福田萌子さんに聞く!SNS全盛期の「人から認められたい欲」との上手な付き合い方3選
「承認欲求」=マイナスなイメージがあるかもしれませんが、自分や相手の「認められたい」気持ちをきちんと理解して上手に付き合えば、コミュニケーションを円滑にしてくれる側面も。SNS全盛のいま、切っても切り離せない「承認欲求」のトリセツをお届けします。
「承認欲求」との付き合い方、福田萌子さんはどうしてますか?
幅広い層から支持を集める福田萌子さんも、人の評価を気にしたり、人に合わせたりしていた時期があったそう。萌子さん流・承認欲求のトリセツについてお話をお聞きしました!
「私は私」と思えるようになったら承認欲求から自由になれた
承認欲求に左右されず「私は私」と思えるようになったのは30代になってから。10代、20代の頃はモデルの仕事の現場でも「いい子と思われたい」という気持ちと自分の意見との葛藤がありました。たとえば「どっちがいい?」と聞かれて自分の意見を伝えると「自我がすごい」「わがままだ」と言われてしまったり。今度は「どっちでもいいです」と答えると「自分の意見がない」と言われたり…。何が正解なのかわからず相手の顔色を窺ってニコニコしたり、自分らしさがまったくなかった時もありました。
そんな私が他者からの承認欲求から自由になれたのは、自分で自分を「認め」「把握する」ことで、他者に承認してもらう必要がなくなったから。「自分を認められる」ようになったのは「事実の積み重ね」のお陰です。たとえば仕事なら、入社1年目では「この仕事に向いているのか」「必要とされる存在なのか」ということがわかるにはあまりに事実も経験も少なすぎます。でも3年も経てば、事実が増えてきて「私の立ち位置はこのあたりだな」「ここまでできるようになった」と自分がわかってきますよね?「事実の積み重ね」は仕事だけでなく、趣味や習い事、日々のルーティンでもいいんです。積み重ねながら「なぜこれをしているんだろう?」と自分のしていることに向き合って、自分の選択一つ一つに「好きだから」「私がこうありたいから」と意味を持たせてあげる。そうしていくことで私らしさやこだわりが見えてきて、「私は私」と言える自分になっていく。パンケーキ作り一つをとっても、向き合えばミルクや粉の量、混ぜる回数…いくらでもこだわって極めていけますよね?何かを自分なりに楽しんで積み上げていくと、そこに対して自信が生まれ自分を承認できるようになります。「自分を把握する」ために自分にインタビューもしました。「どんな時に幸せを感じる?」「健康のために気をつけていることは?」など。「私、最近いつ幸せを感じたかな?」と掘り下げてみることで自分の幸せの形だったり、自分の求める理想や自分らしさがだんだんわかってくると、自分で自分を満たせるようになっていきました。
SNSについては「こんな素敵なツールってないな」と思っています。情報が無料で得られて、いろんな方の気持ちや考え方、言葉の遣い方を知ったり、写真を通じて好みやセンスもわかる。私にとっては、いいコメント、厳しいコメントどちらも学びでしかないし、ありがたいもの。厳しいコメントも、私の書いた文を全部読んでくれて、そこまでの情熱を注いでくれてありがたいなと思います。人の投稿は雑誌や本を読んでいるような感覚で、一つの情報だと思っているので、見てモヤモヤすることはないかな。コメントもまた情報として、「なるほどそういう考えもあるんだ」と思って付き合っています。「なに?この意見。絶対に違う!私はこう思う!」みたいに否定的な感想を持つことはないですね。「なるほど。私だったらどう考えるかな」というスタンス。そこで否定したり「私はこう思う!」とコメントするのは、自分の意見を承認してほしいという欲求なんですよね、きっと。「私は私」と心から思えていれば、承認欲求ともSNSともより楽しく付き合えるのではないかと思います。
萌子さん流「承認欲求」のトリセツ3つ
1.「みんな」から認められることを求めなくていい
誰でも「認められたい」という気持ちはあるもの。大事なのはそれをどこに向けるか。ネット上の知らない人など、「みんな」に承認を求めても八方美人になり自分らしさもなくなってしまいます。リアルの世界のパートナーや家族、友人が認めてくれれば、それでOK!
2.「他人は無責任」、人の言葉で悩む必要なんてない
「まさに!」と感銘を受けた「他人は無責任である。ゆえに心を乱されてはいけない」という勝海舟の言葉。他の人が「私そんなこと言った?」ぐらいの気持ちで言ったことで悩んでしまう時ってありますよね。そんな他人の言葉に左右されなくていい。自分とは遠い存在の他人が書くSNSのコメントならなおさらです。
3.SNSは「自己満」「いい情報をシェアしたい」というスタンスで
私にとってSNSの投稿は「私はこうしているよ、こう思っているよ」と、アイデアや思いをシェアする感覚。私の発信が何かしら有益な情報になったり、考えるきっかけになれば嬉しいな、ぐらいの気持ちです。〝いいね〟や周りの反応にはこだわらず、SNSは自己満足でいいと思っています。
教えてくれたのは…福田萌子さん
モデル、スポーツトラベラー、トレーナーとして幅広く活躍。初代バチェロレッテとして参加した『バチェロレッテ・ジャパン』では多くの女性からの支持を集め、自己肯定感や自信を養うセミナーも人気。萌子さんが自己肯定感や自信を持てるようになれたプロセスやヒントを、1年半かけて丁寧に綴った著書『「なりたい自分」になるシンプルなルール』(幻冬舎)も好評。
撮影/木村 敦 ヘアメーク/手塚裕美 取材/加藤みれい 再構成/Bravoworks.Inc