uka代表・渡邉季穂さんを成長させ、癒してくれる人やアイテムとは
女性としてこれからのキャリアについて悩むSTORY世代。’22年に女性活躍推進法が改定されてからはますます女性の活躍が期待され始め、徐々に女性管理職比率も高くなってきています。個人として評価され活躍される女性リーダーの方々には、キャリアの狭間で自身の生き方を見つめ、可能性を信じてチャレンジする姿がありました。今回ご登場いただくのは、トータルビューティーカンパニーとして、サロン運営や自社開発商品の販売を手掛ける株式会社uka 代表の渡邉季穂さんです。(全3回の3回目)
渡邉季穂さん(57歳)
株式会社ウカ/uka代表
STORY編集部(以下同)――ここまで渡邉さんが自身の道を見つけ、様々な人と関わりながら事業を拡大してきた道のりを伺いました。その過程で得た大切な思い出に触れたいと思います。今の渡邉さんを築く上で、影響を与えた方を教えていただけますか?
私に影響を与え、大きく成長させてくれた方は、間違いなくYukiさんです。ロサンゼルスでサロンを経営されているYukiさんは、トータルビューティーサロンの経営者の先輩であると同時に、人としてのあり方まで学ばせていただきました。
印象に残っているのは、Yukiさんから夕食に誘われたときのことです。このとき私はロサンゼルスの観光を楽しみ、両手いっぱいにお土産を抱えて、Yukiさんとのお食事の場に向かいました。
Yukiさんは、そんな私を見るなり「ちゃんとしなさい!」と一喝しました。その意味は、お土産をホテルに置き、シャワーを浴びて、身なりを整えて来なさいということでした。Yukiさんは、私のためにレストランを予約し、最高の夕食の場を整えてくださった。そんなYukiさんの気持ちに、私は応えられていなかったということです。おもてなしをしてくださる相手への気遣い、その相手への心配りとは、こういうことなのだとハッとさせられました。
Yukiさんには、親が教えてくれなかった社交やマナーをたくさん教えてもらいました。本当に感謝しています。
もう一つ伺いたいのは、ご主人との関係についてです。現在、ご主人と一緒に仕事をされていますが、不都合なことなどなかったのでしょうか?
仕事を一緒にするようになったのは、約10年前。ブランド名を「Excel」から「uka」に変更する頃でした。
夫は、広告代理店で働いていたこともあり、ビジネス思考。売上げを伸ばし利益を追求するために、どうすべきかを常に考える人でした。一方、私や父は職人肌。目の前のお客様に満足いただくために、どうすべきかを常に考えていました。お互いの考えを理解できず、衝突することも多かったです。
また一緒に仕事をするようになり、私に心安らぐプライベートの場がなくなったことも辛かったですね。一緒に仕事をする前は、泣き言を言っても理解してもらえました。一緒に仕事をするようになると、泣き言を言うと「お前がいけない」とダメだしされてしまい、心の拠り所がなくなりました。
ようやくお互いに歩み寄れたのは、10年経った今ですね。夫は職人肌の私たちを理解するよう努めてくれ、私たちも夫の売上や利益にこだわる重要性を理解するようになりました。だから、これから先の未来、夫との協働は私にとっても楽しみですね。
――最後に、自身を奮い立たせるアイテムを教えてください。
一つ目は、「シータヒーリング」です。1995年にヴァイアナ・スタイバルが創始した瞑想手法です。
彼女の教えは、人生で起こることの全ては、自身の良し悪しの思い込みであり、この思い込みをコントロールすることによって、不都合だった事象も良い事象に置き換えることができるということです。
あるとき私は、スタッフの自己肯定感の低さに気づきました。この自己肯定感の低さはどこから来るのだろうかと考えました。そこでわかったのは、他人からどう思われるか不安だということでした。シータヒーリングを学び、他人からどう思われるかよりも、自分がどうしたいのかを考えることで、解決できると気づかされました。
二つ目のアイテムは、「カルティエの時計」です。初心を忘れないためのアイテムです。34歳のときに、カルティエとのタイアップ企画を1年間行いました。毎月、撮影をする中で、一目ぼれしたのがこの時計です。
三つ目は、猫です。猫は気のまま、自由なんですよね。
商売をやっていると、お客様やスタッフからどう見られているのかを意識します。その他人の目が、自分を疲れさせることもあるんです。その疲れを癒してくれる存在が、猫でした。仕事で疲れ切ったとき、私も猫のように、他人の目を気にせず、気のままでもいいんじゃないかなと思えたんです。
仕事にはプレッシャーはつきものですが、それでも楽しくやりたい、楽しくありたいなら、癒しの時間を持つことも大切。猫たちと戯れることで、リセットできています。
撮影/BOCO 取材/髙谷麻夕
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