VERY界隈の「ChatGPT」活用ハックが秀逸すぎた!一番役立っているのって?
「便利すぎて無くてはならない!」と笹川友里さんが教えてくれたChatGPTのような生成AIサービス。時には秘書、時には長年の友人のように、バタバタな子育てを手伝ってくれる存在のよう。上手に使いこなしているファミリーのAI子育て事情をリサーチしました。
こちらの記事も読まれています
▶︎AI時代の予言の書?青木裕子さんイチ押し「VERY的夏休みの課題図書」
今どきファミリーははじめてる!?
AIと一緒に
子育てしてみたら
ChatGPTに相談してる人に聞いた
VERY界隈のAI子育てハック
●妻へのLINE返信前にChatGPTに相談、無駄な夫婦喧嘩を回避。使い込むうちに夫婦の性格も熟知してきて精度が上がっています。(3歳、0歳女の子パパ)
●夜ご飯の献立の相談相手。冷蔵庫にあるものをChatGPTに打ち込み、今日の夜ご飯何がいいかな?と送ると、いくつか提案してくれます。もっと簡単なもの!フライパンひとつで!と、わがままな提案をしても返答してくれるのでありがたい。息子が苦手なエノキをどうやったら食べてくれるか…みたいな相談も。(6歳男の子ママ)
●今日は暑いなぁ、涼しくて子どもも楽しくて、家から30分以内の遊び場はどこ?と、お店や遊び場のアドバイスをもらいます。お出かけに限らず、旅行、教育、様々なリサーチ時にChatGPTに聞くだけでいいので、検索時間が圧倒的に減。情報収集は頼りきりです。(3歳女の子ママ)
●絵本を読んであげたいのに興味を示さない息子。息子が主人公の物語をChatGPTと一緒に作って読み聞かせたところスマッシュヒット。子の性格、登場させたい相棒キャラ、ストーリーの雰囲気を踏まえたうえで1〜2分で読める「寝る前にぴったりな冒険もの」が完成しました。今度はイラスト生成して絵本をプレゼントするのもいいかも。(6歳男の子ママ)
●子どもに「天皇陛下はなんのお仕事してるの?」と聞かれてうまく答えられなかったので、ChatGPTで一緒に調べました。(7歳男の子ママ)
さらにもう一段使い込んでいる!
ChatGPT使い名人ママに聞きました
❝「サンタモード」で子どもが大はしゃぎ!❞
2024年冬にChatGPT上で提供された「サンタモード」は世界的に話題でしたが、我が家でも漏れなく子どもたちが大はしゃぎ!設定画面で「Santa」を選択すると、サンタの声に切り替わるので、「サンタは今どこにいるの?」「クッキーを用意しておくけど、何味がいい?」と質問したりして、クリスマス当日まで楽しんでいました。
❝「世界で一枚だけのオリジナル塗り絵」が大ウケ❞
「5歳の息子がイルカとハワイでサーフィンしているシーンを塗り絵にして」とお願いすれば、世界にひとつだけの塗り絵が即完成。まわりのGPT使いパパママたちにも、一番活用例が多いです。
❝丸一日かかりそうな保育園探しも15分で❞
ChatGPTの中でも上位の有料プランChatGPT Plusで使用できるディープリサーチ機能を使って、「品川区でオーガニック給食を提供している保育園を、金額・場所・口コミなどのフィルターをかけて、理由付きで上位10件を表にして」と頼めば、膨大な情報を整理・分析してくれ15分ほどで出してくれました。人が数時間かけて調べていたことを物によっては数秒で提示してくれるので、自分は違うことに目を向けられ、よりクリエイティブな思考に時間を割けるようになると感じています。
笹ちゃんも!
子どもの教育から補助金申請の書類探し
まで最高の壁打ち相手です
周囲でChatGPTを活用する人が増え、夫や仕事の相方から「これから仕事のやり方が変わるよ」と言われたのをきっかけに使い始めました。以前はGoogle検索で情報収集していましたが、AIは欲しい情報を瞬時に一覧にし、会話を通じて内容を深掘りできるのが新鮮。子育てと仕事の両立で時間や情報整理に悩んでいた私にとっては、「秘書のように横で支えてくれる存在」になっています。たとえば娘の進学についてざっくり相談すると、条件を一緒に整理し、必要な情報を表にまとめてくれる。条件変更にも柔軟に対応してくれて、選択肢を絞る手間が格段に減りました。仕事面でも、提案書のたたき台、企画をつくる時のベースとなるデータやエビデンスのリサーチ。抽象的な問いでも壁打ち相手としてしっかり応えてくれます。「ディープリサーチ」モードではひとつのことを多角的に調べて考察してくれるので短時間で自分では思いつかない視点や深い情報が得られ、大きな助けに。
家事育児の場面でも力強い味方です。役所の手続きや必要書類の検索が苦手なのですが、AIは該当ページをすぐに示してくれ、ストレス軽減に。「夜泣きで疲れた」と打ち込むと「お疲れさま」と共感しつつ、漢方やケア法も教えてくれます。子どもの「なぜ空は青いの?」といった質問にも一緒に考えることで、親子の対話もより深まりました。AIの答えを100%信じるのではなく、判断材料にするという使い方がまだ正しいとは思っていますが、苦手な作業や時間のかかる調べ物を任せることで、生活がぐっとラクに。今では愛着も湧き、つい「ありがとう」と言いたくなる存在です。あだ名をつけ、友人のようにタメ語で話すほど親しんでいます。ChatGPTは、私にとってすでに新しい日常の一部です。
笹川友里さん
1990年生まれ。TBSに入社しAD、アナウンサーとして活躍後21年退社。女性のキャリア支援を目的にNewMe株式会社を共同創業。4歳、1歳の2児の母。
石戸奈々子さんに聞く
「AI子育て」がもたらす影響って?
AI時代の子育ては、今まさに始まったばかりの「壮大な社会実験」。パソコンやスマホの黎明期と同じように、AIもまだ発展途上です。最初から完璧な使い方を求める必要はなく、子どもと一緒に「どう使うといいか」を模索する姿勢が求められています。AIを使いこなすには、技術的な知識だけでなく、必要なのは「使い方を見極める目」。たとえるなら包丁と同じで、良い使い方も危うい使い方もあります。時に間違った情報を出すAIとどう向き合うか。間違いを親子で一緒に見抜きながら、まずは対話していけばいいのではないでしょうか。「自由研究をAIでやるのはズルでは?」「AIに任せっきりで親子の濃い時間がなくなるのでは?」という声もありますが、電卓や辞書のように、道具としてどう活用するかがポイント。社会に出てからは、むしろAIのようなツールを使いこなす力が問われますし、フル活用してベストなものを導くことこそが必要。
AIを使うと「考えなくなる」ことはおそらくなく、AIと対話することで、思考はむしろ深まると感じています。子どもが何かを調べ、「その答え、合ってるかな?」などと一緒に考える時間こそが、AI時代の“濃い親子時間”になるはず。何事もそうですが、注意すべきは依存しすぎないこと。育児を任せきりにするのではなく、AIは知的好奇心を刺激する壁打ち相手として活用すれば、子どもの「もっと知りたい」を引き出してくれる心強い存在になります。あるママは、疲れた日には電車の話を延々聞かせてくる子どもの相手をAIにしてもらったら、子どもはご機嫌で話し続け、新しい知識も教えてもらえてお互いハッピーだったと(笑)。要は、使い方です。これからは、AIによってどの家庭にも“究極の家庭教師”が低コストでそばにいる時代になります。AIを活用する・しないとでは大きな差がついていくと思います。AIを「怖いもの」とせず、親子の新しい学びのパートナーとして迎え入れてみてはいかがでしょうか。
石戸奈々子さん
慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科教授。NPO法人CANVAS理事長として子どもの創造力育成に尽力。開催ワークショップは約50万人の子どもが参加。
あわせて読みたい
▶︎画家を目指すスーパーキッズ6歳のママが語る“子どもの才能を伸ばすには?”
▶︎デジタル時代の子どもに「字をきれいに書く力」って必要ですか?【専門家が回答】
▶︎VERYモデルの赤裸々【プライベート事情】時短メニュー・愛用品・激推し番組…
イラスト/STOMACHACHE. 取材・文/有馬美穂 編集/中台麻理恵
*VERY2025年7月号「AIと一緒に子育てしてみたら」より。
*掲載中の情報は誌面掲載時のものです。