VAN、ハマトラ、みゆき族…「あなたはいくつ知ってる?懐かしいファッション用語」5選

「トラッド」と聞いて思い浮かぶものは人それぞれ。ジャケットやローファーなどのアイテム、アイビーやプレッピーなどのスタイル…。そんなわかりそうで実は知らない、「トラッド」とは何かについて、ユナイテッドアローズの栗野さんにお話を伺いました。

〜今さら聞けないトラッドの歴史〜

    「トラッド」と聞いて思い浮かぶ

    【1960年代】
    ’60年代、アイビーファッションを提案するショップ「VAN」が大ヒットし、男子は空前のアイビーブームに。やがて女子にはトラッドをややキレイめに解釈したニュートラスタイルが全国的に流行。日本特有のレディーストラッドとして10年以上定着。

    「トラッド」と聞いて思い浮かぶ

    【1970年代】
    ’70年代後半~’80年代前半に女子のトレンドとなったのが横浜元町発の「ハマトラ」。象徴的なブランドアイテムを身に着けるのがステイタスで、全国の女子が憧れた。男子は’78~’82年頃、アイビーを着崩したプレッピースタイルが一大ブームに。

    「トラッド」と聞いて思い浮かぶ

    【1980年代】
    ’80年代後半からソフトトラッドやナチュラルトラッドが流行。ニュートラやハマトラよりも落ち着いた印象で、浅野ゆう子のスタイルがアイコン。この頃、アイビーを経た男子がミックス感のあるフレンチアイビーやイタカジに移行していく。

    「トラッド」と聞いて思い浮かぶ

    【1990年代】
    ’90年代になるとジャケットスタイルをベースに手頃なインポートブランドを取り入れたミックストラッドが流行し、バーニーズやユナイテッドアローズが提案。従来のニュートラよりもモードで洗練されたフレンチミックススタイルも人気に。

\トラッド用語解説/

    「トラッド」と聞いて思い浮かぶ

    【アイビーリーグ】
    アメリカ北東部にある名門私立大学8校の総称。その学生たちが着ていたのがアイビールック。紺ブレ、ボタンダウンシャツ、コットンパンツ、ローファーが定番で、世界にも影響を与えた。

    「トラッド」と聞いて思い浮かぶ

    【VAN】
    アイビールックを日本に持ち込み、流行を作り社会現象を巻き起こした、’60年代から’70年代に一世を風靡したメンズファッションブランド。VANのショッパーさえもステイタスだった。

    「トラッド」と聞いて思い浮かぶ

    【みゆき族】
    ’64年頃、VANのアイビールックで決めた若者たちが銀座のみゆき通りにたむろする、「みゆき族」というカルチャーが生まれた。女子は白ブラウス×ロングスカートといったニュートラ的なスタイルが主流になっていく。

    「トラッド」と聞いて思い浮かぶ

    【プレッピー】
    アメリカの一流大学進学を目指す予備校生たちの俗称。シャツの裾を出し、裸足にローファーを履くなど、上質なアイビーを着崩した彼らの抜け感のあるスタイルが’70年代後半人気を博す。

    「トラッド」と聞いて思い浮かぶ

    【ハマトラ】
    「横浜トラディショナル」の略。’70年代後半~’80年代前半に流行した横浜元町の女子大生発祥のトレンド。「フクゾー」の服、「ミハマ」の靴、「キタムラ」のバッグが3大アイコン。

イラスト/ユリコフカワヒロ 取材/宮沢裕貴子 再構成/Bravoworks.Inc