元テラハメンバー・又来綾が乗り越えた過去のはなし

現役大学生で、テラハ出演歴があり、今はブランドプロデューサーを務める又来綾ちゃん。ちょっと引いちゃうほどキラキラ? と思いきや、実は過去にいじめられた経験もあるのだとか。そこからどう立ち直って今の綾ちゃんになったのか、じっくり聞いてきました。

― この質問、何百回とされていると思うんですけど、テラハって台本あるんですか?

あはは。よく聞かれます。道で会った人に「一個いいですか?」って。でもね、本当に台本ないし、それ以前にキャラを作ったりできないんですよ。ずーっとカメラが付いてきて密着してるから、みんな素でやってると思う。

― ということは、又来さんの明るくて揉め事を起こしたくないキャラも、素なんですね

そうですね。だから、『テラスハウス軽井沢編』を経て、出演する前は1万人だったインスタのフォロワー数が2カ月の放送期間中で15万人に増えたことは自信になりました。素でいいよ、ってみんなに言ってもらえた気がして、私はありのままでいいんだ!って。

― テラハに出演したことのある人の中でも、又来さんはアンチが少ないですよね!

比較的そうかもしれないです。もちろん、「色黒すぎ」とかちょっと悪口っぽいコメントもたくさん来ますけど、見てくれていることはありがたいなと思って「いつも見てくれてありがとうございます」って返しますね。

小学6年生までずっといじめられていました。

― そのポジティブな性格は昔から?

元々は明るいけれど気の弱い性格でした。私、幼稚園から小学生までずっといじめられていて。すべり台から落とされたり、仲のいい友達を取られそうになったり、男子と話すだけで置き去りにされたり。それが小6まで続いて、環境を変えたくて思い切って中学受験したんです。当時は遊ぶ時間も減ったし、TVも見れなくなって寂しかった…。中学受験するコも、1学年で2、3人。結局、いじめられていた相手のコには卒業式の日に「ずっと綾の家族が羨ましかった」って言われたんですけどね…。それで中高一貫の女子校に進学しました。

― そんな過去が…

でもその女子校が自分には合ってました。女子校って素のままでいられるし、進学校で厳しかったんですけど、いい友達もできて。今はこんなかんじですけど、制服のスカートも切らず、紺ソ(紺ハイソックス)もクシュッとさせずにピシッと伸ばしてはいてましたよ。

― 失礼かもしれないけれど、意外です(笑)

意外と優等生だったんですよ(笑)。ダンス部の部長で学級委員でした。学校の方針で中高6年間通して1日3枚、ペン習字の宿題があったんですけど、それもキッチリやってました。でもモデルにも憧れがあって。芸能活動禁止の学校だったのですが高2のときに母にだけ相談して〝TOKYO GIRLS AUDITION 2014〟に応募してみたんです。「受かるわけないよね」って話していたのですが、一次、二次審査と通過してSNS審査まで進んで…。

さすがにマズいかもって思って学校に相談しました。先生たちは「え? そうだったの?」っていう反応だったけど、友達は気付いていて。「綾ががんばってダイエットしてたから気付いてたよ。ランチでもサラダしか食べてなかったじゃん。でも本人が言わないってことは言っちゃいけないって思って、何も言わなかったんだよね」って。

それで周りがこっそり応援してくれていることを知って、このままみんなに嘘ついているかんじも嫌だし、ちゃんとしようって意識が変わったんです。大学受験はまたチャンスがあるかもしれないけれど、オーディションは運とかタイミングもある。そのチャンスを逃したくないなって思って芸能活動ができる高校に転校しました。

― いいお友達ですね

そうなんですよ。でも私、そのオーディションを期に拒食症になってしまって。とにかく痩せなくちゃって思って努力していたら、食べ物が怖くなってしまって。いつも胃が痛いから病院に行ったら、どこも悪くないから、食べることへの罪悪感で痛くなっているんでしょうって診断されました。

― どうやって治ったんですか?

母のおかげです。「ママが全部作ったごはんなら大丈夫でしょう?」って言って、全部作ってくれて。栄養バランスも考えて、ずっと応援してくれたんです。実家は祖父の代からの焼き肉屋さんで、父も母も働いているからみんないつも忙しいんですけど、いつでも私の味方。いじめられていたときも、「嫌なら無理して学校行かなくていいよ」って言ってくれました。高校生の弟も焼き肉屋さんでバイトしてますし、私も今でもバイトしてますよ!

― 今でも!

中3のときから手伝っているので、今はもうバイトリーダーみたいなかんじ。お店が混みだす時間は私がホールを仕切ってます。「あのテーブルのお客さんはあと30分以内に出そう」「そのテーブル先に片づけて!」とか、お客さんの待ち時間を減らすために、パズルみたいに指示を出したり動くのが得意(笑)。今は父がSNSとかの面で私を頼ってくれることも増えて、とっても嬉しいんです。

 

撮影/杉本大希(zecca) 取材/坂本結香  編集/小林麻衣子 撮影協力/神戸亭 南浦和店

※この掲載の情報はJJ12月号を再構成したものです。