菅野美穂さん「出産前に思い描いたことは夢物語だったと痛感しました」【映画『近畿地方のある場所について』インタビュー】
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現在公開中の映画『近畿地方のある場所について』に、オカルトライターの瀬野千紘役で出演している、菅野美穂さん。10代でデビューし、結婚、出産とライフステージの変化を迎えながら、キャリアを重ねている姿は、私たちの憧れです。そんな菅野さんが20代の頃に抱いていたモヤモヤや、千紘を演じて気付いたホラーの魅力を伺いました。
Profile
1977年生まれ。埼玉県出身。1992年のデビュー以来、数多くのドラマや映画に出演。歌手としても活躍し、ジャンルを問わずに活躍。主な出演作は、2003年フジテレビ『大奥』、2007年日本テレビ『働きマン』、2021年日本テレビ『ウチの娘は、彼氏が出来ない!!』、2023年テレビ朝日『ゆりあ先生の赤い糸』、2024年映画『ディア・ファミリー』など。私生活では、2人のお子さんのママ。
実はホラー好き。夜中にネットで都市伝説とか見ちゃいます

――映画『近畿地方のある場所について』の原作は、ベストセラーホラー小説です。菅野さんは、ホラーやミステリーはお好きですか?
今回改めて、「ホラー、好きだな」と思いました。昔は、『女優霊』とか『リング』とか、VHSを通してホラーに触れていましたが、今は手元のスマホに恐怖がある。日常に近かったり、身近なところに不気味さがある方が、人は恐怖心を絡め取られるんだな、と千紘を演じて実感しました。以前は、「呪いのメールが来る」と言われても、「なんで、電子デバイスに霊が宿るの?」と思っていましたが、今はその疑問も忘れました(笑)。
――千紘は行方不明になったオカルト雑誌の編集長が残した数々の過去の未解決事件や怪現象を、赤楚衛二さん演じる編集部員・小沢とともに調べていきますが、彼女のように、自ら怖さを受け取りに行くタイプですか?
夜中に目が覚めると、ネットで都市伝説を永遠に見てしまうときもあります。たまに、〝この写真に恐ろしいことが載っています〟と書かれているのに、スクロールしても全然辿り着かないものもあって(笑)。「この感じ、絶対怖くないじゃん!」ってわかりながらも、気になってスクロールし続けちゃう。私的に、ホラーとジェットコースターって似ていると思うんです。ホラー作品で普段とは違う世界に没頭することで、自分の日常に安心できたりする。それは、安全が保証されていてるからこそ、怖さを楽しめるジェットコースターのスカッと感と近しいのかな、と。ホラーを見ている間は、付きまとうような悩みも一時停止される。現実逃避ではないですが、ストレス解消の役割もあるのかもしれません。
世代ごとの焦りがあるから、いつまで経っても焦りはなくなりません

――作品の中では、事件や怪現象が“近畿地方のある場所”へとつながっていたことに気づき、小沢がどんどんのめり込んでいく姿を横目に、迷いながらも一緒に突き進むキャラクターを演じられています。菅野さんご自身は、CLASSY.世代だったころ、どんなことに迷ったり悩んだりしていましたか?
あと数年で30代になる、27、8歳のころは、思い描いていた30代と当時の自分にギャップがあって、モヤモヤしていました。自分が若いときは、30代はもっと大人で余裕だろうと想像していましたが、現実は全く違って必死でしたね。でも、実際に30歳を迎えたら、不思議と楽になれたんです。仕事で言うなら、経験も増えて、柔軟に対応できるようになりましたし、不安も少なくなったかな。30代は仕事が楽しい時期でもありますよね。
――20代の頃、焦りはありましたか?
ありましたね。でも世代ごとの焦りがあるから、いつまで経っても焦りはなくなりません。例えば、私の場合、「産後復帰するなら、現場に迷惑をかけないように」と考えていましたが、子どもが産まれたら、それは夢物語で綺麗ごとでしかないと痛感しました。思ったように仕事ができないし、どこかに皺寄せがくる。出産前に不安に思っていたことは、どんと構えられるようになったけれども、焦りがなくなるわけではなくて、また違った種類の焦りを抱えている感じです。「ゼロのつく年に、その年代特有の焦りがくる」と聞いたことがありますが、30歳は、結婚や出産がより現実的だから、悩みが深く、幅広くなる年齢だと思います。
今のアラサー世代は、精神的に成熟度が高いのかなと思ってます
――選択肢が多いからこそ、悩むCLASSY.読者が多いのですが、今のアラサー世代をどう見ていますか?
日常生活で接する人がほぼ年下で、落ち着いてしっかりした人が多いな、と思っています。ただ、逆に自分らしさが選べる時代だからこそ、自ら取捨選択するのが大変な世代かもしれないですよね。選択肢が多くて、より自由に生きられるけれど、わきまえを持って動かないといけない世の中じゃないですか。SNSも自分で常識を持って発信しないといけなかったり。そういう部分で精神的に成熟度が高いのかな、と遠くから見ています。
information
映画『近畿地方のある場所について』公開中
2023年1月、Web小説サイト「カクヨム」に第1話が投稿され、SNSを中心に話題を集めた、「近畿地方のある場所について」。「行方不明の友人を探しています」から始まる原作は、累計2300万PVを超えるヒットを記録し、8月には単行本化。発行部数70万部を突破するベストセラーがついに実写映画に。菅野美穂さん演じるオカルトライターの千紘と、赤楚衛二さん演じる雑誌編集者の小沢が不気味な謎を追うストーリーは、衝撃展開の連続。
タイトル:『近畿地方のある場所について』
原作:背筋「近畿地方のある場所について」(KADOKAWA)
出演:菅野美穂、赤楚衛二
監督:白石晃士
脚本:大石哲也 白石晃士
脚本協力:背筋
音楽:ゲイリー芦屋 重盛康平
主題歌:椎名林檎「白日のもと」(EMI Records/UNIVERSAL MUSIC)
配給:ワーナー・ブラザース映画
オフィシャル:公式サイト KINKI-MOVIE.JP/公式X @kinki₋movie
ハッシュタグ:#近畿地方のある場所について
コピーライト:©2025「近畿地方のある場所について」製作委員会
ジャケット¥107,800 パンツ¥35,200<ともにアンスクリア> シャツ¥53,900〈セブリン〉 ベルト¥28,600※参考価格〈アトリエ アンボワーズ〉 シューズ¥64,900〈ペリーコ〉(すべてアマン) イヤカフ¥77,000イヤリング¥187,000リング〈左手人差し指〉¥341,000リング〈左手薬指〉¥264,000リング〈右手〉¥297,000 (すべてトーカティブ/トーカティブ 表参道)
【ショップリスト】
アマン 03-6805-0527 トーカティブ 表参道 03-6416-0559
撮影/河内彩 スタイリング/青木千加子 取材/坂本結香 編集/越知恭子