田畑智子さん(44)「結婚してから顔つきが変わったみたいです(笑)」

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年齢が成人を迎えたからといって、本当の意味で大人になれるわけではありません。社会的な責任が生まれる一方、まだ幼さが残る自分に葛藤する人も多いでしょう。10代のころから30年以上、俳優として活躍している田畑智子さん(44)も、20代のころは気分の浮き沈みや体型の変化を繰り返し、「自分をうまくコントロールできなかった」と語ります。でも結婚や2人のお子さんの出産を経て、強く優しく変わったそう。そんな田畑さんが、ご自身の人生観についてお話ししてくれました。

Profile

1980年12月26日生まれ。京都府出身。1992年、オーディションで8253人の中から選ばれ、主演映画『お引越し』でデビュー。2000年にはNHK連続テレビ小説『私の青空』で主人公に抜擢。その後も大河ドラマ『利家とまつ』『新選組!』『しあわせは食べて寝て待て』、映画『血と骨』『ふがいない僕は空を見た』『空白』など、数々の作品に出演。また、03年のディズニー映画『リロ・アンド・スティッチ』では、主人公リロの姉・ナニ役で声優に初挑戦した等身大かつリアリティのある演技が多くの人々の共感を呼んでいる。現在、舞台『華岡青洲の妻』に出演中。

朝ドラが終わった解放感で、不摂生をして一気に太った

――CLASSY.世代は、仕事にプライベートに悩みや葛藤も多いのですが、田畑さんが20代のころはいかがでしたか?

私も20代のころは感情の波が激しくて、自分をコントロールするのに精一杯でした。そのころの作品を見てもらうとわかるんですけど、太ったり痩せたり、体型が安定してないんですよ。しかも、役柄に合わせているわけでもないので、プロとしてはダメですね。でも当時は、自分という人間ができ上がっていなかったので、仕方がなかったのかなとも思います。

――わかります…! 20代のころは、仕事のストレスやホルモンバランスの乱れなどが重なって、浮き沈みが激しくなる人も多いと思います。

25歳のとき、いったん仕事をセーブしたんです。それまで、すごく忙しかったので、とにかく自分の好きなことをする!と決めて、ご飯もお酒も我慢しない不摂生な生活をしたら一気に太りました(笑)。でも、それがそのときの自分らしさだったんだと思います。お仕事をいただく以上、大人にならないといけないのはわかっていても、まだ成長過程だから、幼い自分もずっと残っていて。20代のころは、あまり気持ちの余裕が持てなかったですね。

結婚と出産を経験して、自分を客観的に見られるように

――そこから30代になって、何か変化はありましたか?

自分をしっかりコントロールできるようになりました。いろいろな経験を積んだこともありますが、とくに結婚と出産が大きかったです。それまでは、どこか弱さや甘えがあったんですけど、家庭を持って自分以外に守るべき存在ができたことで、「このままじゃダメだ!」と思えて。そこからは強くなって、全然泣かなくなりました(笑)

とくに子どもの存在は大きいです。常に子どもが優先で、自分のことは二の次なので。だからこそ、自分を客観的に見られるようになった気がします。

――とはいえ、やることが増えるぶん、大変ではないですか?

たしかに、1日24時間じゃ足りないくらい、やることはたくさんあります(笑)。でも、不思議と充実感があるんですよ自分の時間が限られているからこそ、セリフ覚えや役作りにも集中して取り組めています。息抜きをしたいときは、友達と飲みにも行ってますよ。生活にいいサイクルができているので、こういう感じでいいんだろうなと思っています。

夫の空気感が、自分にもいい影響を与えてくれた

――ということは、これまでの人生を振り返ってみると、田畑さんは今が1番安定しているということでしょうか?

そうです! 夫にも顔つきが優しくなったと言われます。若い頃は、目がつり上がってたらしいです(笑)。

――ご主人から見ても、結婚と出産を経験した田畑さんには、大きな変化があったんですね。

夫と初めて会ったのは29歳のときなので、もう15年も一緒にいるんですよ。夫の持っている穏やかな空気感が、私にもいい影響を与えてくれているような気がします。本当は、あまり褒めたくないんですけどね(笑)。彼から学ぶことも多かったので、それが私の顔つきを変えてくれたのかもしれません。

――ご主人との出会いは、田畑さんの人生にとって大きな出来事だったんですね。

もちろん、イラッとすることもありますけどね(笑)。結婚するまでも、付き合ったり別れたり、紆余曲折ありましたし。やっぱり恋愛って難しいですよね。15年一緒にいて、ようやく落ち着いたのか、今はお互いに目線や雰囲気だけで相手の気持ちがわかります。帰ってきたときのちょっとした仕草で「今日、何かあった?」って気付けるくらいです。

自分のことは限られた時間で集中する

――子育てと仕事の両立についてもお聞きしたいです。何か意識していることはありますか?

両立というよりは、子どものことを最優先に考えているかもしれません。我が家は、生活リズムも子どもに合わせるようにしています。1番大切なのは、子どもたちが寂しい思いをしないこと。自分のことは、限られた時間の中で最大限活用すればいいだけですからね。

――なるほど…! ちなみに、子育てが始まってから、お芝居をするうえで変化はありましたか?

自分では意識してないんですけど、「母の強さが出てる」と言われることはありますね。出産する前に出演した舞台が、1人目を産んだあとすぐ再演になって。同じ役で舞台に立ったんですけど、いろいろな人に「初演のときと、ぜんぜん強さが違う」と言われました。だから、自分で気づかないうちに、母の強さみたいなものが、にじみ出ているのかもしれないです。

憧れは大竹しのぶさん。これからも自然体でいられたら

――そして今、40代を迎えられた田畑さんですが、大切にしている価値観や考え方はありますか?

私、よく迷うんですよ。もう、迷いっぱなしの人生で(笑)。でも、いろいろと考えあぐねている時間が楽しいんですよね。お芝居も、あまり「これはこう」と決めつけないようにしています。やっぱり、デビュー作の『お引越し』で、相米(慎二)監督に言われたことが、ずっと頭に残っていて。なるべく自然体で、「そのとき感じたものを、そのまま出す」ということを心がけています。

――お話を聞いていると、田畑さんはプライベートでも、自然体なんだろうなと想像できます。

そうなんですよ。私自身、私がどういう人間か、よくわかっていないし、役に影響されることも多いんですけど、それも私だし、このままでいいのかなと思っています。

――ちなみに、今後どういう人になっていきたいか、憧れや目標はありますか?

今、稽古場で大竹しのぶさんとご一緒していて、いつも「こんな風になれたらいいな」と思っています。大竹さんは、まさに自然体な方なんですよ。もともと憧れの俳優さんの1人でしたけど、同じ空間で同じ時間を過ごして、いろいろとお話しするうちに、さらに大好きになりました。たくさんの刺激と学びを得て、いつか大竹さんが演じていた役をできたらいいなという気持ちで、お稽古場に通っています。

information

田畑さんが出演するAmazon Originalドラマ『私の夫と結婚して』は、Prime Videoにて世界独占配信中。全10話。第9話と第10話が7月25日(金)24:00から配信予定。夫と親友に裏切られて命を落とした美紗(小芝風花)は、なんと10年前にタイムスリップ。人生を生き直すことを決意し、力強く成長していく。

ドレス/furuta
問い合わせ先 https://maisonfuruta.com/

撮影/HAL KUZUYA スタイリング/伊島れいか ヘアメーク/陶山恵実 取材/近藤世菜 構成/越知恭子