俳優・片岡千之助さん(25)ファッション、ワーク・ライフetc.『バランス力』に注目【CLASSY.10月号インタビュー】
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歌舞伎の名門に生まれながらも、役者として、そしてひとりの25歳として今を楽しむ片岡千之助さん。3つの視点から見えてきたのは、芯を持ちながらも、柔軟に“自分らしさ”を選び取るバランス感覚。その飾らない等身大の言葉に、同世代として共感せずにはいられません。
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【Fashion】自分らしさとモードのバランス

冒険した時期もあったけど今はシャツと黒デニムがあればもう十分
選択肢が多いと、むしろ何を着ていいか分からなくなるから長く着続けられる“好き”だけ。たとえば、育ての父がつくった形見のブラックデニム。気負わずはけるのに、黒だからこそラフすぎず品が残る。パリでの生活が長かった彼らしい感性に、自分もこういう佇まいが好きなんだな、と改めて気づかされます。衿つきが好きでシャツはプライベートでもよく着ますが、着方はラフ。ボタンは一番上まで留めないし、袖も開けっぱなし。フォーマルを崩して、カジュアルに少し緊張感を加える、その“間”が、ちょうどいいんです。
幼い頃から身近な存在だったセットアップで場を読みつつ自分らしく
舞台の初日や千秋楽にはスーツでタイドアップする、そんな父の教えも自分の中に息づいていて、今もシーンに合わせてセットアップを着ることは多いです。それと、和服を着ていると「装いは“自分のため”だけじゃない」と思うようになります。TPOだけでなく、夏なら涼しげに見えるように素材や配色に気を配ったり自由に自分が着たいものを着るのもいいけれど他者へのさりげない配慮を服で表現する。そんな感覚も、日本人らしくて好きなんです。

自分に馴染むかどうか。気に入ればレディースだって着るしジュエリーもそのひとつ
ジュエリーを身につけることにも抵抗はありません。先日も、憧れのサッカー選手がその人らしくブレスレットをつけていて、感動したことも。でも、ジュエリーは“人のマネ”じゃ様にならない。自分に似合うものを選び抜くセンスや、自然に身につける度量が問われるからこそ、面白い。自分の“似合う”を見つけられるかどうか、そこに楽しさがある気がします。
〈モデル衣装〉
1枚目:シャツ¥41,800(チノ/モールド)Tシャツ[3枚パック]¥6,930(ヘインズ×ビューティー&ユース/エイチ ビューティー&ユース)デニムパンツ¥63,800(ダブレット/エンケル) ネックレス「M Code Liberté」〈アコヤ真珠×SV〉¥693,000(ミキモト/ミキモト カスタマーズ・サービスセンター)靴/スタイリスト私物
2枚目:上から、ネックレス「ヴァンドーム リズレ」〈WG×D〉¥1,082,400ネックレス「キャトル グログラン」〈WG〉¥315,700タイネックレス「キャトル ブラック」〈WG×BPVD×D〉¥1,108,800すべて予定価格(すべてブシュロン/ブシュロン クライアントサービス)ジャケット¥151,800パンツ¥64,900(ともにレノマ パリス/アントリム)古着のロンT¥27,500(808)
【WORK&LIFE】緊張感と無防備のバランス

自然と足が向くのは神社やお寺神頼みも大事な息抜き
忙しいときこそ足が向くのは神社やお寺。深い緑に囲まれてリラックスできるし神様にご挨拶に行く感覚で、気軽に。表現や踊りは、もともと宗教的なもの、役者って少しスピリチュアルじゃないとできない気がするんです。神様って本当にいる、と思わせるような空気に出合うこともあって信じるものは救われる、と思っています(笑)ときには馴染みのスナックで熱唱したり、ON・OFF問わず肩書もさまざまな老若男女と相対しますが静かな時間も大事にしているから誰に対しても、自分らしくフラットにいられるのかもしれません。

25歳の節目に祖父が演じたハムレットに挑戦
「歌舞伎だけで終わらず、いろんなフィールドで闘える役者になりたい」という思いから、歌舞伎を一度休む決意をした折にいただいたのが『ハムレット』という機会。人間国宝の祖父・十五代目 片岡仁左衛門が演じた印象が強くこれまでにも祖父の若い頃の役を受け継いだことはありましたがいわゆる“当たり役”と呼ばれる大役を引き継ぐのは初めてでした。いよいよ稽古も始まって、その重みを感じています。25歳の自分なりの解釈を積み重ねて、「千之助だからこそできるハムレット」に仕上げたいと思っています。

追い込まれて余裕がない自分も楽しみたい
正直、今の自分はワーク・ライフのバランスでいえば、思いきり「ワーク」に傾いています。このタイミングではそうあるべきだし、そうでなくちゃいけないと思っているんです。でも、バランスを崩した、その瞬間にしか見えない景色がきっとある。だからこそ、余裕がない不器用な自分も楽しもうとしています。友人たちの多くは社会に出て、一般企業で働いていますがどんな仕事であっても、誰にでもそういう“集中すべきタイミング”ってあるんじゃないかな。バランスが悪くて余裕がないのが当たり前、と思えば少し楽になります。
〈モデル衣装〉カーディガン¥56,100(アナザー アスペクト/コンクリート)タンクトップ¥24,200(レノマ パリス/アントリム)パンツ¥28,600(フォル/ジャーナル スタンダード 渋谷スクランブルスクエア店)ベルト/スタイリスト私物
【Health】ストイックと甘やかすバランス

整えマインドでジム通いを続けて体脂肪率8%に
運動らしい運動もしていなかったけれど「25歳までは成長、25歳からは老化」と聞いて(笑)追い込まずに整える気持ちで週2回、ジム通いを始めて半年で体重は変わらず筋肉量が3キロ増えました。人間、動かないと気力も落ちていくから「今日は、もう無理」っていう日はコンビニに行くだけでもいい、と甘やかしつつ一歩でも動くこと、を大事にしています。
1日2食と腹八分目は継続中でもスイーツLOVE
お腹いっぱいになると調子が悪くなるから、腹八分目。付き合いも多い夕食は制限せず好きなものを食べて、朝・昼を兼ねた2食がベストバランス。でも、『麻布ラーメン』にもしょっちゅう行くしクレープが好きなので、表参道の『ブレッツカフェ クレープリー』も行きつけ。コンビニも季節限定スイーツはまめにチェック(笑)。追い込みすぎず甘やかしすぎず、が自分には合っています。
こう思われたらどうしようと思うのをやめて、自分を大事にしたい
幼い頃から人前に立ち、見られる環境で育ってきたこともあって、自分を俯瞰し、客観視するクセはなかなか抜けません。でも、そればかりでは自分がどんどん萎縮して、つまらない人間になってしまう気がしていて。だから最近は「主観的でいよう」と意識しています。たとえば、自分の見た目のことや、やりたいこと、とか。他人の声は一度横に置いて、自分がどう思うかを信じる。それができることが、本当の健やかさをつくると思っています。
〈モデル衣装〉パーカ¥25,960(ナナミカ/ナナミカ 代官山)腰に巻いたラガーシャツ¥33,000(アナザー アスペクト/コンクリート)Tシャツ[3枚パック]¥6,930(ヘインズ×ビューティー&ユース/エイチ ビューティー&ユース)ショーツ¥22,000[参考価格](スポーティー&リッチ/ザ・ウォール ショールーム)ウォーターボトル¥7,920(ヤーアイワークアウト/ジェットン ショールーム)スニーカー¥16,500(アディダス オリジナルス/アディダス コールセンター)ソックス¥3,080(プログレス ランニング クラブ/グラストンベリーショールーム)バッグ/スタイリスト私物
PROFILE
◼︎片岡千之助さん
2000年、東京都生まれ。父は片岡孝太郎、祖父は人間国宝・十五代目片岡仁左衛門という歌舞伎の名門に育ち、幼い頃より舞台に立つ。近年はストレートプレイなど、枠を超えた表現にも挑戦。今秋、自身初のシェイクスピア作品、祖父がかつて演じた『ハムレット』に主演。東京公演:9月3〜9日 新国立劇場 小劇場、京都公演:9月13〜15日 先斗町歌舞練場にて上演。
撮影/北岡稔章(えるマネージメント) モデル/片岡千之助 ヘア/AMANO メイク/UDA スタイリング/庄 将司 取材/増田奈津子 編集/新保めぐみ 再構成/Bravoworks,Inc.
※文中の素材表記は、SV=シルバー、WG=ホワイトゴールド、D=ダイヤモンドを表します。
※CLASSY.2025年10月号「片岡千之助さんのバランス力」より。
※掲載中の情報は誌面掲載時のものです。商品は販売終了している場合があります。