犬山紙子緊急連載「コロナ禍中日記」vol.11〜自粛コーデはピンクのドレス!
【犬山紙子 緊急連載 】
コロナ禍中日記 3歳児とともに Vol.11
5月24日 自粛コーデはピンクのドレス!
保育園から6月に再開されると連絡がきた。
4月と5月の2ヵ月間、子どもとずっとずっと一緒にいる日々だったので「これで楽になる!」という気持ちと「さみしい」という気持ちも生まれてきた。
これは娘を初めて保育園に通わせる前の「頭では保育園に入れることは悪いことではないとわかっているのに、心が追いつかない」あの時とすごく似ている。子どもと離れる前って本当に寂しいものだ。
大変は大変なんですよ。昨日も寝る直前まで「パパがピーチ姫の格好で手を組んでいる絵を描いて」とせがまれ「これで最後だよ」といいつつ描いていると、「ここが違う!」と細かいディティールにツッコミを入れつつ泣かれました。トイレトレーニングだって今中断中だし、うんち尻で逃げ回られることもある。布団に隠れるかくれんぼが永遠に続くこともある……。
でもポテト片手に子どもと夫と昼からマリオパーティをやったりするあの幸福感(私も夫も仕事が減ったから!)。平日の昼に、仕事もせず子どもとゲームして、子どもの笑い声を存分に浴びる。自分が若い頃はちっとも気がつかなかったけど、子どもの「きゃはははは!」という笑い声が美容液のように、心にあんな染み込むと思わなかった。若い頃は多分笑い声成分を吸収するスペースがそもそもなかったんだろう。
しかし娘は「保育園行きたい」と言ったりもするし、私がリモートでTV出演中に娘を一人で見ている夫も「保育園! 助かる」と言っているし、私自身、保育園に送った瞬間「保育園ありがとう!」とモードがガラリと切り替わることも経験で知っている。保育園で出される栄養たっぷりのご飯もありがたいし、大好きな先生やお友達との交流もありがたい。
今感じている寂しさを、罪悪感に化けさせず、いとおしみながら6月まではすごそう。
が、娘、この自粛期間中基本ドレスかピンクのワンピ姿であった。プリンセスとピンク色にハマりにハマった娘、起きて第一声が「今日はピンクのドレスきる!」だったりする。
(女の子=ピンクというジェンダーバイアスをなるべくかけないようにと思っていても、本人が好きなら止める理由はなし。この、多くの女児はなぜピンクを好むのか? は堀越英美さんの『女の子は本当にピンクが好きなのか』という本で紐解かれています、まだ読んでいない方は是非!)
自由に着たいものを選ばせていたわけだけど、保育園にプリンセスドレスを着ていくと言い出すかどうか……。個人的には好きな格好をいつだってさせてあげたいけど、園児がドレス姿だと先生が大変すぎるし、迷惑である。
さてどうなるか……折衷案としての保育園でも着られるピンクのワンピを買うことになる気がします。
———ご主人と3歳の娘さんとの「おこもり」な日常、子育てや仕事の悩み、みんなにシェアしたいこと……を犬山さんが「ほぼ(隔)日」でアップ!
やがて緊急事態期の思い出のアルバムに……。
◉犬山紙子
エッセイスト。1981年、大阪府生まれ。14年、ベーシストの劔樹人氏と結婚。17年、女児誕生。著書多数。『スッキリ』等、テレビのコメンテーターとしても活躍中。最新刊は『すべての夫婦には問題があり、すべての問題には解決策がある』(扶桑社新書)
写真・イラスト・文/犬山紙子 編集/フォレスト・ガンプJr.
犬山紙子緊急連載「コロナ禍中日記」