【中川翔子さん】振り切ったら…ミラクルが起きた!双子妊娠と新しい挑戦

「しょこたん」の愛称で親しまれ、歌手・タレント・声優・イラストレーターなど幅広く活躍する中川翔子さん。
“オタク”がまだ揶揄されることの多かった時代から、自分の「好き」を正直に発信し続けてきたパイオニアです。
10代はいじめや引きこもりなど、生きづらさを抱えながらも、夢中になれるものとともに人生を乗り越えてきた翔子さん。
レベル40になった今、新たな奇跡が訪れています。第3回では、双子を授かった現在の心境と、これからの人生について語っていただきました。
(第3回/全3回)
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中川翔子さんプロフィール
1985年生まれ。東京都出身。歌手・タレント・声優・女優・イラストレーターとして多方面で活躍中。2019年には著書『「死ぬんじゃねーぞ!!」いじめられている君はゼッタイ悪くない』を出版し、同書からの文章「心のアンテナ」が中学校道徳教科書(令和7年度版)に掲載されるなど、メッセージ性のある発信も注目を集める。猫好きとしても知られ、10年以上にわたり動物愛護団体やボランティアと連携し、猫の保護活動や里親探しを継続中。現在妊娠7ヶ月。
レベル40の決断。振り切ってみたら、何が起こるか楽しみになった
30代の終わり頃、自分がまだ大人になりきれていない気がしていました。
「私、このままでいいのかな」「そろそろ変わらなきゃいけないのかな」って。
これまで所属していた事務所は、本当に温かくて、守ってくれて、背中を押してくれる存在でした。
だけど、ちょっと“ラプンツェルスイッチ”が入ったというか、「塔の外の世界も、自分の足で見てみたい」って思ったんです。
だから、レベル40を前に独立を決意して、個人事務所「miracle」を立ち上げました。
この名前、実は昔、母がやっていたお店の名前でもあるんです。
ずっと好きな言葉。「人生って、ミラクルが起きることがあるから、生きていける」その思いを込めました。
そして、ほんとうに“奇跡”が起きたんです。
2023年に結婚したのですが、今年に入って妊娠が分かったんです。しかも、双子!
本当に嬉しかったし、こんなことって本当にあるんだなって思いました。

しんどかったけど、今がいちばん穏やかです
妊娠がわかったとき、正直、不安も大きかったです。
高齢だし、双子だし、仕事もたくさん入っていたし…。でも、毎年必ずやってきたバースデーライブも奇跡的に開催できて、15年以上応援してくれているファンの方たちに、ちゃんと妊娠の報告もできました。それが、本当に嬉しかったです。
妊娠初期は特につわりがきつくて。しかも、双子には“安定期”がないんです。吐いたりはしなかったけど、目が回る、立ち上がれない、湯船に入る余裕もない。体がもう“自分のものじゃない”って感覚でした。
妊婦で仕事に出るたび、ルーティンの現場でも顔が真っ青になって、「世の中のお母さん、みんなこれ乗り越えてるってすごすぎる…!」って思いました。
肌にはブツブツができて、薬もダメ、美容医療も無理。
だから今は、メンタルを穏やかに保つためになるべくデジタルデトックスをしてます。
読書したり、漫画を読んだり、絵を描いたり。
以前は仕事から帰って、家でご飯を作る気にもなれず、携帯でUbereatsを頼んでたりしたんですが(笑)、今は携帯見ないで自炊もしてて。
そしたら、むくみも減って、本当に良いことだらけです。


自然体でいることが“これから”を照らしてくれる
出産までに、やりたいことは、まず絵をたくさん描きためておくことです。いつも大切な仕事の前には、絵を描いて心を落ち着かせてきました。だから今も、気持ちを整える、私にとっての大事な拠りどころになっています。
たまに外食をしたり、都内をドライブしたり、ホテルでゆっくり過ごしたり、そんな小さな贅沢の中に、「日常の中の幸せ」を感じるようにもなりました。
毎日、少しずつ大きくなっていくお腹を感じながら、自分の“これから”について静かに考える時間を持てていることが、いまは何よりのご褒美です。
今後やってみたいことも、たくさんあります。
シャンソンを歌ったり、絵の個展を開いたり、保護猫カフェを始めたり。また、アニソンを通じて、海外でまた新しい挑戦もしてみたいです。
「自然体で、等身大の自分でいること」。それが、いまの私の目標です。

悩みを抱えるお子さんやお母さんへ
今、学校に行けずに悩んでいる子どもたち、そしてそのお母さんたちに、どうしても伝えたいことがあります。
不登校のきっかけって、いまは本当に多様になっています。でも、それは決して悪いことではありません。親としては心配でつらいことも多いと思いますが、子どもにとっては「さなぎ」の時期。とても繊細で傷つきやすいけれど、その内側には、実は無限の可能性が詰まっているんです。
だからこそ、子どもには「好きなこと」を見つけてほしい。それがひとつでも見つかると、生きる意味や希望につながります。私自身も、アニメや猫、絵にたくさん救われてきました。
そして、その「好き」をそっと支えてくれる大人の存在って、ものすごく大きい。子どもは自分でも気づかないところでくすぶっていて、だからこそ、そばに寄り添ってくれる誰かがいるだけで、信じられないくらい力が湧いてくるんです。
どうか、焦らずに。子どもと一緒に「好き」を探してみてください。どんなに小さなきっかけでも、それが光に変わる日がきっと来ます。



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撮影/沼尾翔平 ヘアメイク/柏瀬みちこ スタイリスト/宮崎真純(likkle more) 取材/沢亜希子