖質の代表格でもある白米へにんじんやこんにゃくなど食物繊維を含む食材を一緒に入れ、かやくご飯のようにするのもおすすめ。ほかにも豆と炊き込んだり、たけのこと一緒に炊き込んだり……。炊き込みご飯であれば、バリエーションはいくらでも増やせますね。

こういった工夫を日常の食卓に取り入れれば、糖質と一緒に食物繊維を摂取することができますよ。

“たっぷり野菜の朝味噌汁”も◎

もうひとつおすすめしたい食物繊維と糖質の食事法は、野菜たっぷりのお味噌汁を朝にいただくこと。

ポイントは、このお味噌汁を「朝に飲む」ということ。

ある研究で、前の食事(朝食)で食物繊維を摂ると、次の食事(昼食)で血糖値が上がりにくくなる「セカンドミール効果」という成果が報告されています。

つまり、朝に食物繊維を摂取しておけば、お昼の血糖値の上昇を防げるということ。お昼はどうしても炭水化物を食べがちなので、朝こそしっかり食物繊維を食べておく。朝、この一杯を飲むだけで、セカンドミール効果をフル活用できるのです。

今日から始めたい、やめる美容❤

『やめる美容』より、じつはやめるべき2つのダイエット法をピックアップしました。書籍ではこれらを含めたやめるべき習慣を20項目ご紹介。なぜやめるべきなのか? その理由もわかりやすく説明されていて、すぐにでも実践できる美容情報が満載です!

やめる美容 著者・友利 新 定価(本体1,300円+税)/光文社

 

友利 新……医師(内科・皮膚科)。 沖縄県宮古島市出身。 東京女子医科大学卒業。同大学病院の内科勤務を経て皮膚科へ転科。 現在、都内のクリニックに勤務する傍ら医師という立場から、美容と健康を医療として追求し、美しく生きるための啓蒙活動を雑誌・TV などで幅広く展開。書籍の執筆や講演会なども多数行っている。 2004年第36回準ミス日本。 2016年第9回ベストマザー賞【経済部門】受賞。 子育て応援・ママ応援大使。3児の母。

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