習い事きっかけで、思春期親子の関係性が変わった! リアル体験談〈3選〉

親子で一緒に学んだり挑戦することで、親子の濃密な時間を共有。そこから見えてくるものとは? 習い事きっかけで、親子関係が変わった!という実録をご紹介。

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子どもが「天才」だと知る

4歳からサッカーを始めた息子。小さい頃は私も練習相手でした。チームのママ達とは毎日顔を合わせ強い絆が生まれて、チームの子はみんな我が子のような感覚。自分がスポ根と無縁だったので、息子の応援に一喜一憂できることも嬉しかった。

中学でモチベが下がった時に、「じゃあ、ママやってみようかな」と。たまたまフットサルをやっている友人に誘われて。

サッカーの試合は見てきたのでイメトレは完璧! と思いきや、全然できない。 ミートすることも、チームの動きを俯瞰して見ることも、すごいことなんだと尊敬。息子に「あなたは天才」と言ってます。

「家の中でボールを蹴るな!」と怒っていましたが、今は息子がつけた壁の傷に私が追い傷を(笑)。息子は毎朝4時起きで、週に何十時間も練習。試合はその内のわずかな時間でしかない。いい時も悪い時もあって当然で、メモリアルな試合を見せてもらえたらそれだけでも奇跡だと気づけた。

いつか辞めてしまう日が来るからこそ、今、息子とサッカーを通じて一緒に喜んだり悔しがったりできるこの瞬間がとても愛おしいです。

(片山あゆみ 46歳 本誌ライター)

気持ちがわかり、声掛けも変わる

「ママも一緒にやって」そんな息子のひと言で始めた空手。試合では肋骨にひびが入ったこともあり、痛さも怖さも本気で味わった。だからこそ、まだ年長だった息子の頑張りに、心から寄り添うことができたのだと思います。「

子どもに頑張らせるだけでなく、自分が頑張っていないと、何も言えない」。その思いの背景には自身の子ども時代の記憶も関係していて。水泳でジュニアオリンピックに出場経験があるものの、未経験の父から厳しくされることが辛かった。

バイオリンは息子・娘と私の3人でレッスンをスタート。思うように弾けない私を横目に、息子はどんどん上達し、時にはアドバイスまでくれるように。悔しさより、何だか誇らしかった。

さらには地域のミュージカルにも挑戦。付き添いのつもりが、気づけば私も舞台の上に。人前で話すのが苦手だった娘が観客を涙させるほどの表現力を身につけて。家でも学校でも見られない成長がそこにはありました。自然と応援の言葉も変わった。

一緒に過ごした濃い時間が、「子どもの頑張りを知っている母」にしてくれました。

(原田あゆみさん 40歳 STORYパーソナルスタイリスト)

もう一度、親自身が人生の主人公に

中村屋のカレーシェフ体験に親子で参加。
家では一緒におもてなし料理を作ることもありました。

子どもが親の手を離れるまでの、わずかな時間をできる限り共有したい。そんな思いから、私は習い事を「子どもにさせるもの」ではなく、「一緒に楽しむもの」としてきました。

息子が水彩画を描く横で私は油絵を。クラシックギターを習う時には、先生に「お母さんもどうですか?」と誘われ始めました。わからないことを何度も聞けず、ついわかったふりをしてしまう私に、息子が教えてくれる。そんな場面もありました。

気後れし練習に行きづらい私に「大丈夫、一緒に行こう」と声をかけてくれた言葉が何より嬉しかった。親子1対1ではなく、先生やプロなど第三者を介して学ぶという環境が、親子に新たな関係性や発見をもたらし、一緒に学ぶ仲間になれる。そんな信頼が生まれた経験でもありました。

今では、長男はチェロ、次男はバイオリンとバンド活動に夢中。食卓でクラシック音楽の話をする時間も幸せ。子ども達の自立は寂しさもありますが、私も学び続け、輝く姿を見せていきたい。仕事でも習い事でも。そしてまたいつか、音楽やスポーツを一緒に楽しむ。進化する親子関係も素敵な未来だなと思っています。

(企画の発案者 吉浦 薫さん 47歳)

取材/小仲志帆 企画発案者/読者・吉浦 薫さん ※情報は2025年10月号掲載時のものです。

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