【漢字】「嘲笑う=ちょうしょう」は間違い!読めそうで実は読めない漢字3選|CLASSY.

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CLASSY.ONLINEの漢字連載では、前回に続いて「二字熟語に送りがなをつけると、なんて読む?」をご紹介。「美味」という二字熟語は「ビミ」と音読みします。しかし、送りがなを付けて「美味しい」となると、「おいしい」という「熟字訓(当て字読み)」になります。そんな語の中で、熟語(音読み)段階でもそこそこ難しく、送りがなを付けるとさらに難しくなるものをピックアップしました。

 

1.「狼狽える」

最初は、熟語「狼狽」です。「狼

最初は、熟語「狼狽」です。「狼」も「狽」も常用漢字外です。「狼(おおかみ)」はおわかりでしょうが、実は「狽」もその一種と考えられています。動物を表す漢字には、常用漢字に入っているものと、そうでないものがありますが、たとえば都道府県名を書くのに必要な漢字は、すべて常用漢字に入っています(「熊」「鹿」など)。まず、熟語で読んでみてください。

正解は、「ロウバイ」でした。「思いがけない出来事にあわてふためく」という意味です。漢字「狼」「狽」には、「あわてる」「みだれる」という意味があります。では、この「狼狽」に送りがなを付けた例文は「自らの不正が発覚して、狼狽える」です。さて、何て読むでしょうか?

正解は、「うろた(える)」でした。一説に、「狼は前足が短く後足が短いが、狽はその逆で、両者は常に共に行動し、離れると倒れて、うろたえることから」というのがあるようです。

2.「嘲笑う」

次は、「嘲笑」です。「嘲」も「

次は、「嘲笑」です。「嘲」も「笑」も常用漢字です。まず、熟語で読んでみてください。

正解は、「チョウショウ」でした。意味は「ばかにして笑うこと」です。では、この「嘲笑」に送りがなを付けると「人の失敗を嘲笑うことは慎まなければいけない」のようになります。さて、何て読むでしょうか?

正解は、「あざわら(う)」でした。ところで、「失笑」という言葉があります。「嘲笑」と同じように、「あざわらう」という意味で使われることが多い気がしますが、どうでしょう。「失笑」とは、本来、「こらえきれずに思わず吹き出してしまうこと」です。ご存じでしたか?

3.「浮腫む」

最後は、「浮腫」です。「浮」も

最後は、「浮腫」です。「浮」も「腫」も常用漢字です。「腫」は訓読みで「腫(は)れる」と読みます。まず、熟語(音読み)で読んでください。

正解は、「フシュ」でした。「皮下組織にリンパ液や組織液が多量にたまった状態」、普通に言えば、「〇〇〇(あえて伏せます)」です。では、この「浮腫」に送りがなを付けた例文は「長時間、立ちっぱなしの仕事で脚が浮腫む」です。さて、何て読むでしょうか?

正解は、「むく(む)」でした。上記、「浮腫」の意味の「〇〇〇」は、「むくみ」です。「浮腫」で「むくみ」と読むこともあります。

気温が三十度に届かない日が続くようになると、急に秋らしさを感じます。今年は、台風が6月初めに襲来したため、台風が多くなりそうとの予想がありましたが、台風襲来の時期とされる、「二百十日(立春から数えて210日目。今年は9月1日)」「二百二十日(同9月10日)」も過ぎましたね。では、今回はこのへんで。

《参考文献》
「広辞苑 第六版」(岩波書店)/「新明解国語辞典 第八版」(三省堂)/「明鏡国語辞典 第三版」(大修館書店)/「古語林」(大修館書店)/「難読漢字辞典」(三省堂)/「難読漢字の奥義書」(草思社)

文/田舎教師 編集/菅谷文人(CLASSY.ONLINE編集室)