旅こそ「デジタルデトックス」する良い機会!【スマホ漬けライターが体験】|STORY
いまやデジタル機器が手放せない、どっぷりはまっているという40代も多いのでは。旅は、思い切ってデジタルデトックスをしてリフレッシュするいい機会。ツアーを開催しているステイ先もあります。STORYライターが体験してきました。
人生初のデジタルデトックスへ、いざ出発!
仕事柄仕方ないのかもしれないけれど、仕事以外でもインスタやYouTubeなど日常的にスマホを見てしまう私。仕事はもはや何の言い訳にもなりません……。
こんにちは、今日もYouTube見ながら寝落ちしたライターの北野法子です(笑)。とは言え、正直たまにやってくるスマホ疲れ。全てのSNSを遮断して雲隠れしたい! という欲求が沸々と湧いてくる時もあります。自発的になかなかデジタルデトックスができないので、今回は星のやが提供する「脱デジタル滞在」を利用して、物理的に携帯を触れない環境に身を置きに行ってきました!
今回選んだのは、星のや軽井沢の「脱デジタル滞在」。心の疲れを払拭するプログラムで、星のやでは2019年より国内5施設で、2023年からは国内6施設において通年で実施しています。それぞれの星のやで行われる「脱デジタル滞在」のプログラムは異なりますが、軽井沢の 〜温泉と森林浴〜 のプログラムを体験してきました。
星のや軽井沢は、浅間山麓の自然に囲まれた山あいの地に位置しています。出発前までバタバタと仕事に追われ、ホテルに着いたら電子機器を預けるのでそれまでに色々終わらせなきゃと、新幹線の中でもPCを開いて仕事。これから始まる「脱デジタル滞在」と真逆の作業に追われていましたが、軽井沢駅へ到着した途端「空気が違う!」と一気に心がオフモードに(笑)!
星のやでの滞在に心躍らせながらエントランスをくぐれば、そこは別世界が広がっていました。星のや軽井沢は「谷の集落に滞在する」がコンセプト。その名の通り自然豊かな景色が目の前に広がり、東京から新幹線で約1時間とは思えない別世界が広がっています。
チェックインはお部屋にて。チェックアウトまで鍵をかけた軽井沢彫りの箱に電子機器を預けます。PCや携帯を手放す時はなんだか例えようのない不安に襲われ、「あぁ、既に私はデジタルに毒されている」ことを実感。でも預けてしまえば腹もくくり、思いっきりリフレッシュしようとスイッチが切り替わりました。お部屋は「水波の部屋」でベランダから美しい木々が眺められ、水のせせらぎが聞こえてきます。ただそこにいるだけでも “非日常” の景色。もう電子機器も預けてしまったし、余計なことは考えずにゆっくり過ごそうと思います。
森の生き物の不思議に触れるピッキオのツアー「野鳥の森ネイチャーウォッチング」へ
ピッキオは、野生動植物の専門家。子供の頃から野生植物が大好きで、今の仕事が天職と話す森さんがガイドを務めてくださいました。国設軽井沢野鳥の森の中を歩きながら葉っぱの匂いを嗅いだり、鳥の声を聞き分けたり、ツキノワグマなどの獣道を探したり自然豊かな森の中を歩いていくのは何とも気持ちの良いこと。どんぐり池では大量のオタマジャクシが!子どもの時以来のオタマジャクシの大群に大興奮した私に、森さんが頑張ってオタマジャクシを手ですくってくれようとしましたが、逃げ足が早くて捕まえられずに残念! 雲の隙間から差した神々しい光とともに、疲れた私の心も晴れていきました。
「Onsen マインドワーク」メディテイションバスにて自分と向き合う
温泉の価値を追求して開発された、宿泊者限定の「メディテイションバス」にて行われる「Onsen マインドワーク」。「光の部屋」と「闇の部屋」と呼ばれる2つの浴室があり、インストラクター指導のもと「光の部屋」では身体を浮かべた浮遊浴を体験し、「闇の部屋」では暗闇の中で心に響く水の音や揺らぎを体験。ぬるめの温泉なので身体を温めながら浮くことで全ての力を抜き、瞑想を通して自分と向き合うことができるのです。情報過多だった頭をクリアにできて、一気に心の疲れが取れました。これは是非体験して欲しいおすすめのプログラム!
旅の醍醐味!至福の夜ご飯タイム
旅の醍醐味は、何と言ってもご飯にあります。星のや軽井沢のコンセプトは「谷の集落に滞在する」なので、皆がリラックスできるように「館内着」に着替えることを推奨しているそうです。私はいつも「館内着」はあまり利用しない派なのですが、今回は着替えて集落の一人となってみました。山の素材を用いた「日本料理 嘉助」では「山の懐石」と日本酒のペアリングを心ゆくまで楽しみます。2ヶ月に一度メニューが変わるとのことで、四季折々のお料理を楽しむことができますね。
森のほとり Cafe&BARで大人時間を満喫
美味しいお料理を堪能した後は、せっかくなので森のほとり Cafe&BARで季節のカクテルをいただきます。ここはお昼間に訪れた「ピッキオ」の受付兼カフェの場所。夜になると真っ暗になり、昼間とは違う表情を見せてくれます。
満点の星が綺麗〜!!運がよければ遊びに来たキツネにも会えるそうですよ。一番人気は暖炉の前だそうで、途中で席を移動しながら自然の中のひと時を満喫。窓も全開にしてくれるので、夜の静けさに吸い込まれていきそうです。
星のやは国内6施設、一部の客室を除いてほぼ全ての客室に時計とテレビを置いていないそうです。なので宿泊するだけで誰でもある程度のデジタルデトックスはできるのだそう。吸い込まれそうな静けさの中で、心地よい眠りに落ちていきました。
翌朝、「のびのび深呼吸」で心と身体に酸素を取り入れる!
目覚ましもかけずに起床。腕時計で確認するとまだ6時でした。折角なので窓を開け、自然の澄んだ空気を身体全部に吸い込みます。今朝は「のびのび深呼吸」に参加予定。朝露に濡れた丘の上に敷かれたヨガマットの上で、朝の光を浴びながら腹式呼吸を取り入れたストレッチ体操。な、な、なんて健康的なのかしら。館内着のままというのも、リラックス効果に一役かってくれています。
休息のための朝食で、身体を目覚めさせてリセット
昨夜は懐石のフルコースにお酒もたくさんいただいたので、正直まだお腹が空いてないところ(笑)。朝食は10:30までやっているので、のびのび深呼吸の後は部屋に戻って珈琲を飲みながら持参した本を読むことに。窓を全開にして緑を眺めながらの読書はなんて贅沢なひと時。心が豊かになる気がします。さて、流石に朝食終了の時間が迫ってきたので、昨晩と同じメインダイニングへ移動。数種の野菜を丸ごと用いた野菜出汁による優しい味わいの「山の朝食」をいただきます。
窓越しの棚田の景色を眺めながら、帰る前にどこか寄りたいなぁとぼんやり考え、ハルニレテラスでコーヒー豆でも買ってから帰ろうと思った時にハッとしました。そう、中軽井沢は亡くなった父と最後に泊まった場所。珈琲が好きな父とハルニレテラスで一緒にMARUYMA COFFEEを飲んだことを急に思い出したのです。あれから何度も軽井沢に来ていたのに、どうしてそのことを思い出さなかったのだろう……。朝食をいただきながら急に父と過ごした時間を思い出して涙が溢れて止まりません。誰かに見られたら恥ずかしいと思いながら、そんな記憶を思い返すキッカケになったのもスマホから解放されたからかもしれません。
心地よい思い出に浸りながらも最後のデザートはテラスでいただけるとのことで、テラスへ移動。棚田に囲まれた庭を見ながらいただくデザートは格別! 「うーん、東京へ帰りたくない〜!脱デジタル滞在最高!!」
そしてチェックアウトの時間
さあ、チェックアウトの準備。部屋に戻って洋服に着替えてアクセサリーを装着したら一気に戦闘モードに(笑)。預けていた電子機器が戻ってきました。正直ちょっと触るのが怖いけど、この「脱デジタル滞在」によって得られた幸福感と充実度と癒され度合いは筆舌しがたいもの。必要なのは「何処で過ごすか+どう過ごすか」なのだと思います。せっかく南国へ行ったとしても四六時中スマホを触っていて脳が疲れてしまうもの。たかだか2〜3日くらい誰かと連絡が取れないくらいで、別に命まで取られるわけではありません(笑)。星のやは通年「脱デジタル滞在」のプログラムを実施しています。国内それぞれの場所によってプログラムが異なるから、興味のあるプログラムのホテルへ滞在してみるものオススメ。東京へ向かう新幹線の中ではメールやLINEの返信に追われながらもどこか心に余裕があり、ひと回り強く優しくなった自分を発見したのはいうまでもありません。なかなか自発的にデジタルデトックスするのは難しいけれど、興味がある方はぜひ体験してみてください。
星のや軽井沢
〒389-0194
長野県軽井沢町星野
取材/北野法子