澤穂希さん『20歳くらいから今でも基礎体温を測っています』

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堀田茜が「30代になってなんだか気になる…」と感じるタイムリーな話題を、今会いたい識者に直接聞きに行く連載29回目。今回は、澤穂希さんに先月に続き、「妊娠を見据えたカラダづくり」についてお話を伺いました!

お米中心の生活に変えてから明らかに体調が良くて食事管理がすごく楽しい!

【今月の茜のモヤモヤ案件】
先月に続き、自分の体を妊娠・出産に向けて準備しておきたいし、それ以前に健康を維持するためには日頃の食事が大切だと感じています。これまでは運動でどうにかしようと思っていたのですが食事で管理するならどんなことができますか?

〈今月話し合いたいこと〉
ピザをよく食べる生活からお米中心に変えたらなんだか調子がいいのですが…?

堀田:昨年の結婚をきっかけに自分の健康管理を見直していて、食事制限をしたり、週2で必ずパーソナルトレーニングに行ったり、ピルを飲んでホルモンバランスを整えたりと、思いつくことをいろいろ試して自分に合うものを常に探しています。澤さんは現役時代からずっと体のことを考えていらっしゃると思いますが、今日は特に食事の管理はどうされていたのかお伺いできたらと思いお越しいただきました。食事のことってたくさんの情報や考え方があるし、流行りもあるので、誤情報に惑わされないようにしたいなと思っていて。

誤った情報や極端な健康管理で自分が自分に振り回されて太った過去が…(茜)

澤:そうですね。SNSの情報って基本的には一部の人の話なので、それに一喜一憂するのはもったいないなと思っています。自分の体質との相性も絶対にあるので、真剣に体のことを考えるなら私はまず専門家に聞きますね。たとえば「痩せたい」が目標だったとして、炭水化物をとらなければ痩せるという話はよくあるけど、体に良くないかもしれない。糖質(炭水化物)は体に必要な栄養素。若いうちは結果が出ればそれでいいかもしれないけれど、年齢を重ねていくと本当にガタがきますよ。貧相な痩せ方になって肌にも髪にも良くないし、精神的にもくる。結果が出なければ余計意地になって摂食障害になる可能性だってあります。だからやっぱり、バランスを取ることが大事。
堀田:私もこの仕事をはじめた頃、まわりのモデルがみんな痩せていて、時代的にも細いことが正義という風潮だったので、1日1食にして痩せることを優先したことがありました。すぐ結果は出て「細いね」と言われることが快感で。でもあるときから体重が減らなくなって、それがストレスになって過食に走り、かえって太ったことがあります。それから「体型を気にしすぎるのはやめよう」「運動するからいっぱい食べてもいい」と諦めてなんでもよく食べていたら、また体重が健康的に落ちた。ただ、それから何年も経った今は、それだけだと理想の体型になれないこともわかったので、人生ではじめて栄養素を考えて、お米中心の生活にしてみたんです。それまで私はピザが大好きで、宅配ピザを毎日ひとりで1枚食べていたこともあったくらいなので…。でもそれをやめてお米中心にしたら、それが私にはすごく合っていたようで、今体調がすごくいいです。
澤:いいですね。やっぱり食事って楽しいし、おいしく食べたいじゃないですか。それくらいゆるく頑張るのっていいと思います。我慢しちゃうといろんなことが楽しくなくなる。ストイックにやりすぎてもストレスで爆発しますよね。
堀田:本当ですね。体に負担の少ない食べる順番もあるじゃないですか。でもそれを意識しすぎて「これを最初に食べるのはよくないって聞いたけど今これしかないから食べるのやめよう」と、情報に振り回されたこともあります…。忙しくなると柔軟に頭が回らなくて…。
澤:「これやらなきゃ」と思わず、楽しいほうを優先でいいと思います。心と体は一致しないとバランスが崩れてしまうので、食べる楽しみを一番に考える。忙しかったらそこまでストイックにならなくてもいいです。でも朝時間がなかったら、朝食を食べないよりはバナナ1本でもゼリーでも、食べたほうがいいですよ。何かを口に入れることで体が目覚めるので、何か摂取することが大事。その代わり、他の食事で食べる量を調整したり、好きな運動をプラスしたりするほうが気持ちも前向きでいられます。ただ、ある程度、この食べ物にはどんな栄養価があるなどの知識を頭に入れておくと、堀田さんみたいに自分に向いた食事が見つけやすくなるかもしれないですよね。
堀田:本当ですね。主食を変えるだけでもこれだけ体調が変わるんだから、自分に合った食べ物を探していけばいいんだなと身をもって感じました。食事が楽しくなると、よりおいしく健康に食べることを追求するようになって、無添加のものを探す楽しみもできました。
澤:栄養素のことがわかるようになると、楽しいですよね。そこまできたら、食生活アドバイザーなどの勉強をはじめるともっといいと思います。
堀田:すごく気になります!澤さんが「スポーツ栄養プランナー」「食生活アドバイザー®3級」の資格を取ったのはなぜですか?
澤:家族のためです。やっぱり体を作るのは食事だから、子供の成長のためにと思ったし、夫とも今は週末しか会えない生活なので、夫が帰ってきたときには栄養たっぷりでバランスの取れたものを作ってあげたい。そう思ったときに、食事の知識があれば家族みんなハッピーだなって。
堀田:素敵ですね。栄養のことを知るのが楽しいと思いはじめたのはいつ頃ですか?
澤:現役のときからですね。たとえば土日に試合があると、そこから逆算して月曜からどういう食べ物をとるのがいいか考えるんです。それをトレーナーさんにアドバイスしてもらいながら食事をしていました。でもあの頃に今の知識があったら、もっと長く、いいパフォーマンスができたのかな…と考えたことも正直あるくらい、栄養管理は大事。
堀田:アスリートの方たちの体調管理って心から尊敬します。自分はなかなかそうはなれないなって。
澤:メダリストでもお菓子ばっかり食べてるっていう選手もいますけどね(笑)。でも食事を改善したらパワーアップしたという話も聞くので、やっぱり食事に嘘はないです。

現役時代に今の知識があったらもっとパフォーマンスできたかもと思うくらい、食事って大事です

自分の体を知る人は自分しかいない。疑問はSNSより専門家へ(澤)

堀田:ちなみに澤さんは他にどんな健康管理をされていますか?
澤:自分が今どういう体の状態なのか把握するために、20歳くらいから今でも毎日基礎体温は測っています。
堀田:20歳から毎日ですか!?
澤:体温を測ると、いつ生理が来るのか、自分に排卵があるのかどうかわかるようになるんですけど、女性アスリートは排卵時に怪我が多くなるというデータが出ていたりもしたので、そんなときは念入りにウォーミングアップをしたりとか。現役の頃から、妊娠する未来を思い描いていたので、その意味でも気を付けていました。元々は婦人科に行くのも抵抗があるくらいだったのですが、あるときとってもお腹が痛くなってからは通うようになりましたね。サッカーって白い短パンをはいたりするので、生理が気になることもあり、20代後半からはピルも飲んでいましたし。とにかく、自分でいろいろ気を付けていました。幸運にも現役を引退して結婚して、ピルをやめたらすぐに妊娠することができて。自分の体を知る人は自分しかいないですよね。読者のみなさんにはSNSの情報に惑わされず、食事の専門家が書いた本を読むなど、ちゃんとした知識を学んでほしいと思います。妊娠出産の未来を考えるならより一層、そこも視野に入れた食生活を今のうちから。婦人科の先生に頼るとか、この先生はちょっと違うなと思えば違う先生にかかる選択もできる。だから、食事をはじめ、体のことは、ぜひご自身でも正しく学びながら、専門家に頼ってみてもらえたらと思います。私はどんなことでも、2人以上の専門家に相談するようにしています。
堀田:そうですね。私のお米中心の生活にすることも自分でしか気づけなかったことなので、自分で自分を知りながら、「食事は楽しさを一番に」とお話しいただいたことを都合よく捉えないように気をつけつつ(笑)、できることを少しずつという意識で、やっていきます。

対談したのは…

澤穂希
●1978年9月6日生まれ、東京都出身。15歳でサッカー女子日本代表入り。2011年FIFA女子ワールドカップ・ドイツ大会キャプテン。なでしこジャパンの優勝に貢献し、大会MVPと得点王に輝く。2015年8月に結婚、同年12月に現役引退。一児の母で、子育てをしながらスポーツ普及のための様々な活動を行う。2023年に「スポーツ栄養プランナー」「食生活アドバイザー®3級」を取得。著書、メディア出演多数。

堀田茜
●モデル、俳優。1992年10月26日生まれ、東京都出身。CLASSY.をはじめ多くの女性ファッション誌、ドラマに出演。「世界の果てまでイッテQ!」(日本テレビ)レギュラー。『ENEOS FOR OUR EARTH -ONE BY ONE-』(J-WAVE)ナビゲーター。土ドラ『浅草ラスボスおばあちゃん』(東海テレビ・フジテレビ系列)、映画『この夏の星を見る』(公開中)に出演。2024年4月に結婚。

[茜]シャツ¥9,990パンツ¥5,990(ともにGap)タンクトップ¥11,000(TW)ネックレス¥23,100(プラス ヴァンドーム)ピアス¥26,400リング¥46,200(ともにマリハ)[澤さん]ブラウス¥30,800(LE PHIL/LE PHIL NEWoMan 新宿店)ピアス¥6,980(Ops.)

撮影/杉本大希 スタイリング/近藤和貴子[堀田さん分] 坂下シホ[澤さん分] ヘアメイク/YUMBOU(ilumini.)[堀田さん分] TONOE[澤さん分] 取材/野田春香 編集/小林麻衣子 再構成/Bravoworks,Inc.
※CLASSY.2025年9月号「堀田茜のほったらかしにしたらアカン!」より。
※掲載中の情報は誌面掲載時のものです。商品は販売終了している場合があります。