上野樹里さん・特別インタビュー「多くの人に日常でも自然を感じて心地いい暮らしを送ってもらいたくてブランドを立ち上げました」
CLASSY.1月号「私にとってのWell-Being」では、キャリアや年齢を重ねる中で変化した価値観や、年下世代と作品づくりに取り組む中での新たな発見などを、ご自身の言葉で語ってくれた上野樹里さん。俳優活動と並行して、アパレルブランド「TuiKauri(トゥイカウリ)」のディレクションも手掛けています。今回は、ブランド誕生のストーリーからプロダクトに込めた想いをお届けします。
上野樹里さんへインタビュー
——TuiKauri立ち上げのきっかけを教えてください。
アパレルラインを展開する前に、オリジナルグッズとしてアロマキャンドルとバスソルトを作る機会があり、そこでTuiKauriが生まれました。ブランド名とロゴは、私が留学していたニュージーランドに由来しています。20代半ばの頃の私は、作品続きでキャパを超えて、本当に疲れ切っていて。お休みをいただいて訪れたニュージーランドの大自然に触れて、心から癒されたし、「日本と似たような島の形でありながら、こんなにも違うんだ」という発見もありました。そんな経験もあり、多くの人に日常でも自然を感じて心地いい暮らしを送ってもらいたくて、アロマキャンドルとバスソルトのプロデュースに至りました。アパレルラインの展開は、「衣装に響かない、天然素材のアンダーウェアを身につけたい」という自分の想いを、デザイナーの安藤大春さんに伝えたことから始まったもの。安藤さんは、夫のデビューシングル「Raspberry」のジャケットデザインを手掛けていたこともあり、元々繋がりがあったんです。安藤さんとのやり取りの中で、ボタニカルダイという天然の染色技術を知り、せっかくならアンダーウェアとルームウェアも作ろう、とスタートしました。
——TuiKauriのアイテムは、発色の美しさも印象的です。
自然の果実や植物から抽出した色素を使ったボタニカルダイの発色のよさを楽しんでもらえると嬉しいです。ルームウェアとなると地味な色を選びがちですが、着る人も一緒に暮らす人も、明るい気分になるようなありそうでなかったカラー展開を意識しました。家はエネルギーを充電するためにも大事な場所だと思うので、着ていてポジディブになれる色も目指しました。
——ものづくりで大切にしているのは、どんなことですか?
「Try to Kind」をコンセプトに、TuiKauriを手に取る人、作り手、環境、地球、すべてに親切なものづくりをしていきたいと思っています。見た目の美しさだけでなく、ものづくりの過程や背景も大事にしたい。天然の素材や染料に乗せて、職人さんたちの技術も受け継いでいくことも意識しています。背景まで理解して選ぶことが心地良いファッションに繋がると思うから、1着の裏側にあるストーリーまで知って、着ていただけたらうれしいです。それと、買う服の10%だけでもTuiKauriのような服にエネルギーを注いでもらえると、関わっている人たちの循環が始まるのでありがたいです。1着手に取ることで始まる循環を少しずつ増やすこと、天然素材&染料でファッションを楽しむこと。TuiKauriを通じて、この2つを叶え続けていきたいです。
——上野さんご自身が毎日を心地よく生きるために心掛けていることはありますか?
今、地元・加古川の観光大使を務めていることもあり、意識的に兵庫県産の食材を選ぶようになりました。地元のエネルギーを感じられるし、自分の中で良いことをしている感じもあって。毎年、地元の方が完全無農薬の自然栽培で作られたお米を、一粒万倍日に収穫して送ってくださるんです。縁起物だからクランクインの日にスタッフに配ったり、お世話になった人にお裾分けしたり。自分の好きなものを周りとシェアするのが、私にとってのウェルビーイングかな、と。TuiKauriも元々は、自分が心地よくいたくてアンダーウェアを作ろうと考えていましたが、結果的に人と人がつながって、形になった。たくさんの人の手に渡っていく場所も作りたいし、この先も誰かの癒しになったらいいな、と願っています。
コレクションの一部をご紹介!
伊勢丹新宿店にて、期間限定POPUP SHOP開催中!
天然素材や縫製にこだわり、本当の心地よさを追求する<Foo Tokyo>と<TuiKauri>の期間限定ショップが同時開催中。気持ち安らぐルームウェアやアンダーウェアは、ホリデーシーズンの自分へのご褒美にもプレゼントにも最適。
伊勢丹新宿店本館5階 ベッドバスパウダールームにて※現在は終了しています
取材/坂本結香