堀田茜が「30歳になってなんだか気になる…」と感じるタイムリーな話題を、今会いたい識者に直接聞きに行く連載10回目。この話、ほったらかしにしなくて良かったと思える日が必ず来るはず！

合っているのか、どう思われるのか…政治に関しては意見を何も言えません

今回のゲストは...村上フレンツェル玲さん

【今月の茜のモヤモヤ案件】
大人になってから政治的なことも自分ごととして考えられるようになったけど、知識のなさゆえ声を上げるのは不安で、嘆くことしかできません。社会問題をきちんと考え、行動にうつしたりしたいけど何から始めたらいいかもわからない。選挙に行く以外で、私たちにできることは何ですか？

「社会問題についての意思表示さえ難しくて及び腰になってしまう」（茜）

茜：村上さん、もっとピリッとした感じの方がくるかと思って緊張していたのですが、とてもやさしい雰囲気の方で今ホッとしています（笑）。

村上：よく言われます。もっと怖いと思ってたとか（笑）。

茜：村上さんは10〜30代の女性の政界進出を支援する活動をされていますよね。どうしてこの活動をはじめたのですか？

村上：もともと政治課題に興味があったこともひとつですが、私は中３〜高校時代を海外で過ごして、大学時代〜就職一社目までは日本で生活しています。日本に戻ってきたときに、海外では実現できていることが日本ではできないのはなぜなんだろうと思うことが色々あって、そこから日本の政治に疑問を持つようになりました。日本の政界に女性が少ないことにも思うところがあって、支援活動をスタートしています。

茜：私はニュースをきちんと見るようになったのは20代になってからで、30代になった今は時事問題が身近なものだと捉えられるようになりました。でも、こういう世の中であってほしいという理想と現実の乖離が辛い。ネット上には同じ気持ちの人がいるのに、なぜこんなにも日本はそうであってくれないんだとギャップに嘆くしかないのも嫌で、どうしたらいいのかなと思って。

村上：そうですね。政界に社会課題の当事者がいないことが課題解決から遠ざかっている原因だと私は思っていて、それも活動をスタートさせたひとつの理由です。若い人も少ないし、女性がいたとしても胆力の強いスーパーウーマンが多いんですよ。女性でも活躍できているというよりは、男社会の中でもやっていける度量がある女性がいるというだけで。だから一生活者の若者や女性への理解があるかというと、どうなのかなと。それなのにそういう人たちの問題を考えたり解決しようとするのは一部のスーパーウーマンとおじさんたちですよね。

茜：ギャップが生まれるのはそういうことも理由だったんですね。

村上：ただ、今統一地方選なんかだと女性の当選率が高くなっていて、私より先に同じような活動をしてきた方達の成果が出てきているんだなと思っています。大手のメディアでも、私たちの活動を前向きに特集してくださることが増えました。

茜：少しずつ政界の体質を変えようとしている方がいて、実現できつつあるということなんですね。

村上：そうですね。なので、社会問題に関わりたいと思ったら、自分が興味のある活動をしている人やNPOを応援したり、寄付したり、ボランティア活動をするところからアクションを起こすのははじめやすいかもしれません。推し活みたいな感覚で。

茜：日本って政治的思想を口にすることがタブーとされているじゃないですか。例えば選挙に行ったとしても、家族間ですらどこに投票したか言わないほうがいいというような。なので、社会問題を考えていたとしても口にしにくいし「そんなこと考えてるなんて意識高いね…」と揶揄されちゃうんですよね。特に私みたいに芸能の仕事をしていると「そういうこと言わないでほしかった」と批判されもするので、意思表示が難しいし及び腰になってしまって。

村上：欧米だと自分が政治に対してどういう意見を持つかの教育があるので、芸能界の方でも積極的に社会課題に参加しているし、どのNPOを応援しているなどを公言できるんですけど、日本はそういう風潮が根強いですよね。でも最近は日本の芸能界の方でも声を上げる方は増えてきましたよね。選挙前などは特に。堀田さんもぜひ…（笑）。

【茜】ジレ￥24,200（Stola.／ストラ）トップス￥14,300（スローン × デミルクス ビームス／デミルクス ビームス新宿）
※村上フレンツェル玲さんの衣装は私物です。CHANELブティックへのお問合せはご遠慮ください。

撮影／杉本大希　スタイリング／阿部絵莉香　取材／野田春香　再構成／Bravoworks.Inc