元バレーボール日本代表 木村沙織さん(38)がトップアスリートへと成長した軌跡

17歳で日本代表に選ばれ、圧倒的な存在感とコート上でみせる笑顔で日本中を魅了してきた元バレーボール選手の木村沙織さん。2017年に現役を退いた後は、念願だったカフェをオープンしたり、さまざまなことに挑戦。現在は昨年生まれたお子さんの子育て真っ最中です。そんな木村さんの幼少期や現役時代、また引退後の挑戦や心境の変化などを語っていただきました。(第1回/全3回)

木村沙織さんプロフィール

元バレーボール選手。1986年生まれ、東京都出身。小学2年生からバレーボールを始める。 17歳で日本代表入りし、日本女子バレーボール史上最年少でアテネ五輪に出場。その後も北京五輪、ロンドン五輪、リオデジャネイロ五輪と4大会連続出場を果たし、日本のエースアタッカーとして活躍。’17年に現役を引退した後は、テレビやイベント出演など、マルチに活躍中。’16年12月に元バレーボール選手の日高裕次郎氏との結婚を発表し、’23年2月に第1子となる男児を出産。

近所のお兄ちゃんたちと外でどろんこになって遊ぶ子供だった

バレーを始める前までは、同じマンションにいるお兄ちゃんたちとよく遊んでいました。家の中で遊ぶということがほとんどなくて、家に帰ってきたら、すぐにランドセルを置いて外に出て、お兄ちゃんたちからローラースケートを貸してもらったり、近くの泥山で、どろんこになりながら鬼ごっこしたりしていました。男兄弟はいないのですが、体力が有り余っていたんだと思います(笑)。女の子の定番の遊び「お人形さんごっこ」には苦い思い出があってほとんど遊んでいないんです。保育園に通っていた時にリカちゃんの美容院セットをもらったんですが、リカちゃんの髪の毛が伸びると思ってバッサリ切ってしまって、髪の毛が伸びなくて号泣。それ以来、お人形遊びは一切しなくなってしまいました(笑)。
元々通っていた保育園もアクティブで、裸足で外で遊ぶようなところだったから、どろんこ遊びは好きだったんです。背も大きかったし、とにかく活発でした。家でゲームもしなかったし、テレビも見ていませんでした。

小2からバレーボールのクラブチームへ

母がママさんバレーをやっていて、小さい頃からいつも母の練習について行っていました。待っている間、ボールの壁打ちをコーチに教えてもらっていて、その頃からだんだんとボールが打てるようになって楽しいなと思っていました。そんな時、母のチームメイトのお母さんに、娘がクラブチームに入ってるから一緒に行ってみない?と誘われ、小2からクラブチームに入りました。
入った当初から、週5回、16時から19時半までの練習で、火木だけお休み。土日も都内のチームと練習試合もあって、小2からガッツリとバレー生活でした。
クラブチームは家から車で15分くらいで、いつも母が送迎してくれていました。母は仕事もしていたので、大変だったと思います。今自分も母になって、改めて母の偉大さを実感しています。

断るのが苦手で、バレーボールを休んだ2週間

バレーボールを始めてからは、お休みの日もエレクトーンや書道を習っていたので、なかなか学校のお友達と遊ぶ時間がありませんでした。小4の時、学校帰りにいつもお友達から遊ぼうと誘われていて、断るのが辛くて2週間バレーボールを休んだことがあったんです。バレーボールが嫌になったわけではなかったけど、遊ぼうと誘ってくれたのも嬉しかったし、せっかくのお友達の誘いを断るのもできなくて…。そのままバレーボールに行かずにやめてもおかしくなかったのですが、今度はクラブチームのお友達から電話があり「なんで練習に来ないの?明日は一緒にバレーボールやろうよ」と言われ、そのお友達の誘いも断ることができなくて、結局バレーボールに戻ったんです。あの時誘ってくれた子がいたから、バレーボールを辞めないで続けることができたなぁと。

中学からはバレーの強豪校へ進学

所属していたクラブチームに、中学のバレー部の監督が見にきてくれて、スカウトを受けて都内にある私立のバレー強豪校へと進学しました。日本一を目指せる環境で、高校までの6年間を過ごしました。
監督はすごく厳しいということもなく、生徒同士で高め合うスタイルで、割と自分のやりたいようにやらせてもらえたのも、性格にあっていたなと思います。
高校2年の時には春高を制して全日本に選出され、翌年にはアテネオリンピックにも出場することができ、母からはいつも、「あなたは本当にラッキーだね」と言われてきました。
身長も、中高6年間で約20センチ伸び、高校卒業後は実業団の東レ・アローズへと入団して、更にバレーボールへの道に突き進んで行きました。

中学3年生。前列3番が木村さん

中学3年で全国大会優勝

全国中学選抜優勝 将来有望選手賞受賞

衣装協力:RANDOM STRIPE HALF KNIT ¥29,700、LAYER PARTS SH ¥37,400、ASYMME LAYERED ¥30,800、2WAY FULL MOON PIERCE ¥19,800/全てUN3D.(靴は木村さん私物)

お問い合わせ
UN3D. 青山店03-3409-5503

撮影/沼尾翔平 ヘアメイク/夏美 取材/沢亜希子

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