いまから暑くて大丈夫?【熱中症予防】夏になる前に備えておきたい3つのこと
総務省 消防庁によると、2024年5月から9月の全国における熱中症による救急搬送人員の累計は97,578人。2023年の同期間に比べ6,111人増で、これは2008年の調査開始以降、最も多い搬送人員だったそうです。(総務省消防庁「令和6年(5月から9月)の熱中症による救急搬送状況」より)
また、気象庁の予報では今年5月~7月の3か月の気温は(平年に比べ)高く、夏になる前から暑くなることが予想されています。
そこで知っておきたいのが、暑さ対策は暑くなってからではなく、その前からしっかりと準備をしておくことが大切だということ!
今週からGWがスタートするということで、熱中症についての知識を身につけておきましょう。
目次
- 「熱中症」ってなに? 体内に熱がたまり体温が上昇すると危険!
- 【1】「暑熱順化」で暑さに慣れておこう!
- 【2】塩分や水分補給できるアイテムで準備
- 【3】外出先でのクールダウン対策
「熱中症」ってなに? 体内に熱がたまり体温が上昇すると危険!
人間は体を動かすことで、体内に熱がつくられます。通常は、汗の蒸発による気化熱や、皮膚から逃がすことで、体温が上がらないように調節されるのです。しかし気温や湿度が高い中で体を動かすと、熱をうまく逃がすことができない場合があります。そのような状態のまま熱が体内にたまり体温が上昇し続けると、熱中症が引き起こされるのです。
熱中症は屋外でなりやすいイメージですが、実は昨年に搬送された人の40%以上は、住居で熱中症にかかりました。たとえ屋内であっても、気温や湿度が高い、日差しが強い、エアコンがない、閉め切った環境などの場合は注意が必要。また同じ環境下でも高齢者や乳幼児は、より熱中症になりやすいです。
熱中症になると、以下のような症状がでやすいと言われています。
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めまいや顔のほてり
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筋肉痛や筋肉のけいれん
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体のだるさや吐き気
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汗のかきかたがおかしい
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体温が高い、皮膚の異常
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呼びかけに反応しない、まっすぐ歩けない
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水分補給ができない
このような兆候が見られたら、熱中症である可能性が高いです。そのときは
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涼しい場所に移動する
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衣服を脱がし体を冷やして体温を下げる
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塩分や水分を補給するなどの応急処置
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症状が改善しなければ、すぐに医療機関で診てもらう
熱中症の症状については、日本気象協会推進「熱中症ゼロへ」プロジェクト公式サイトでも詳しく知ることができます。(熱中症の症状: https://www.netsuzero.jp/learning/le01)
【1】「暑熱順化」で暑さに慣れておこう!
熱中症を予防するため、暑くなる前からできる準備のひとつが「暑熱順化」です。暑熱順化とは体を暑さに慣れさせることです。これがきちんとできていると、体内に熱がたまったときに、汗の蒸発による気化熱などで体の表面から熱を逃がすことができるようになります。気温が上がる前に無理のない範囲で、汗をかく習慣を身につけるとよいでしょう。
「暑熱順化」に有効な対策は下記になります。
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1回30分のウォーキング、または1回15分のジョギング×週5回
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1回30分のサイクリング×週3回
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1回30分の筋トレ、ストレッチ×週5回
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入浴
暑熱順化は個人差もありますが数日から2週間ほどかかります。梅雨の晴れ間に気温の上がる日もあるので、暑くなる前から余裕をもって暑熱順化のための運動や入浴を始め、暑さに備えましょう。
【2】塩分や水分補給できるアイテムで準備
熱中症予防のため、水分や塩分の補給ができる食品・飲料を備えておきましょう。



【3】外出先でのクールダウン対策
外出先で暑いと感じたら、肌温度を下げることも熱中症予防には大切! 水場が近くにあるとは限らないので、体を冷やせるものを持ち歩くと安心です。
(左)1枚で全身拭くことができて、肌温度がマイナス3度下げることができます。ビオレ 冷シート・オープン価格、(真ん中)首にかけてクールダウンできます。個包装で持ち運びしたすい! ビオレ 冷タオル・オープン価格、(右)頭や首など巻きたい部分にピンポイントに使える♡ ビオレ 冷バンド・オープン価格(花王)*パッケージは以前のものです
ただどんなに準備をしっかりとしても、具合が悪くなることもあります。「夏に体調が悪くなったときは、熱中症かもと疑うことが大切です。意識がはっきりしていない、処置をしても症状が改善しない場合は、すぐに救急車を呼んでください」(日本気象協会推進「熱中症ゼロへ」プロジェクト)。
■「熱中症ゼロへ」プロジェクト公式サイト:https://www.netsuzero.jp/
※この記事は2021年6月に公開した記事を再構成したものです。
取材・文/酒井明子 構成/Mart