スマホデビューは低年齢化している様子。子どもにスマホを持たせる事情は人それぞれですが、お子さんは安全に使えていますか？　安全対策と抜け道はいたちごっこ。親に知識がなければ子ども興味は簡単に越えていきます。まずは今どきの事情をアップデート！
“うちの子スマホ事件簿”第1回目は、フィルタリングをかけていても出てくる、出てくる「アダルトサイト」の対処法。
フィルタリングソフト「i -フィルター」を開発・販売するデジタルアーツの藤井美凪さんに教えてもらいました。

◉解決策

「スクリーンタイム」だけでは不十分。
携帯会社が用意している
フィルタリングに必ず加入を。

iPhoneに搭載の「スクリーンタイム」がフィルタリングだと思ったら大間違い。すごく粗く制限しているだけなので抜け道だらけなうえに、Twitter自体は本来アダルトコンテンツではないので当然スルー。Twitterの中に対しては制限はできません。フィルタリングも利用してTwitter自体のブロックが必要。

★各携帯会社または、市販のフィルタリングを★
2008年施行の青少年インターネット環境整備法により、18歳未満のネット利用の見守りは保護者の責務に。

※フィルタリングの仕様や設定方法は、各社によって異なります。 契約される携帯電話会社にご確認ください。

◉解決策

あんしんフィルターを入れたら
Safariは削除を。
また、フィルタリングは
YouTube内では効果がありません。

フィルタリングがかかるのは、あんしんフィルター経由で見た場合のみ。その他のブラウザは無法地帯なので必ず削除を。また、YouTube内でアダルト動画だけブロックはできず「YouTubeが見られる＝何でもOK」の状態。子どものスマホではブロックして家庭のPCから保護者の管理下で見るなど、家庭でのルール作りが必要です。

★デフォルトのブラウザは削除！★
SafariやChromeなどは必ず削除して。キャリアによっては、自動的に削除される場合もあります。

子どもの好奇心は
抜け道を突破する！
親が正しい知識で
有害コンテンツから守ってあげて

どんなにダメと言っても好奇心で調べてしまうのが子ども。それを止めることはできないので、見られないように設定するのが親の役目です。フィルタリングはマストですが、AndroidとiPhoneでは仕様が異なり、AndroidはあんしんフィルターのみでWebとアプリ両方がブロックできますが、iPhoneは併せてスクリーンタイムの設定と２段階が必要。また、フィルタリングをかけるとLINEが使えないという声を聞きますがLINEを許可して他のアプリをブロックする設定はできるので大丈夫です。子どもから解除してとねだられる話もよく聞きますが、絶対に解除しないでください。ネット犯罪に遭った子どもの90％以上がフィルタリング未加入という調査結果が（※１）。どうしてもという場合は、解除ではなくカスタマイズを。必要なものだけ許可して使い方も話し合う。システム的な部分と家庭の教育の両方で、子どもを守ってあげて。

※１　警視庁「平成30年上半期における少年非行児童虐待及び子供の性被害状況」

＼教えてくれたのは／

デジタルアーツの
藤井美凪さん

フィルタリングソフト「i -フィルター」を開発・販売するデジタルアーツで、小・中学生を中心に情報リテラシー出張授業を全国各地で開催するなど、未成年の安全なインターネット利用に尽力。

イラスト／本田佳世　取材・文／宇野安紀子　編集／磯野文子

＊VERY2019年8月号「スマホデビューは低年齢化！もはや人ごとではない　うちの子スマホ事件簿」より。
＊掲載中の情報は誌面掲載時のものです。各サービスは変更または終了している場合があります。